裁判長! ここは懲役4年でどうすか (文春文庫 き 26-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679965

作品紹介・あらすじ

ワイドショーも小説もぶっとぶほどリアルで面白いのがナマの裁判だ。しかもタダで誰でも傍聴できる。殺人、DV、詐欺、強姦…。突っ込みどころ満載の弁明や、外見からは想像できない性癖、傍聴席の女子高生にハッスルする裁判官。「こいつ、絶対やってるよ!」と心の中で叫びつつ足繁く通った傑作裁判傍聴記。

感想・レビュー・書評

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  • 角田光代さんが他の本でおすすめしていて読んでみました。
    裁判の傍聴記録が楽しく書かれています。
    筆者も傍聴初心者なので、読む方も初心者でも分かりやすく興味がもてました。
    最後の方で傍聴マニア集団、特別座談会の中身が書かれていますが定年後の楽しみとして傍聴に通い、ただ通うだけではなく判決を予想したり、情報交換、記録をしたりと中々楽しそうな世界です。
    1度行ってみたくなりました。

  • 平井君、明けましておめでとうございます(笑)。昨年はゴルフでお世話になりました。

    まずは、年賀状投函後の12月30日に昨年最も嬉しい出来事がありましたのでご報告します。

    FB上ですでにご存知かもしれませんが、午後10時から東京のFMラジオでキャンディーズ45周年特番があり、43年前の高校時代の私とキャンディーズのエピソードが大きく紹介されました。私とそのパーソナリティの方が知り合いになった縁も紹介されています。

    還暦にもなって、高校時代の甘酸っぱい思い出を聞くのも気恥ずかしいですが、是非お聴きいただければありがたく。録音してyoutubeにアップしたので下記URLからどうぞ。
    https://www.youtube.com/watch?v=tMTj52tT2xs

    また、そのエピソードの元になっている、43年前にランちゃんが「仙台のアイザワ〇〇クン」と私の名前を呼んだ実際の音源は下記URLから聞けます。ノイズだらけで聴きづらいですが、5分過ぎに出てきますので、是非お聴きいただければありがたく。<(_ _)>
    https://www.youtube.com/watch?v=VRekh12HkK0

    さて、koshoujiというのは、このサイトでの私のハンドルネームで、下記のようなエッセイや音楽や漫画や小説、映画などのレビューを2012年2月の東京在住時から388本ほど書いています。ここ2年くらいは仕事が忙しく殆ど書いていませんが、フォロワーもまだ289人いらっしゃいます。ここの登録者は100万人を超えているのですが、個人でレビューのフォロワーが300人近いのはベスト30に入るそうです。(^O^)/ 結構面白いのもたくさん書いているので、お暇なときにでもお読みください。では、今年もよろしくお願いします。<(_ _)> ※暖かくなったら、またゴルフやりましょう。

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    BOOK OFFの105円コーナーで、なんぞ面白い本はないかなと探して目に留まったこの本。いやあ、面白い。
    面白いと言い切ってしまっては、被害者の方々に申し訳ないところもあったりしますが。
    ありていに言えば、裁判の傍聴エッセイである。
    涙あり、笑いあり、でまさに人間ドラマ。
    裁判所の法廷というのが、これほど人間くさいところだとは知らなかった。
    傍聴マニアとかの存在とかねえ。目から鱗である。
    著者自身も、傍聴初心者から徐々にセミプロになっていく様子がいい味出している。
    もちろん、主役である、被告人、裁判官、検事、弁護士、そして証人までも、味わい深く描かれている。
    他人事じゃないよなあ、と思う部分もしばしば。
    この本を読むと実際に裁判の傍聴をしてみたくなる。
    遥か昔、捜査検事を志望した過去のある私だから、なおさらだ。
    裁判員制度も始まったことだし、いつ自分が裁判員の召集命令がかかるか分からん。
    ──で。
    すかさず、実際にいって来ました、仙台地方裁判所。
    わたしも、いざというときにはやることが早い(笑)。
    なんせ、こちらは全くの初心者。恐る恐るというか、戦々恐々というか。
    とりあえず、受付で「裁判のスケジュールを知りたいんですが」と尋ねたら「五階の事務局で分かります」とのお返事。
    早速、五階へエレベーターで行き、その旨要望すると、
    「コピーはできませんが、書き写すのは構いません」
    とのことで、10ページ程度、ニ、三週間先までの予定表を、裁判内容を見ながら、興味深そうなものを書き写しました。
    まずは、この本に出ていた定番の「傷害致死」や「大麻取締法違反」などが、無難かと。
    先の予定を書き写した後、その日の公判スケジュール表を見たら、見事に「傷害致死」事件をやっているじゃありませんか。
    で、すぐに4××号法廷へ。
    すでに開廷していましたが、傍聴人はゼロ。初心者としてはドキドキものです。
    持ち物検査があると本には書かれていたけれど、誰もいないので、そのまま静かにドアを開けて傍聴人席に着席。
    それから二時間ほど、傍聴しました。

