空中庭園 (文春文庫)

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著者 : 角田光代
  • 文藝春秋 (2005年7月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672034

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空中庭園 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 新興住宅地に住む幸せそうな家族。父、母、姉、弟、祖母、父の愛人のそれぞれの視点から話は綴られる。
    何でもオープンに話し、色んなイベント毎に近くの商業施設に行って祝ったり、家でささやかなパーティーをしたり。でも、隠しごとなしに生きているようで、実は隠しごとだらけ。器用そうに見えて、誰もが皆不器用なんだな。こういう家族の形もありか…。

  • 作中名言「 思いこんでると、本物が見えない 」

    本物が見えたという人は、思い込んでるため、本物が見えていない。なるほどなぁと思った。
    団地という身近な設定で、1つの家族にスポットを当てる。浮気する父。ラブホに行って感傷に浸る娘。冷めた息子。うっとうしい祖母。自分だけ不幸を背負いこんだと思い込む母。世の中の普遍的なものをテーマにしてるようだが、共感できるところはあまりなかった。
    それぞれバラバラの1人で、集まって家族。誰もが孤独。当たり前の姿だと思うし、何も今更ピックアップして書いたところで、普通やんとしか思わなかった。
    もう少し突っ込んだ普遍が欲しかった。直木賞だと思うと、直木賞がちゃっちく感じるような作品。

  • 子どもが妊娠しないようにと心配する親は、これを子に渡したら

    とにかく、小泉今日子さん主演で映画化した、というイメージが強い本。
    秘密を持たないというルールの家族の話、になっているのですが
    母娘問題がインパクト強すぎて、その印象につきる本でした。

    秘密を持たないというルールを決めた母親からしてもう嘘だらけ。
    でもその背景にあるそのまた母親との関係が、当たる人には
    どんぴしゃ突き刺さる内容となっております。

    先日読んだ「母と娘はなぜこじれるのか」にて、
    なぜ角田さんと対談をしたのか、この本を読んで納得しました。

    章によって人称が変わっていくのですが、母親から祖母に移った時の
    認識の違いといったら。
    母親は一生苦しむけど、祖母はその苦しみを一生わからないのかな、
    という絶望的な本。

    えりこさんはその呪縛から今も抜けられないのが辛いだろうな。
    断ち切ることが出来ずに、「空中庭園」に逃げている。
    空中庭園も、タイトルになるほどの立派な庭園というわけではなく、
    象徴としての「空中庭園」という意味合いが強かったのが
    当初の想像を裏切られました。

    しかし父親が情けないですね。学生時代に子供が出来てしまったことで
    人生が変わり、変わったとしてもそれから17年経った今でも
    子どもがあの時出来なかった自分を想像して
    そんな空想に逃げている。逃げ続けている。
    自分から逃げて、女に逃げる、器の小さい色魔。
    マナちゃんに手ださないだけまし、でしょうか。

    この本を中高生女子に読ませたら、うかつに妊娠すると大変だ、
    と痛烈に伝わるんじゃないでしょうか。

  • 図書館で。確かこの本で何か賞を取られたような記憶があったので読んでみました。
    連載短編集のような形で章ごとに主人公が変わるのですが誰も自分は正しいと信じて行動しているのがちょっと恐ろしかったです。自分は正しい。間違っているのは、おかしいのは自分以外の人間であり自分ではない。その思い込みが怖いけれども普通の生活ってこんなものなのかなあ。

    一番最初の長女の話が一番比重的には軽かったのかなあと思いました。母と祖母の話が一番確執が深くて恐ろしかったです。愛憎入り乱れるというのか…。でも結局は簡単に割り切れないから家族なんだなあと思います。そして反面教師のように思っていて違う風に生活しているつもりでも所詮、親子は似ているという辺りが救いようがない。

    まあでもあの浮気男は色々な意味でダメダメですが…あれで良いんだろうか?というかなんでアレを相手にする女が居るのかなあ。そちらの方が不思議です。

  • 夫婦は他人 家族も他人。て昔よく聞いたけど そうそうこんなだったなあ。みんな都合あってわかりあえるはずない。

    和気あいあいなはずの全員の秘密が これでもかこれでもかとこそこそと語られ 物語もちょっとずつ進んでいく。もう家族はどこからこわれても不思議はないのに 首の皮一枚でつながってるみたいな不安定さでした。

    でタイトルが“空中庭園”で。空中庭園な家族のまんなかにいるのがママで。語る順番も絶妙。それでいて最後の語りがものすごく上手にまとめてる。

    ちなみにダメなパパと多感な息子が グズグズいいつつ家族に希望を見出そうとしてるのに対し 女って自分が生き延びるのに必死っていうか自分勝手に書かれてて 作家さんもきっと残酷な女子ですね。

