- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167679743
感想・レビュー・書評
-
あの、『平家物語』を完成させた古川日出男に触れてみようと思い。
なにー!「中国行きのスロウ・ボート」のリミックスだとー!と興奮。
音楽だと同じ曲を別のアーティストが尊敬を込めて自分の色を付ける。
そういうことは文学でも、例えば後日談とか、二次創作とか、ありますけど。
モチーフ、源流の中で創作するという試みは面白い。
内容については、パンキッシュ。
原曲であり村上春樹がジャズであるならば。
そして、中国人の彼女を間違えて反対方向の電車に乗せちゃうくだりが大好きな私は、まさか彼女を追いかけて、1994年の「同時多発ゲリラ」によって、ループしない山手線に巻き込まれる主人公を描くとは。さ。
脱帽です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私はよく作家で本を選びます。一度おもしろいと思える作品に会えればその方の別の
作品を優先的に読んでいきます。もちろんハズレもありますが、そこそこ安定して楽
しめてます。
しかしこの作家は違う。『ベルカ?』でこの方はすごい好きだとベタ惚れしたのに、
次に『LOVE』で「無理だ。ついていけない。あなたの作品を読むことはもう・・・」
とほぼ絶縁気分だったのに奇跡的に手に取ったこの作品。がっつりはまった。やっぱ
すごい好きだ・・・けど次の作品はどれを読めば? -
2006-01-00
-
1980年の村上春樹の短編小説『中国行きのスロウ・ボート』を元にリミックスした小説。部分的な引用から新たな物語として構築されている。元ネタが分からないほど新鮮に楽しめる。
-
面白い
動きを書くのが上手い -
図書館で。
前にベルカ吼えないのかが面白かった作家さんだな、と思って借りてみたんですがコレは合わなかったですねえ。
出東京記というけど出ようと思えば出られますよね、東京。子供の頃は仕方なかったとはいえ大人になって東京に店を構えている辺り彼は実は東京を出たくなかったのではないかと踏んだ。店を出すならサイタマだってトチギだって出そうと思えば出せるじゃないか。それをなんのかんので東京に出店したのは自分なんだしな。というか脱・東京を人任せにしているから出られないのではないだろうか、と思う訳です。自分でやっぱり計画たてないとね、色々と。 -
庖丁人の女子高生が出てきた話の、カフェを始めてからの展開が面白かった。
最後の手紙はほろっとした。 -
本作は、村上春樹が書いた「中国行きのスロウ・ボート」に対するオマージュ(作者の言葉で言えばリミックス)。
残念ながら自分は「中国行きのスロウ・ボート」も読んだことが無いし、古川日出男を読むのも今作が初めてだ。敢えて言えば村上春樹の短編を幾つか過去に読んだくらいのもので、しかし、全然作風が似ていないことから違和感と疑問を抱き、まったく独立した小説として読んだ。それが現状最も適切な方法であるような気がしたからだ。
文体は確かに村上春樹を模しているような気はした。主人公が女性にモテ、別れるという点もあるいは…。この小説の売り文句のようなものには「言葉でビートをきざむ」と書かれており、確かに滅茶苦茶なテンポに漢字のルビには英語の単語が振ってあって常識はずれのロックっぽさを感じることは出来た -
「中国行きのスロウ・ボート」と交互に繰り返し読んだ。
僕に読める字もあり、読めぬ字もあった。というフレーズが好き。そして誇りを持ちなさい。も。