M (文春文庫 は 25-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 511
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167664022

感想・レビュー・書評

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  • かなり久しぶりの馳星周。繁華街舞台にドンパチ繰り広げなくても揺るぎ無いノワール感。住む世界は違うのだけど起き得ないことでは無いと言うか。表題作のMに関してはトラウマに支配されている物語りだろうし、近い感覚がある。
    眩暈の主人公には「しっかりしろよ」って突っ込みたいけど。。

  • 少し間違えるとただのエロ小説になってしまう題材なのに、人間の性の執着と生の根源が、登場人物の内面を的確に描写することによって浮かび上がる。流石馳氏の作家の手腕・力量あるからこその作品。特に「声」と「M」は秀逸。。

  • 中編小説集
    アイデアは良いが 物語のふくらみがない

  • ハードボイルド好きになったキッカケの作家。
    久しぶりに彼の作品を読んだ。

    相変わらず、テンポが良くて止まらず読みやすい。
    独特の冷たさと退廃感。アングラ満載の重くて脆い空気感。
    この世界に引き込むのは早い。

    淡々と進む背徳への道があまりにも日常的に描かれていて
    当たり前のように文字を追っている自分にハッとしたり。

    タイトにまとまっていて飽きないところで締めているところが逆に印象に残る、さすがな構成にさくっと読み切ってしまった。
    好き嫌いははっきり分かれるかと。

  • 短編集。すらすら読める。各話オチが弱い感じがした。

  • この手のSM小説を読む時はどうしても谷崎潤一郎のあの耽美な世界を期待してしまう。そして、人がサド・マゾになっていく過程、またはなってしまった人の切なさのようなものを期待する。

    ありきたりな表現だが、美しくも悲しく儚い小説を期待する。

    残念ながらこの本からそれは感じられなかった。文章もストーリーも決して悪いとは言わないけど、期待しているものとは違うから、どうしても小説として楽しめなかった。

    どの作品もあと一歩登場人物に踏み込んで欲しいな。

  • うーん、何が言いたいのか…登場人物がどうにも芝居がかってて、読んでて醒める。いや、SMってそもそもこういうものなのかも。その道に走らざるを得ない人の哀しみがテーマ?わからん。

  • 短編4作品、どれもこれも救われないお話だ。日常の中に潜む、ある境界線を踏み外した先に、地獄が口を空けて待っているのだろう。表題作の『M』に至っては、人間の肥大化した大脳皮質が見せる幻覚なのだ、それを鎮めるために払うエネルギーの如何に大きなこと。

  • 官能小説的描写が多いけどそこそこ楽しめた
    やっぱり少し前では風俗産業に無縁の人が今の時代は関わりを持たざるを得ないという社会背景がこの作品に面白みを与えているのかな
    ーーーーーーー
    サラリーマンは義妹の媚態を妄想し、固執する。母親は家計の足しに携帯電話を使って体を売る。初老の男たち相手にコスプレで荒稼ぎする女子大生は就職戦線で苦戦中。SMクラブに没頭し、女とプレイするための資金づくりにフリーターの男が選んだ強盗先は──。世間の雑踏にまぎれる平凡な者たちを陥れる些細なきっかけと苦悩。日常のほんの少し先にある「異界」にはまり、超絶の性に捕らわれた人間の背徳を残酷なまでに描ききった異色作品集。

  • 最高!

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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