  • それぞれの立場、それぞれの思いが複雑に絡み合って、人は繋がっている。
    家族がうまく繋がるためには、嘘も秘密も必要なのだろうけど…少し毒がありすぎて、読んでいてちょっと疲れてしまった。

    こういう話は、映像の方が向いているのかなぁと思った。

  • すべて隠さずに、ということは隠したいことがあるということだよね。

  • 6タイトルに分かれているがひとつの物語。それぞれ家族の親だったり子供だったりと語り手がかわる。この家のモットーは「何ごともつつみかくさず」で、実際になにもかもを伝え合っているようであって、そこにひそむ影もあったりする。

  • ワタシと同世代の女性だけではなくて、あらゆる世代、環境、性別の登場人物が出てくるのですが、そのどれもが、うまく描かれているなぁと感じました。

    角田光代さんの人物描写は、ワタシにとって、ときどき胸がチクッとなるような描写。自分とはまったく似ていない人物設定なんだけど、共感できたり、こうあるべきではないなって反面教師だったり、忘れていたコトを思い起こさせられたり。

    物語なんだけど、どこかリアルで心に迫ってくるものがあります。
    本書もそんな作品でした。

  • 同じ環境にいる家族、それぞれの角度からの話がなかなかおもしろい。現実も同じ。はたから見てるのと本当のことは違うんだという生々しい描写だった。本当の思いは当人にしかわからない。

  • 今、一番好きな作家かもしれない。こんなにドロドロした心の内側をさらっと描ける作家が他にいるだろうか。その構成力と文章力には舌を巻く。うまい。
    『チョロQ』で号泣してしまう私は、やっぱり病んでいるんだと思う。でも、ピンク色とみず色がぴょこぴょこぴょこぴょこ……。愛らしくて切ない。自分の子どもたちのマジでかわいかった頃の、完璧な光景を、何のタメライもなく愛人に話して聞かせる男。これが泣かずにいられるだろうか。
    表題作の、行き場のない苛立ちは一番共感できた。登場人物の中だと私はやはり母・絵里子に近いのかな。守られることのない約束を取り決め、テンション高く家族を仕切る、痛々しい様もひっくるめて。
    この中で一番「大人」なのは、一番年下のコウだ。それがまた、ひどく切ない。

  • この家族ほどはなくても、隠し事が全くない家族なんてないだろうな、とちょっと寂しくも。

  • あまり好きじゃなかったけど、時間潰しに読み切った。
    ーーー
    郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。でも、本当はみんなが秘密を持っており、それぞれが違う方向へ。異質でありながらも家族であるしかない、普通の家族に見える一家の光と影……ひとりひとりが閉ざす透明なドアから見える風景を描いた連作家族小説。第3回婦人公論文芸賞受賞。

  • 2017.6.12読了 65冊目

  • 何事も包み隠さずがモットーの京橋家。しかし、内実は家族のそれぞれが秘密を持ち、違う方向を見据えている。家族の在り方を問う連作小説。
    光と闇の考え方が印象に残る。正反対の存在なのに、毎日太陽が照る明るい場所は闇が神聖なものとなり、寒くて暗い所は光が神聖なものとなる。異質な両者が極論的には同じ。不思議なことだけど、この世の全ての物事に当てはまりそう。

  • 仲の良い家族…。
    と見せかけて仮面。
    仮面というかどこの家でもそれぞれの秘密はある。
    けど、その秘密がなかなかダークだったりする。
    そんな話。
    相変わらず人間の心情をよく掴む筆者だ!!
    素晴らしい!!

  • 家族それぞれの視点で描かれる連作小説。
    おばあちゃんのターンで痺れた。最後の息子ターンがエピローグ的。

  • 山口真由女史のお勧めにより読了。
    小説の場合無意識にキャスティングして読み進めてしまう。
    絵理子は(30代じゃないけど)鈴木京香のイメージ。

  • 安定の作品です。

  • 後半に進むに連れてどんなサプライズが起こるかと思っていたが、あまり盛り上がりもなく淡々と展開していく。人物が丁寧に描かれているので好きな人もいると思うが、自分的にはもう少し意外性が欲しかった。結論が曖昧なのも今ひとつな印象。

  • 秘密なんてないって家族が、実は秘密でいっぱいだったお話し。最初の女の子の話から最後の弟君の話までよくつながっているな。

  • 201704
    誰しもが人には言えない秘密を持っている。それを隠しながら家族が構成されている。

  • 郊外のダンチで暮らす京橋家のモットーは「何ごともつつみかくさず」。
    でも、本当はみんなが秘密をもっていて…。
    連作家族小説。

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