これからはあるくのだ (文春文庫 か 32-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 107
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672010

感想・レビュー・書評

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  • 角田光代さん初読みのエッセイ『これからはあるくのだ』の感想になります。

    エッセイですが最後の「−あとがきにかえて」は、角田光代さんの「生きる」ということの真髄に触れた気になり、とても気持ちの良い綺麗な終わり方だなぁと感じました。

    本作は角田光代さんの幼少期を含めたエピソード満載ですが、私のお気に入りは『「引っ越しました」最新版』ですね♪
    表題作に相当する『これからは歩くのだ』も面白いエピソードでしたが、『「引っ越しました」最新版』はより笑えました。

    150頁ほどの短編集ですのでランチやアフタヌーンティーのお供にオススメです。

  • 日常のなかにある奇妙な事象を丁寧に掬い上げたようなエッセイだった。それを共感できなかったり、面白くないと感じたりする人がいるのは当然のことで、その逆もまた然り。
    私としてはとても面白かった。
    解説が三浦しをんさんだったのも、二度美味しい感じだった。

  • そこかしこでニヤニヤ、フムフムと読まされたエッセイ。幼少期や若かりし頃のものが多めで、著者のルーツを辿っているような感じ。自身の過去の記憶が呼び起こされ、どこか懐かしく心穏やかになる。三浦さんの解説もいいですね。またいつかパラパラと頁を捲りたくなる一冊。

  • 20代から30代前半くらいの角田さんのエッセイ。

    映画館で観た『ピンク・フラミンゴ』に衝撃を受けた話がとてもよかった。
    観る前と観た後で、世界が一変してしまうような作品がある。その作品を観ても誰もが同じような感情を持つとは限らない。自分の感性がその作品に反応した時、それは自分にとって「本物」になる。
    映画、音楽、小説、漫画。あらゆるカルチャーにいえることだ。
    この先、自分にとっての「本物」にいくつ出会えるだろう。たくさん出会えるかもしれないし、ぜんぜん見つけられないかもしれない。あるいは、自分の感性がよくないせいで気づかないかもしれない。
    それでもいい。もしかしたらこの作品が自分の人生において重要なものになるかもしれない、とワクワクしながら新たな作品を鑑賞するときの興奮は、きっといつまでも続く。

  • 面白い!

    三浦しをんの解説まで含めて、笑える。

  • 31のエッセイ。
    中で、表題と同じ「これからはあるくのだ」が気に入りました。
    自転車が嫌いになってだから「これからはあるくのだ」になるのですが、人間のわからない部分、嫌な面を見てしまった重い話がこの「オチ」で一転、スカッとしました。

  • 感想
    一般論を述べるエッセイ。一見矛盾しているようだが、そこにはある種の真理が隠されている。自転車が嫌いになるエピソード。悪意に嫌気が差す。

    • moboyokohamaさん
      この作品の中で、あなたのおっしゃっている自転車嫌いになる「これからはあるくのだ」がとても気に入りました。
      そのストーリーも興味深いものと思い...
      この作品の中で、あなたのおっしゃっている自転車嫌いになる「これからはあるくのだ」がとても気に入りました。
      そのストーリーも興味深いものと思いましたがこの本のタイトルの元がここにあったのかと言う「オチ」を感じて。
      そして一気に角田光代さんの作品が好きになりそうだと思いました。
      不思議なことに書棚を見るとそこそこ角田光代作品があるのに今まで印象に薄かったのが不思議です。
      昨日ブックオフに出向いて角田光代作品を数冊購入してきました。知らなかったのですがその日はちょうど20%オフサービスの日!タイミング良しでした。
      2023/08/12
  • 自転車を毎日のように乗っている私には『これからはあるくのだ』の話しは衝撃的!こんなことがあったら確かにもう自転車には乗れなくなる。
    免許は持っていないけどドライブインが好きだったり、乗らなくても空港に行くとワクワクするのも何だか親近感。 
    こんなふうにエッセイが私にも書けたらなぁ〜
    自分の平凡な毎日もなんだか楽しくなりそう。

  • なんかハツラツとした感じで好きだった
    さらさら~っと読める

  • 角田さんのエッセー。
    頭の中をちょっとのぞいた感じ。
    記憶とか、勘違いとか、淡々と描かれているが、不思議ちゃんなところが作家として活躍するのに大切な要素だったのかな、と思えました。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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