季節風 秋 (文春文庫 し 38-12)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • / ISBN・EAN: 9784167669126

感想・レビュー・書評

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  • 重松 清氏の季節風シリーズ最後の「秋」を読みました。
    もともと産経新聞の週一回の連載から始まった「季節風シリーズ」。

    重松氏が大学入学のため上京し生活をしはじめた「春」から、東京で暮らしていると実感した「秋」。
    秋の夕暮れを眺めながら読みたい12編。
    人生のせつなさが詰まっています。
    物語はハッピーエンドで終わるわけではないけれど、でも読後感はすごく爽やか。
    重松氏の作品は大好きです。
    あとがきでは、季節風シリーズの48編の物語が重松氏のすべて。
    少しずつ違う色の作品たちに気に入った作品があれば、とのこと。
    でも、すべての作品が好きです。
    これからも重松氏の作品は読み続けたいと思います。

  • 季節風四部作の「秋」編。
    あとがきを読むと、この「秋」編が季節風シリーズの完結編とか。稀しくも、著者の書いた順番に読んでいたことになる。
    家族関係の話、友達関係の話等12編。
    いずれも読後、心に灯りがともるような、「夕暮れ時に読んでいただくのが似合いそう」な掌小説。
    「風速四十米」とか「少しだけ欠けた月」や「キンモクセイ」には、思わず涙腺が緩んでしまいそうになった。
    それにしても、このシリーズ全部で48編、それぞれ多彩なシチュエーションの物語を綴れる著者の才能に、改めて畏敬の念をいだいてしまう。

  • 重松清さんの本は53冊目。
    ブクログの本棚に登録している作家さんで一番は東野圭吾さんの75冊。
    2番目が重松清さんです。
    重松さんとの出会いは2009年の【その日の前に】でした。
    今でもその感動は心に残っていて、それ以来、大好きな作家さんです。

    この【季節風 秋】で季節風シリーズは完結となります。
    季節風シリーズを読み始めた時から、できればタイトルの季節に合わせて読みたいものだと思っていたのですが、その願いは叶わず~(笑)
    日本では初冬、バンコクではようやく乾季に入った今日、読み終えました。

    やっぱり重松節は心に響きます。
    12編全てにじ~~ん。
    昭和って良い時代だったなぁ~と、懐かしく思い出したり。
    日本にいる家族や友達を懐かしんだり…

    さてさて、次はどんな重松作品に出会えることやら~
    楽しみ、楽しみ!!

    • あいさん
      こんにちは(^-^)/

      重松さん、53冊目素晴らしい!
      私1番読んでる作家さんは綾辻行人さんだけど、20冊もいってないと思います。...
      こんにちは(^-^)/

      重松さん、53冊目素晴らしい!
      私1番読んでる作家さんは綾辻行人さんだけど、20冊もいってないと思います。

      私は重松作品は「流星ワゴン」のみです。
      お暇なときに重松作品のお勧めもお願いします。
      2015/12/13
    • azu-azumyさん
      けいたんさん、こんにちは~♪

      重松さんは大好きな作家さんで、一時、重松さんばかり読んでました(笑)

      綾辻行人さんは「十角館の殺人...
      けいたんさん、こんにちは~♪

      重松さんは大好きな作家さんで、一時、重松さんばかり読んでました(笑)

      綾辻行人さんは「十角館の殺人」を読んだだけなのですが、ぜひ読んでみたいと思います♪
      2015/12/17
  • 去年の冬に「季節風 冬」に出会ったのをきっかけに、
    季節ごとに「春」「夏」と読み進めてきました。
    いよいよこの「秋」で季節風シリーズ終了です。(もう1年経つのかぁ…)

    短編集ではあるのですが、ひとつひとつの短編が良い意味で重いので
    珍しくじっくりじっくり読んで、読了に時間がかかるシリーズ。
    相変わらず、目頭を熱くさせる話が多かったです。

    最初からやられてしまった「オニババと三人の盗賊」
    素直じゃない「オニババ」の優しさに思わず笑みがこぼれます。
    「おばあちゃんのギンナン」も近い雰囲気かな。

    あと、どの季節でも描かれている、年老いていく親と向き合うということが、
    秋では「風速四十米」「キンモクセイ」に出てきました。
    私にはまだ少し遠い未来だけれど、不可避であることが胸を締め付けます。

