デッドエンドの思い出 (文春文庫 よ 20-2)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167667023

感想・レビュー・書評

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  • 5つの短編ありますが、どの物語も主人公が人生の穴にすっぽりはまってしまったり、過去のトラウマを抱えていたりする状態からのスタートです。彼女たちと自分の感情が溶け合って辛くなる人もいるかもしれません。でもみんな最後には希望を見出して終わります。
    大切なものを無くして落ち込んでいる人や、頑張りすぎて元気なくなっている人に読んでもらいたいです。きっと一緒に涙してすっきりできると思います。

  • 日常を柔らかく包み込む包容感の1冊
    今日もどこかにありそうな事件、ハプニングに見舞われた主人公が地に足つけて前向きになろうとする
    つらい時に読んだら元気もらえそう

  • キッチンの後に続けて読んだ作品。
    人間誰しも抱えているであろう「どうしようもないもの」を埋め込んだまま生きている主人公たちが経験する、恋愛ストーリー短編集。「それでもどうにか、やっぱり生きていく」というテーマはキッチンと共通するところがあったな。

    好きだったのは、以下3つ。

    ●幽霊の家:
    わかるなぁ、この主人公のたどり着いた結論!と思ってしまった。単純に、ストーリーが好きだった話。うらやましいと思うくらい。描かれているのは恋人でもない、友人でもない、微妙な距離感なのに、刺激というよりあったかい!
    若いときは、それこそ身体全身で好きだって表現したり、繋がりあうことが大切に思えて、そして同時に、それは確かに大事。
    でも、ただ何となく一緒にケーキを食べたり、洗濯物を干しながら話をしたり、今日なに食べようかと相談したり。そんな時間を愛しいと思えるようになることも、悪くないもんだよ。

    ●おかあさーん!
    これは、ストーリーが好きだったとかそういう事よりも、自分と重なってしまった部分が強くて。心臓つかまれた。
    どうしようもないの、埋め込まれちゃったもの。気付かないふりも、生きてく上で必要でしょ。それも含めて生きるってことでしょ。とまぁ、そんなことをセンチメンタルに考えてしまったわ。
    結局どうしようもないものに向き合うのは私だから、ありのままの私を受け止めてとかそういう単純な話じゃないんですよということを上手く伝えてくれた。

    ●デッドエンドの思い出
    ストーリーもいいなぁともちろん思ったけれど、この1フレーズで思わず泣いてしまった。自分でもびっくり。

    「誰にも何にも期待してなくて、何も目指してなかったから、たまたますごくうまく輝いてしまった日々だった。」

    こういう日々が一番かけがえがなくて、その輝きを作ってくれた出会いは本当に貴重で、一番辛いのはいつも気が付くときには過ぎ去ってしまってること。
    こういう日々があるから、生きてけるわ。


    ということで、またまたあたたかい気持ちをありがとう、よしもとばななさん。でした。

  • 『ともちゃんの幸せ』
    いちばんいていいはずの「自分の居場所」にいたたまれなくなり、それでもその場を離れられなかった苦痛が、じんわりとよみがえってきたのだ。

    『デッドエンドの思い出』
    そういうことをひとりじっくりと悲しく考えるのさえ、多分、私のリハビリだった。

    私は、正直言って嬉しくて嬉しくてかけだしたくなった。

  • こういうのは、丁寧にゆっくり読まなくちゃ。
    生きてくってことが、胸の奥底にすっと溶けていくような物語集。

  • 気分が落ちると(特に何かあったわけでなく、ただメンタル下がる)、本棚から、本を色々取り出して、読み出して気分に合いそうなのを読むと、すーっと落ち着いてゆくわけです。

    短編それぞれ哀しい出来事を書いてるのに、暖かく、淡い光で満たされていました。どんな出来事があっても、変わらずに世界は進行してゆく。

    23歳くらいの時に読んだかと思うけど、当時は共感して読めたのかなー。
    昔読んだ時、こんなにいい本だと、感じたかな。

    よしもとばななを、よく読んでたなぁ。

  • 一生もんに、なりました
    どの話も大好き。

    自分は、誰かにとって大きな存在になりうるんです。
    希望持てる話でした

  • なぜかこれを読んだら失恋から立ち直れました。大切な作品です。

  • 何か雑誌にこの季節に読みたい本として載っていて。やさしい強さがあって、自分を肯定してくれるようなフレーズを見つけては付箋を付ける。ばななさんの感覚的な描写が大好きですバイブルです

  • よしもとばなな自身が自分が今まで書いた話の中で一番好きだという表題作とてもがよかった。優しいけど押し付けがましくなくて。
    思い出した時にまた読み返したい。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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