だれかのいとしいひと (文春文庫 か 32-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672027

感想・レビュー・書評

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  • 失恋したばっかりだったりもうすぐ終わってしまいそうな関係性であったり、曇り空みたいな内容が詰まった短編集。
    自分は失恋したばかりでもないしもうすぐ終わってしまいそうな関係性も持ってないけど、自分の記憶と重なる部分があったりお話に出てくる登場人物に同調しすぎて悔しくて涙が出たり。
    角田光代さんは本当にみみっちい日常を切り取るのがうまいなあ

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/713344

  • 残念だけどちょっと切ない恋愛短編集

    転校生を理由にふられた女の子
    友だちの彼氏と付き合う病癖のある女の子
    返していない合鍵で元彼の家に泥棒に入る女の子

    などなどのちょっと変わった恋愛に
    ちょっと共感しちゃったりしつつ
    しっかり切なさもあるなんとも言えない感覚になれる恋愛小説。

    すごいどんでん返しがあるわけでもなく、予想外の結末があるわけでもない。
    日常においていかれてしまう感情をうまく表現してるなぁと思った。

  • 少し不幸な登場人物。直感として恋人との終わりを既に感じてること。好きな同性の女性の何もかもを共有したがり、友達の恋人とラブホテルに入ってしまい縁を切られること。そのどれもが不幸なことなのに、暗闇の中だからこそ光が眩く。角田光代が個人的に好きになった。


  • 恋愛短編集

    恋がしたくなる恋愛短編集ランキング50とかに入ってたので読んでみた


    恋とか愛とか、幸せとか不幸とか、そのどれにも当てはまらない感情もある
    不器用な男女のお話でした

    明確な別れとかハッピーエンドは描かれていなくて、なんなら日常のど真ん中、
    「今日」というより昨日と明日の間、って感じるようなお話達でした。(わかるかな?笑)




    好きだったのは一番最初の「転校生の会」
    読み終えて、じんわりとおーー…って浸れる感じだった

    印象的だった言い回しが


    「この世界には無尽のバスが走ってて、誰もがそれのどれかに乗らなきゃいけなくて、ずっと乗り続けてる」


    「出会いはバスの中で乗り合わせた人で、乗ってくるバス停も違えば目的地も違うから降りる場所も違う」


    「それでも、窓から同じ景色を見たり隣に座ったり、同じ時間を確かに共有していた」



    みたいなニュアンスの台詞があって、すごく響いた。
    その通りだと思ったし、すごく素敵な考え方だと。



    あとは「ジミ、ひまわり、夏のギャング」のあの言葉。



    「さよなら、かつてのあたしを奮い立たせたすべてのもの」




    またいつか読み返したい一冊です!

  • だれかの愛しい人は、だれかのものなのかもしれない。
    幸せな瞬間の自分を好きになりたいのに、
    自分には後悔ばかりしかない。
    全てはタイミングだし、誰もが結局は他人でしかない。
    「海と凧」が好きだった。

  •  角田さんは、日常に潜む些細な行き違いや間違い、どことなく漂う不穏な雰囲気を切り取るのが上手いと思う。あの時あの場面でこうしていれば上手くいっただろうに、それを選べない登場人物たちが、憎むに憎めずどこか愛しさすら感じるような不器用っぷりだった。でもどこか共感できるようなところもあって、特に最後の「海と凧」、些細な争いの奥底で行われる相手の本質への非難のし合いとか、ちょっと分かる気がしてしまう。
     全体を読み終わって、とても幸せ全開なお話なんて一つもないのに、それでも恋愛がしたくなるのが不思議だ。

  • 転校生じゃないからという理由でふられた女子高生
    元彼のアパートに忍びこむフリーライター
    親友の恋人と秘かに付き合う病癖のある女の子
    誕生日休暇を一人ハワイで過ごすハメになったOL など
    どこか不安定な女たちを主人公に書かれた8編の短編集。

  • どんな状況にあっても最後は希望を抱かせる、でも押し付けがましい明るさではない感じの角田さんの文章がやはり好きだと再認識させてくれた作品。珍しく?男性目線の物語や、転校生たちの苦悩など幅広い内容、人物設定の数々で、次はどんな話だろうとわくわくしながら読めた。どちらかというと暗い話が多かったけど、私の読んできた角田さんの話とはまた違った感じがして新鮮だった!個人的に崇拝している某アーティストの"心さえ乾いてなければどんな景色も宝石に変わる"ということばがズバリ当てはまるような物語たちに、少しの光と希望を感じた◎

  • 大好きな友人から譲り受けた本。
    哀しいのに優しい。そして、美しい。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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