本の話 絵の話 (文春文庫 や 36-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679859

感想・レビュー・書評

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  • 秀逸です!
    どこから読んでも はっ とさせられたり
    始めから読んでも なぁるほど と思ったり
    もう一遍 読みかえしても
    ここにもこんなことが と思わせられたり

    そこいら中に
    才気が踊っているような「文章」
    そして、
    眺めれば眺めるほど
    いろんな見方を楽しませてくれる「絵」

    秋の一夜をたっぷり
    楽しませてくれた一冊でした

  • 文豪の肖像画は残念ながらどれも感心しない。矢張り、この人は事実に付いてはいけないと思うのだが。後半の「絵の話」は面白い。

  • 版画家山本容子が東西の作家について絵と共に語ったエッセイ集。
    彼女のエッセイは、絵を主体にした簡単なものしか読んだことがありませんでしたが、これはどちらかというと文章の方がメイン。
    絵で思いを語る人だと思っていましたが、文章にもみずみずしい感性が反映されており、読んでいてはっとする箇所がいくつもありました。

    大御所と言われる文学者についても、名前に圧されて気負うところは全くなく、自分のペースを崩さない彼女。
    さすがは芸術家の器です。
    本が好きらしく、かなりの作家の著書を読みこなしていることが伺えます。
    ダシール・ハメットやチャペック、リチャード・ブローティガンなど、私が知らない作家も数名いました。

    己の生き方を貫いた芯のある作家にことさら愛着を抱いているよう。
    著者自分の芯の強さと共鳴し合うのでしょうか。

    小泉八雲が左目の視力を失っていたとは、知りませんでした。
    また、アヘン中毒中のコクトーが『恐るべき子供たち』を書いた時、ミュージカル「ショウ・ボート」の中の「メイク・ビリーブ」をレコードで聴き続けていたことも。

    文章の最期の言葉を次の人物の初めの言葉にしようと決めていたとあとがきに書かれていた通り、「孤独」で閉じられた人物紹介が、次の人物は「孤独」から始まる、という構成になっており、流れを感じるし小粋だなと思いました。

    イラストはどれも秀逸。細部まで酷似しているというよりも、特徴をつかんだラフな作家画がエッセイと一緒に掲載されていますが、どの絵も確実に本人だとわかる上手で特徴をよくつかんだものになっていました。

    正直、あまり期待していなかった本でしたが、自分にしっくり合う感じで、予想よりもはるかに深い内容まで楽しむことができました。
    一番印象的だったのは、樋口一葉のページ。カポーティへの並々ならぬ愛情も文書からあふれ出しています。
    多少なりとも作家についての知識がないと読んでも楽しめなさそうな、詩的なアプローチがなされています。

  • 2006年5月18日購入。
    2006年6月19日読了。

  • 山本さんも好きなんですが、私の好きなカミーユ・クローデルの話とかも出てきて面白いですよ。

  • 容子さんの読書の話、「人の話」では容子さんの銅版画がいい感じで入っていて、菊池寛、シェイクスピア、フィッツジェラルド、カミーユ・クローデル、向田邦子、トルストイ、司馬遼太郎、ジャンコクトー等、それぞれの作家に対して、少しの言葉で綴っている。どこから読んでもいい様なスタイルのこの本が好き。

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著者プロフィール

銅版画家。1952年生まれ。京都市立芸術大学西洋画専攻科修了。都会的で軽快洒脱な色彩で、独自の銅版画の世界を確立。絵画に音楽や詩を融合させるジャンルを超えたコラボレーションを展開して数多くの書籍の装幀、挿画を手がける。ライフワークのひとつとして、医療現場の環境への提言である〈アート・イン・ホスピタル〉にも取り組むなど、幅広い分野で精力的に創作活動を展開している。

「2022年 『山猫画句帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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