    いやあ、この本に書かれているとおりでしたね。
    生まれて初めて見た、人を殺害した(と思われる)人間の素顔。
    普通のおじさんでした。
    ミステリー本の中では殺人犯に何百人、何千人と会っているけれど、実際の殺人犯(と思われる)を見たのは初めてですからね。
    ああ、この人が他人を殺しちゃったのか、と不思議な気持でした。
    途中からなので、事件の概要が最初は分からなかったのですが、よく聞けば、仲間の男と二人で、知人の男を殺してしまったらしい。
    もう一人の主犯格のAが被害者を殴ったのが、死に至らしめた直接の原因らしく、彼はすでに犯行を認め、実刑が確定済み。
    ただし、この被告人Bも殺害に加担しているということで「傷害致死」で争われている裁判らしい。
    この被告人Bは、自分は殺害に加担していないということで、無罪を主張している、とのことでした。

    でも、その証言がハチャメチャ、全く理解に苦しむ。
    なぜ、被告はあんな誰にでも分かるような嘘をつくのだろう。
    検事から「警察での取調べではあなたはこう答えましたよね」
    という質問に対して、
    「いや、あれは妄想で喋ってしまったんです」だって。
    不謹慎ながら、思わず吹き出しそうになりました。
    しかも、殴られて倒れた被害者の顔に向けてエアガンを撃ったらしいのですが、
    「どうして、ガンを撃ったのですか?」という質問に、
    「ちょっと、撃ってみたらどうなるかあと思って」
    と言うんだから、ここでも笑いそうになりました。
    子どもじゃあないんだからさ、ちょっと撃ってみたって……。
    その後も、一発だけ撃ったというのに、実際には顔に何発か打たれた裂傷の跡が被害者の顔には残っていたらしく、その説明がどうにもつかない。
    被告が何発も撃ったのがミエミエなんです。
    それでも、被告は一生懸命に主張するんですね。誰が聞いても、理に合わないというのに。
    いやあ、まさにリアルな裁判でした。行って良かった。
    家に戻り、ネットでこの被告人の名前を検索したら、すぐに見つかり事件の概要がさらに詳しく分かりました。
    便利な時代になったものです。
    さて、この裁判、どんな判決になるのか、非常に見ものなので、結審の日にまた行こうと思っています。
    初心者の私が見ても無罪は無理だと思うけどなあ。
    だって、弁護人でさえ、休憩時間には被告人の発言に笑ってるんだもの……。
    でも、みなさん、明日はわが身かもしれません。
    どこで、どんな事件に巻き込まれるかなんて神様でも分かりません。
    そして、今の裁判員制度を深く知る意味でも、傍聴は必要だなあと思った私です。
    やはりドラマとは全然違う切実感がありました。

