ドラママチ (文春文庫 か 32-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 2008
感想 : 216
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672065

感想・レビュー・書評

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  • さまざまな待つ女を描いている。
    子供、結婚、人生を変えるドラマチックな出来事...
    女性なら大半の人が共感すると思う。
    私もそんな待つ女の1人だ。
    中央線が舞台なのがリアルで良いと思った。

  • とても好き。

  • ワカレマチが秀逸。参った。

  • ジャケ買いをしてしまったのだが、内容も面白い…というより、とても興味深い作品だった。
    なんか、、、身につまされる話ばかり。笑
    前半四編は、「まぁ、人生ってそんなモンなのかな…」と少し虚しくなり、
    後半四編は、「まぁ、人生ってそんなモンだよね!」と少しだけほっこり。
    八編とも明確な答えが出ているわけでも、大幅な前進をしているわけでもない。
    でも、後半四編は、少しだけ清々しい。

    なぁんか、角田さんにハマリそうな予感…。

  • マチをテーマとした短編集。身近なものばかり。いずれも共感をもって読めた。視点をかえ品を変え多くの啓示があった。タイトルには謎解きの楽しさがあり、練り上げられた文章が醸す緊張感も心地良かった。ドラマチックなことは起きない。現実をしっかり踏まえたものとなっている。自分のマチは何なんだろう。

  • 様々な「街」で様々な「待ち」状態の女たちを描いた8編の短編集。
    30代、40代の女性が主人公で、「待ち」である彼女たちは結局は「待ち」という名の「言い訳」をしているような、何かしら負の状態にある。
    それは後ろ向きなはずなのに、角田光代の小気味いい文章の中では全然クサクサしない♪
    愚痴っぽいけど、主人公自らがせせら嗤っている感じで、その冷めた感じがまた良いのかな。

    私自身、30代女性だけど、彼女たちには一切共感できない。
    でも 「ありそう!」感を楽しめる!!
    (ちなみに同じようなテイストの小説として山本文緒の『プラナリア』が浮かんだんだけど、『プラナリア』が同じように共感できず、さらに加えて、ひたすら主人公たちにイライラしたのに対して、こちらは不思議なほどそういうイライラが起こらず、むしろクスクス笑ってしまった)

    実在の街(全て中央線沿線の街)や店をうまく挿し込むことでリアルになっていて、そのリアリティーが小説の中ですごくいいスパイスになっている♪

    ~とりあえず確認できている実在のお店リスト~
    ①邪宗門@荻窪
    ②アパートメント@高円寺 ←作中では閉店して大人のおもちゃやになっている設定
    ③物豆奇@西荻窪
    ④ボア@吉祥寺
    ⑤うさぎや@阿佐ヶ谷
    ⑥グレース@西荻窪
    ⑦でんえん@国分寺
    ⑧TERAKOYA@東小金井

    個人的に行ってみたのは④のボア。ぜひタマゴサンドを食べてみたい♪



    *****余談*****

    この文庫はこれから新婚旅行(ワイハ)に出発するっていう時に、成田空港の改造社書店で購入した。
    この本はフライトまでや、フライト中での暇つぶし用で、ハワイのビーチのパラソルの下やホテルのベランダでくつろぎながらカクテル片手に読む用には『まぼろしハワイ』(よしもとばなな)を購入した。

    ・・・はずなのに、結局フライト中はもちろんのこと、ハワイでも夢中で読んでしまった!!楽園で現実逃避には絶好の場所であるハワイの爽やかな日差しの下で読むのにこれほどふさわしくない本はないのではないか?!と思われるくらい生々しい日本の現実世界だったのに、とにかく面白くて夢中で読んでしまったのだった♪
    (もちろん『まぼろしハワイ』も読みましたがね・・・)

  • 短編集。書名と同じ“ドラママチ”ってタイトルの作品がおすすめですー!

  • 彼女の書く『女性』はど真ん中に痛いところを突いて来る。
    だから好きなんだなぁ…。

    40代、50代になった時に読み返したらまた違う感想を抱くのだろうか?
    そうで在りたい。

  • 中央線の駅が舞台となる短編集。
    ときには待つことも大事かなぁと思った作品。

  • 1編ずつのボリュームがちょうど良い短編集ですね。
    こちらは時間つぶしではなく、家でゆっくり、喫茶店でのんびりしながら読みたい本です。

    いろんな受け取り方をされる内容だと思いますが、
    都会に住んでいるごく普通の女性の日々を書き連ねたものだと思います。
    「マチ」とうたっているだけあって、どれも「受身」なタイプの主人公ではありますが。
    自分の周囲を見ても思いますが、結構そういう人は多いのではないでしょうか。

    最近30を過ぎ、「出会いがない」「婚活しなきゃ」と言いつつ何もしない人がとても多く、「じゃあ○○してみたら」とアドバイスしても「そういうのはちょっと…」なんていって行動しない人ばかり。
    いい加減うんざりしている私はこの本を読んで「こういう人、多いよな」と思いました。

    私自身も未婚・恋人なしですが、今の生活を楽しんでいるので
    いまのところパートナーは要りません。
    そんな私に対して「出会いがない」なんてくだらない話しかしないような人とのお付き合いを見直しています、真剣に。もう面倒くさいので。
    と、ちょっと個人的状況とダブってしまいましたが、それも含めて感想と言うことで(苦笑)

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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