零戦の誕生 (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679576

作品紹介・あらすじ

昭和15年9月13日。重慶上空で零戦13機が中国空軍機27機を全機撃墜するという大戦果をあげた。この中国戦線デビューにいたるまでの、零戦の開発、実験研究、テスト飛行、機体整備などに携った、若き技師や名もなき戦闘機乗りたちの青春群像を、新たな事実、貴重な新証言でみごとに蘇らせた零戦戦記の白眉。

感想・レビュー・書評

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  • P331
    戦闘過程により、実機が生まれる様子が語られている。

  • 零式艦上戦闘機の誕生に到るまでの経緯と第2次大戦前の中国戦線における活躍を描いた書(2005/08/10発行)。

    零式艦上戦闘機開発に纏わるエピソードからゼロ戦神話の原点となる中国戦線での戦果などについて書かれていますが、航空戦史の研究家である渡辺洋二の本や他の類書と比較すると、やや劣るように感じます。

    特に零戦開発の章では、いかに海軍の零戦に対する期待が大きかったのかについて語っていますが、実際には次期海軍制式戦闘機と期待されていた戦闘機[A7He1]が他にあり、零戦が活躍した漢口基地への防空配備には、零戦ではなくA7He1が要求されていたことに触れていません。 そのため、零戦の主任技師・堀越二郎の回想録的著書「零戦」と余り差異の無い内容となっています。

    又、柴田vs源田論争や戦闘機無用論、中国戦線での九六式陸上攻撃機と九六式艦上戦闘機の空戦史などについて本書の半分位頁を割いている上、1973~1979年に刊行された「海軍戦闘機隊」を底本にしているため、内容の古さやタイトルとの差異も感じます。

    本書は、第2次大戦前までの零戦と誕生に至る原因となった中国戦線の出来ごとについてコンパクトに取りまとめたものであり、全体的にも特筆するような内容は無い、ありふれた感じの零戦伝記本のように思いました。

  • 本書は零戦の誕生を描いている。 
    零戦については華々しい話が多い。かつて日本という国が一瞬とはいえ世界を凌駕した事は誇れる事であろう。 

    しかし、本書を読むと、戦争の愚かさにも気付かされる。宣戦布告なき戦争により日本は中国との泥沼のような戦いを続ける。そこに大義はない。日本には勝利する力はなかった。何故、戦争を始めたのか、軍官僚の愚かさに腹立たし思いがする。 
    また、本書には日本が中国に対して行った無差別空爆の事も書かれている。自虐史観という事ではなしに、我々は日本軍が何をしてきたのか、知る必要があるのではないだろうか。 

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著者プロフィール

1941年、大阪市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。専攻・国際関係論。日本文藝家協会会員。
主な著書として、『敷島隊の五人(上下)』『零戦の誕生』『暁の珊瑚海』(以上、文春文庫)、『ミッドウェー海戦(第一部・第二部)』(新潮選書)、『勇者の海』『空母瑞鶴の南太平洋海戦』(以上、潮書房光人社)、評論として『特攻とは何か』『松本清張への召集令状』(以上、文春新書)、『作家と戦争――城山三郎と吉村昭』(新潮選書)がある。

「2020年 『ラバウル航空撃滅戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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