  • 作者さんが自ら足を運んで綴った、裁判の傍聴記録エッセイ。

    これから裁判傍聴に興味があるという方には、どういった世界かを軽く知るのにとっつきやすくて良いと思います。
    ですが、長年足を運んでいると感覚が麻痺してくるのは仕方がないとはいえ、ワイドショー気分でああだこうだと批評したりああいう展開が見たいこういうのは興ざめだと好き勝手語っているのを見るのは、正直あまり気分の良いものではありませんでした。
    見られていることで裁判自体にいい効果もあるのかもしれませんが、こんな好奇の目に晒されたらたまらないだろうなと思います。

  • 知らないことは怖いこと。
    裁判もお金も戦争もできれば自分から一番遠いところに置いておきたい。
    ただ、ここに出てくる被告人たちの何人かは自分とそう変わらないことに気づくはず。
    自分だってちょっとボタンのかけちがえがあれば犯罪者になってしまう可能性をはらんでいるし、今後もないとは言いきれません。
    自分から一番遠くに置いておきたいものだからこそ、一度身近に感じ、自分ごととして戒めておく必要があるのではないかと認識させてくれた本書。
    自分も一度裁判所に足を運んでみようと思います。

    ただ、惜しむらくはテーマの面白さと著者の面白さは全く別物。
    構成も読みづらく、文章も私にはあまり響きませんでした。

  • その気があれば無料で傍聴できる「裁判」。ワイドショーや小説よりもリアルな、明らかにやっていると思われても仕方のない、突っ込みどころ満載の弁論や外見からは想像できない癖などを足繁く通った、筆者の傍聴記。

  • もう少し深く掘り下げて欲しかった

  • 情け無い話しではあるがこの1月に初めて当事者として裁判所に行く事があった。勿論原告側ではあるのだが、しょうも無い詐欺事件に巻き込まれ、コロナによる延期が重なったせいもあるが、内容証明を送りつけてから約3年かかっての本人答弁の日を迎えた。被告人の顔を見たのも3年ぶり。何もかもが初体験の裁判で、あまりにも滑稽で情け無いやり取りが半日かけて行われた事を妻の友人に話したところ勧められたのがこの本である。
    人間模様のるつぼである裁判所で日々行われているドラマの数々が非常に興味深く、傍聴初心者の筆者が紡ぎ出す言葉も共感が持てる。最後にある作家角田光代さんの解説が秀逸。
    我が裁判の判決は4月まで出ないが、それを待つ間にいろいろな心の準備が出来るような気がしている。

  • 「どうですか」の方が語調良いと思いますけれどもどうですか
    裁判より作者の見方
    さらにそれより傍聴マニア生態のほうが面白い
    『そこをなんとか』がある以上ゴミといわざるを得ないのが悲しいか

  • ニュースなどで流れる事件の犯人達。
    彼らは逮捕された後、どう実刑を言い渡されるのか。

    事件ものから、個人の離婚ものまで。
    後者が見られていた昔がすごい…。
    個人情報、とかいう問題ではない気がします。

    先着順、抽選、という人気度のバロメーターやら
    中に入ったらどうなるのか、など。
    本当に見知らぬ世界です。
    被告人席に立つ彼らの服が、私服だというのも
    初めてしりました。
    考えてみれば、そんなものの支給はないでしょうから。

  • この文章は私には合わない。

    面白いといえば面白いけれど、何かゲスくて読んでると胸糞悪くなる。
    著者が不倫したことがるとか飲酒運転したことあるっていう情報は要らないと思う。
    胸糞さに拍車がかかる。

    うーん。
    裁判傍聴日記って思えばそんなものなのかな。

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著者プロフィール

本名、伊藤秀樹。1958年、福岡市生まれ。
小学生の頃は父の仕事の都合で九州各地を転々。東京都立日野高校、法政大学卒。 個人事務所(株)ランブリン代表。NPO法人西荻コム理事長。西荻ブックマークスタッフ。季刊ノンフィクション雑誌「レポ」編集・発行人。

「2011年 『【電子書籍版】昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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