    「 よーい、どん!」や「田中さんの休日」みたいな家庭、なんかいいなぁ。

    「ウイニングボール」は終わらせ方が好きでした。
    私はこういう時決まって、ハッピーエンドであることを望んでしまいます。

    他には
    「サンマの煙」
    「ヨコヅナ大ちゃん」
    「少しだけ欠けた月」
    「秘密基地に午後七時」
    「水飲み鳥、はばたく」

    少し寒い風に吹かれて、金木犀の香りを感じる夕暮れに読むのに本当にピッタリでした。
    これにて季節風シリーズ読了だけど、これからも季節ごとに再読したいと思うシリーズ。
    年を経るごとに、きっと感じ方が変わるであろうことが楽しみ。

    • まろんさん
      季節に沿って読み進める、「季節風」シリーズ。
      なんて素敵な読み方でしょう♪
      あこさんのこのレビューを読んだだけで、
      このシリーズは読まなくち...
      季節に沿って読み進める、「季節風」シリーズ。
      なんて素敵な読み方でしょう♪
      あこさんのこのレビューを読んだだけで、
      このシリーズは読まなくちゃ!と、いそいそと「読みたい本リスト」を
      取り出した私でした。
      2012/10/19
    • あこさん
      >まろんさん
      せっかく四季があるので、思い切ってその季節に浸れる感じで気に入っています。

      最近バタバタしててなかなかブクログも開けなかった...
      >まろんさん
      せっかく四季があるので、思い切ってその季節に浸れる感じで気に入っています。

      最近バタバタしててなかなかブクログも開けなかったのですが、
      まろんさんの本棚を久々に見たら読みたい本がいっぱい!!
      2012/10/22
  • 春と夏をすっとばして、うっかり秋を読んでしまったら、これがシリーズ最後だったんですね。
    その季節に読みたいけれど、来年まで待つのは・・・

    作者もあとがきの中で、どんなものを書いているのかと尋ねられたらこの四冊を差し出す・・・と言っているとおり、とても“らしい”作品が並んでいて、どれも懐かしく、ちょっと身につまされたり、温かくなったり切なかったり。

    “秋”のなかでは『ヨコヅナ大ちゃん』が一番好きかな?

  • 季節風シリーズの最終章。
    家族の再生の話。人生の再生の話。

    短編だから話の結末は無いまま終わってしまう。
    私たち読者はこの家族たちの今後を想像する。

    独身の私はなぜ重松清を読むのだろう。
    ずっと思ってきた。
    もし私が結婚して家庭を持っていたら、この話の主人公たちみたいな人生を送っていたかもしれないからか。
    どうも想像できないが。

    まだまだ重松清を追いかけるつもり。
    多作な人なので大変だ。

  • 「季節風」シリーズも、最終巻になりました。
    どの季節も、その時期ならではの出会いや別れ、空気感が漂っています。

    故郷で暮らす年老いた両親の話には、胸が詰まりました。
    両親と自分の立ち位置がいつの間にか逆転する切なさ…。
    今の自分に照らし合わせて、いろんな想いが交錯しました。

    人と人の繋がり、大切な想いが一作一作にこめられています。
    四季の移ろいを感じる素敵なシリーズでした。

  • 季節風4作品の最後を飾るこの作品、きちんと締めくくらずに
    余韻が残る話がなんだか多い気がした。

    「ヨコヅナ大ちゃん」「少しだけ欠けた月」なんかがその例。

    「キンモクセイ」は百科事典の下りで思うところがあり
    感極まった。

    この作者は何気ない思い出の品といった小道具使うのが上手い。

  •  季節風シリーズもこれで残すところあと1冊。秋というイメージから物悲しい話が多いかと思っていたが、さほどでもなく相変わらずバランスの良い作品。『オニババと三人の盗賊』『ヨコヅナ大ちゃん』『おばあちゃんのギンナン』『ウイニングボール』『田中さんの休日』が特に好きだが、今回は(も?)甲乙つけがたい。ヨコヅナとウイニングであえて勝敗を書かなかったのも、全体的な読後感の統一に一役買っている。あと1冊で終わってしまうという悲しさはあるが、また期間を空けての再読も楽しみだ。

  • やっぱりいいや、重松さん。
    40代だからこそ、響くのかな。どこか寂しさを感じる季節、悲哀を感じる季節。いや、眩い夏を乗り越えた成熟した季節だからこそ、今だからこそ、また原点回帰が求められるのかな?と思わせてくれた作品。でも、抜群の安定感でいつもどおりほっこりさせてもらえました。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

重松清の作品

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