新装版 功名が辻 (2) (文春文庫) (文春文庫 し 1-115)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167663162

作品紹介・あらすじ

木下藤吉郎(豊臣秀吉)の手についた伊右衛門の出世は、遅々としてならない。そして日の出の勢いだった織田家に転機がきた。信長が本能寺で斃されたのである。跡目をねらう諸将の中で、いち早くとび出したのは秀吉であった。伊右衛門にも運がむいてきた。四十歳を目の前にして、彼はやっと大名になった、わずか二万石の…。

感想・レビュー・書評

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  • 一豊の運の強さ、千代の賢さや先見の明が感じられた。
    これまでは天下を動かした人物、人物を直近で補佐した人物、出来事の内容を読んできたが、一武将、大名の内容は初めて読んだ。(充分大物)
    主君、正義、忠誠、政治情勢など、運や知恵ものでないと生き残ることができない時代なのだなと改めて実感した。

  • 9/17 読了。秀吉と家康の話が中心です。
    秀吉の世がガラガラと崩れていきます。なぜ崩れたのかが詳しく描かれており、秀吉の味方になったり嫌悪したりと忙しいです。この混乱の中で、主人公山内一豊がどのように時代を読み、生き抜くのか。続きも楽しみです。

  • だんだん面白くなってきた!
    戦国時代の秀吉、家康の攻防というメインストリームのそばで、あまりぱっとしない存在である山内一豊が妻千代の才覚によって出世していく様が興味深い。
    千代は自分が男性として、あるいは男性並みに活躍したいという野望はなかったのだろうか?時代はそのような思考をもたせなかったのだろうか?
    司馬氏がこの作品を執筆した年からもう45年以上も経っているようだ。これだけでも女性の意識はだいぶ変わっていると思った。

  • 天下統一、その後のパワーゲームをどう生き残っていくか・・・

    一巻と比べると、本作の面白さがわかるようになってくる時期だからなのか、

    引き込まれていくのがわかる。

  • 2作目は前半と後半でかなり印象が異なる作品に。
    前半は秀吉の栄華を極める派手さがあったが、後半はその華美さが逆に不気味に思えてきた。千代の目線から見る時代の移り変わりや情勢が読みやすく描かれていた。
    そのまま描写するよりも、千代目線で描くことで他にはない新鮮さと客観性がありおもしろいと思う。

  • ※2005年購入
     2005.12.18読了
     売却済み

  • 本能寺の変から、秀次の粛清まで。
    相変わらず妻の掌の上で転がされる伊右衛門(山内一豊)。
    ガムシャラに戦場を駆け巡るだけで、効率的な戦い方のできない伊右衛門は、千代のアドバイスを受けてもなお、出世がおぼつかない。

    千代は神だよね。
    未来のことはわからないといいながら、すべてが千代の思い通りに進む。
    ただ、伊右衛門がそれを活かせないだけだ。
    でも、それが彼の限界なのだとしたら、それを超えろとお尻を叩き続けるのが本当に幸せに続く道なのか。

    千代は伊右衛門のことを支えていると思っているのかもしれないけれど、下から支えているというよりも、上から支配しているように見える。
    そして私が千代について気に入らないのは、彼女の視界の中には、上の世界と自分達しかいないこと。
    日常的な家臣への目配りのようなものがない。
    ちょっとしか出てこない北政所はきちんと存在感を示しているのに。

    もちろんこれはあくまでも司馬遼太郎が書く千代であって、本当は違うのかもしれない。
    でも、後の土佐藩を見ると、やっぱり周囲の人に対する配慮のない夫婦だったのではないかと思う。
    偏見だけど。

  • 早く続きを読みたい

  • この巻は山内一豊夫妻についてだけでなく、その時代を広く面白く読むことができました。

  • 本書を読む限り、山内一豊は武も無い、知も無い、凡将としか映らない。
    千代がいてこその、山内一豊。
    千代と結ばれていなければ、どうなっていたのか。
    今後の千代の手綱さばきに注目していきたい。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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