空中庭園 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672034

感想・レビュー・書評

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  • みんなそれぞれ秘密(ほぼ性の話でしかも開けっ広げ)を抱えつつも、表面は普段通り振る舞う。振る舞えば振る舞うほど、秘密が心の中に色濃く影を落としていく。ディスカバリーセンターやホテル野猿で、秘密が交錯しあったり新しく生まれたりしていくのは、なんだかみんな似たり寄ったり、結局収まるところに収まるんだなあみたいな感じがした。うーん、読了したけど、今回の物語はあまり入り込めなかったなあ。家族がいたりいけない恋をしていたりしたら分かるんだろうか?淡々と書かれてるけど、情報量が多くて、ちょっと分からなかった。

  • 最初こそぼちぼち明るい雰囲気だったけど、徐々に薄ら寒い雰囲気に。
    何年か前に、なぜか親の知らない部分がぶくぶくと増えていく子供の存在は怖いんじゃないか、とえらい深く考えている時期があって、母親に聞いたりもしたけど、正にそんな状況というか、家族のそう言う部分が書かれている話だった。
    5つのオートロックの扉が食卓を囲んでる、みたいな描写がなんというか、一番怖かった。
    でも事実そうだよな、家族。
    ミーナが途中で、あの時母親がああだったのはああいうことか、みたいな振り返りをしているシーンもゾッとした。答え合わせしなくて済む方がいい。
    知らなくていいことは知りたくないし、知りたくておかしくなったり、知らなくていいことを知っておかしくなるならこれ以上家族いらないな。

  • とにかく読んでいて疲れた
    家でのパーティーではしゃぐところとか
    拷問かと思った
    多分それほどにリアルだったのだと思う
    角田光代お見事と言うしかないが
    読むのがつらかった

  • 全員が全員ちょっとずつイカれてるせいで、それぞれ自分の役割をやってるけど実は機能不全な家族の話。
    登場人物それぞれの視点で順番に語られるけど、オチはハッキリと明示されないスタイル。
    JK娘の陽気さだけが救いに感じられた。
    親父がとにかくアホ。
    オカンの話らへんがめちゃくちゃゾワっとして面白かった。

  • とあるダンチに住む家族のお話。オープンにしているのは隠すことがあるからという事実。確かに、安心して欲しいから何かしら言っておこうとすることは自分もあるし、何もかもオープンになんてできるものじゃない。思いのすれ違いは避けたいけど、お互いにとっての適切な距離を見つけるのも難しい。それでも憎からず愛情で結ばれているのは我が家が平和なだけなのだろうか。

  • 短編集のようだが、一つ一つの話がつながっており、家族がテーマのお話。

    ちょっと闇があり、色々と親子関係について考えさせられてしまう内容。

    文章は読みやすく、またぼかしてはあるが、実在する箇所が出てきて、知ってる人はちょっと面白いかも。(私は先にその場所がこの作品に出てくることを他の本で知ったのだが)

    学生時代に読んだ時はサーっと小説として読めたが、子供を育てている今読み返してみると、この家族のようになりたくないなあと思いつつ、たぶんこれに似たような状態になる可能性もあるのかなぁと少し憂鬱に。

  • いくら家族と言えども、誰でも家から出れば個々の人間。オープンにしているつもりでも、何かしらある。そんなものだと改めて思わされた。

  • 軽いタッチでサクサク読めるが、内容は少し重め。家族の「闇」がテーマだが、フィクションにありがちなパターンが多い。もっとリアリティを追求して軽い「闇」にした方がかえって不気味さが際立ったのでは?と思ってしまう。

  • どこかでつながりのある登場人物それぞれの視点から見た構成が好き。

  • 家庭では誰しもが役割を演じている気がする。そのお面を剥がした先に何があるのかは、家族だからこそ知ることが出来ないし、知りたくもないのかもしれない。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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