ドラママチ (文春文庫)

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著者 : 角田光代
  • 文藝春秋 (2009年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672065

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ドラママチ (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 30代~40代になると待つことに慣れてしまうのかもしれない。自分の中で何かおかしいと気づいていても、何年もそういう自分を続けることに異議を唱えるわけでもなく、自分を変えてくれる奇跡的な出来事をひたすら待つ。他力本願の姿勢に入ってしまえばそれを崩すのは至難の技だ。

    でも実際は...何もやってこないし何も起こらない。これはたぶん年とともに発達した強力な妄想力が起こす幻覚症状にほかならない。気が小さくて何かを起こす勇気がないだけでしょ?という正論は左耳から右耳へ突き抜けるだけ。何かを待つことしかできないほどの長年蓄積した疲労感を分かって欲しいという思いがふつふつとあるのだけれど。

    その思いを代弁してくれるように、疲労感に身をゆだねるしかなかった彼女達のせつなさやりきれなさは、正論をぶつけるなんて申し訳ないほどに圧倒的に描かれ、いたるところでピリピリヒリヒリとし、ついでにこの小説を勧めた友人の意図はなんなのかとモンモンとした。登場人物が憑依したのは久しぶり。

    でもピリピリヒリヒリは必ず癒される。彼女達はちゃんと変わっていくのだ。各章の1/5あたりに空気がざらっと変わる瞬間が訪れ、彼女達は新しい”自分”へと脱皮する。それは明日から新しい自分が始まるような気分、例えようがないくらいの清々しさをもたらす。

    身の程を知り、しがみついていたものを手放し、今までの自分から自由になる。それだけなんだけど、ちょっとした空気のざらつきからあっという間の自分への気づきが無理なくリアルに描かれて、ドラマへと引き上げる作者の手腕が奇跡かもと思う。

    「ツウカマチ」の主人公、彼氏いない暦14年で異性との距離のとり方がおかしくなっているし、”14年あったら人は漢字も書けるようになるし円周率を出せるようになるのに、好きという気持ちが分からない”という嘆き方も情けないし、ヘタレっぷりが面白すぎる。こういう可笑しさを理解してくれる人が現れればいいねえと、ついつい同情交じりの応援をするのだった。

  • 自分が今何も待っていないから、作品自体は面白いとは思うもののあまり共感が出来ず。

  • 短編集。
    「ゴールマチ」「ドラママチ」「ワカレマチ」が好きだな。

  • いろんな待ちの話

  • 「ほんの少しの変化を待ち望む女たちの姿を描いた、心揺さぶる八つの短篇」とあるとおり、それぞれに心揺さぶられました。女性だからか思わず共感して応援してしまう箇所も多かった。各章のタイトルもおもしろい。

  • 決して気持ちよく読み進められる物語じゃない。
    どれも、孤独で、ゆがんでいて、不幸せで、読み進めるのが、
    そのような悲しみと対峙するのが怖くなる。

    それでも読み終わった後に、記憶に残る物語がたぶん一つあるのだろう。
    私にとってそれは、やる気のなくなった女の人の物語。
    やる気、それはきちんと生活することだったり、自分をきれいにすることだったり、
    趣味でも仕事でも成長を求めることだったり。
    それらに対する興味もやる気も全部なくなった、めちゃくちゃに、どうでもいいように生きてゆくことができる。

    そのように生きている人が、この世の中に無数にいる。
    社会も、自分も、他者も、どうでもよくなって。

  • 毎回違った街と喫茶店が出てくる短編小説集。
    主人公は女性で、皆それぞれの悩みを抱えて、夫や不倫相手に不満を抱いている。解説にあったが確かにみんな各々の何かを待っている

  • お話はほんの少しキーワードを次に引き継いで進む。進むというか同時並行かもしれないし、過去かもしれないけど、ページとしては進んでいる。

  • 角田光代は長編かなあ。登場人物がどうにも浅くてしんどい。

  • 8編のうち前半4編はゴールの見えないような感じの終わりかたですっきりしなかったが、後半4編は希望のある終わりかたで良かった。みんな自分が何を欲しているのか自身でもわかっていなくて、流されるように生きているように感じてイライラしたりもどかしかったり。『ドラママチ』が一番共感できた。

  • 中央線沿線の街が舞台になっている短編集で、主人公はみんな「待つ女」。
    全体的に視点が醒めていて、特に前半の3編くらいまで閉塞感や主人公の歪んでいる性格が苦手で、面白くないなあという印象を持ってしまったので、最後まであまり嵌れなかった。

  • 待つことと与えられることは同義だと信じこんでいる、おろかなおさない私。「ヤルキマチ」

    そういう暮らしをその空間で、もう幾度も幾度もうんざりするくらいくりかえしてきたような、そんな錯覚。目の前の男と暮らすというのは、焦がれて待つ未来ではなくて、とうに手に入れた過去であるような錯覚だった。「ヤルキマチ」

  • うーん、角田さんは長編のほうが好きだな。

    マチ=待ち
    というオムニバス
    ゴールマチ、ドラママチの二編は良かった。

    相変わらず、女の薄暗い部分を描くのが巧い。

  • 思わず古い喫茶店めぐりをしたくなる。

  • 『待つ』ことをテーマに描かれた、8編からなる短編集。

    物語ごとに、待っているテーマは違うんですが、やっぱり人は『待つ』という行為のその先には、なにかしら期待するものがあるんだろうなー。という気がします。

    私が好きなのは「ヤルキマチ」と、表題作の「ドラママチ」

    「ヤルキマチ」は、タイトルが今の私にピッタリな感じ。
    私のやる気はいつ出てくるんでしょうか。誰か教えてください。

    「ドラママチ」は、自分の人生が少しでもドラマチックになることを期待してるのにも関わらず、現実はどうやっても現実で、それ以上でもそれ以下でもない感じが、なんか分かるなー。って感じです。

    人生って、意外と劇的ではないんですよね。
    でも、やっぱり自分の人生って、みんな何かしらの期待をもって生きているんだなー。なんてことを思いました。

  • 読み始めてもなかなか作品の中に入り込めず、途中で諦めようかと思いながらも読みきった。
    前の5作品は特に。残りの3作品は面白みが出てきた。
    最後の解説を読み、そうだったのか!と納得。

    『ワカレマチ』『ショウカマチ』の、自分にも起きそうな感じがなんとも言えない読後感を残した。

    この小説で描かれていた中央線沿いに住んでいたこともあったため、懐かしさを感じながら読めた。久しぶりに訪れてみたくなった。

  • 待っている女の話。

    コドモマチ 子供を作るために待っている女の話。子供が変化の契機になることを望みながら停滞する空気を吸い込む。

    ワタシマチ 私のルーツを探りながら私が特別ではないことに気がついている。

    ゴールマチ 相対的な二人の女の望む先は実は同じゴールだったり。


    ワカレマチ 意地の悪い義母の中に望んでいた母親像を見出してしまう。嫌わられものの義母と夫兄妹の確かな絆に、母親になれるような気がする。


    面白かった。待つという受動的な態度が、いつしか一歩進むための能動性に変化していく過程が素晴らしい。良作。

  • イマイチ、同情はするけど共感できない。残念だけど

  • 単調な生活を変える、何かを「待っている」女性たちの想いが、痛いほど胸に響く。「私たちを幸せにするのは結婚でも恋愛でもない。」って、名言やわ☆

  • 読後感はすっきりしない
    中途半端
    何が描きたかったのかなあ

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