口笛吹いて (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167669027

感想・レビュー・書評

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  • 少し長めの短編集。どれも重松清らしさが出たよい作品だった。

  • 巻末の言葉を引用すると

    家庭に職場に重荷を抱え、もう若くない日々を必死に生きる人々を描く五篇を収録。さりげない日常の中に人生の苦さをにじませる著者会心の作品集。
    とのことです。

    重松氏の本は対象の年齢がはっきりとしています。
    特に小学生や中年を対象にした作品に惹かれます。
    志水辰男氏のような叙情的な表現ではないのですが、文章がとても基本に忠実で素直に読めます。
    短編集なので少し物足りなさも感じますが、とても共感が持てる本でした。

  • 読んでいて分からなかったけどなにかに負けたことについて書かれた本だったのか。
    子供はみんな負けることに関して、かなり否定的だけど大人になったら負けることが必ずしも悪いことではないのだと思うよね。勝ち続ける人生なんてないんだから。

    たち悪い小学生と先生の話は重いけど印象的だった。

  • どこかのHPで「かっこ悪い中年像」を描く重松さんというような発言を見ました。確かにそうだけど、同世代の私から見れば、格好悪いというより「けなげ」という感じがします。
    「かたつむり疾走」の父親にしても、スーツ姿に固執するわけではなく、なんとなく照れくささもあって最初から作業着になれないだけでして。。。。
    そんな父親が偶然とはいえ、彼女の危機を救おうとして、逆にボコボコにされるのですが、それも決してかっこ悪くは無くて。。。。
    何はともあれ、この作品では高校生の子供が、なんとなく父親を理解してくれてる感じが良くて、とても救われます。
    それにしても、子供の視点から見た普通の大人を描くのが美味い作家さんです。

  • 球児の栄光と挫折について。

  • This is the 重松清ワールド。嘉門達夫さんの解説がいい感じです。

  • いつものほっこり短編集。最終話の人生ゲームがよくわからなかった。

  • 【読み終わって感じたこと】
    人生の何かに「負け」た人達を描いた短編集。みんな悩みや問題を抱えていて、何が正解かはわからないけれど、一筋の光に希望を抱いて、懸命に生きていくしかない。そんな風に思わせてくれる本。

    【印象に残ったシーン】
    『春になれば』で、先生が笑ってレオくんに抱きつく場面。どんなに酷いことをされても、不安定なコドモを全力で受け入れ、愛していきたいと決意する姿に、私はとても感動した。

    【好きなセリフ】
    「高見沢レオって、ぜーったいにカッコいいからね」
    先生がレオくんに「新しい環境でも必ず前を向いて生きていけるよ」と伝えるこのセリフは、私の心に大きく響いた。レオくんはきっとこのセリフをいつになっても思い出して、心の支えにするんだろうなと思った。

    【こういう人におすすめ】
    ・重松清の作品が好きな人
    ・人生のどこかでつまづいた経験がある人
    ・前向きな気持ちになりたい人

  • 短編集。重松清の作品に共感できるようになる年齢になったんだなとしみじみ読んだ。

  • 著者の本を久しぶりに読みました。相変わらず弱い人、負けた人に対する目線の優しさを感じました。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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