サイレント・ボーダー (文春文庫 な 48-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167696016

感想・レビュー・書評

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  • 長かった…
    ラストにたどり着く前までに全くハマりこめなかったから、最後のバトルがもう無駄にしか感じられなくて…
    せっかくここまで読んだんだから…という貧乏根性で読みきった感じ。
    エピローグのとこは、まぁ、良かったから後味は悪くないんだけど…

  • 子育てには責任が伴うものです。
    子どもに何かしらの異常さを与えないような
    家庭を築きたいです。

    多かれ少なかれ、生きていく上で
    出てくる色んな一線を超えないような
    判断力と倫理観を与えないとなぁ。

    それにしても、悪役の強さの説明がつかないのが
    気になる。

  • 苦痛を苦痛と感じない、暴力や殺人にためらいのない、ボーダーを超えた人たちの、自分や同類との対峙。

    ルポライターの仙元は、部下の南田と大学教授のスキャンダルについて追っていた。しかし、記事になる直前で、元妻が息子に金属バットで殴られたという知らせを知り、息子を引き取り、取材から降りる。スクープを手にした南田は、その勢いで渋谷を中心に不良に制裁を加える自警団、シティーガードの取材をスタートする。そのリーダー三枝のもつ過去とは。

    視点が5つほどあり、空行や章代わりが来ると、ほぼ確実に別の視点になるのだが、主語がしばらく書かれないため最初は相当戸惑う文章である。後半になってくると慣れるし、そもそも文章自体は理解できるので、章代わりの苦痛は最初だけであろう。

    ただ、内容というか人物の苦悩やその原因に対する考察がかなり浅い。悩みのタネや面倒な事項が相当有り、そこから抑鬱した怒りや逡巡があって当然だと思うのだが、それもなく、突然行方不明になって、ぶっちゃけ殺されているわけだ。その最たるものがスーパーマン的な精神科医だろう。

    後半になると、暴力イコール殺人というような安易な展開になってきて、読んでいる方は登場人物を考えなくて良くなるわけだが、浅いなあ。

    漫画やVシネマ向きで、怒鳴り声と殴られる音、血が飛び散るようなやっすいドラマの原作という感じ。

  • 00年前後の少年犯罪、ギャングと当時の若者像を切り取ったような内容です。あの頃の夜の渋谷、池袋と新宿の裏側の退廃感は凄まじいものがあった気がします。元ルポライターだけあってその辺の描写がとてもリアリティがあるように感じました。

  • 登場人物が全員揃った時、誰がどう事件を起こすのか
    それだけは検討がつきました。
    さすがに『何』を起こすのかは分かりませんでしたがw

    徐々に見えてくる闇、というよりは狂った部分。
    冷静なまでに全てを行っていく状態は
    まるでチェスをしているかのようです。
    ただ、最後がちょっと…ですが
    読みやすかったです。

  • 話しの流れがしっかりしていて、1巻のみの文庫にしては、読み応えがある小説でした。題材は一時期はやった家庭内暴力、幼児虐待、精神病、大量殺人、人格異常者などの重い内容。でも、重みがうすっぺらくなくて、ちゃんと本質の部分がぶれないので、説得力があったようにおもいます。ただ、終わりからの展開がちょっと現実離れしすぎたのが残念でした。後味なんとなく悪いし。


  • さすがの一作。

    正義を標榜する街のボランティア青年団のリーダーの少年と、離れながらもよりそう幼なじみの少年。
    家庭内暴力に目覚めた息子を引き取る、ルポライター。そこに救いの手をさしのべる、精神科の女医。
    ルポライターの混乱に乗じてライターに成り上がる、ライターの相棒。

    散りばめられたエピソードと現在が噛みあわさって、最後に勢い良くほとばしる本作品は、
    処女作とは思われない程の分厚さと重さに満ちている。

    最後のエピソードに、作者の青いやさしさが滲むのも、好ましい。
    秀作。

  • 難しい。

    04/19/09

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著者プロフィール

永瀬隼介

1960年鹿児島県生まれ。國學院大學卒。週刊誌記者を経てフリージャーナリストとなり、祝康成名義で『真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ』を刊行するなど事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年『サイレントボーダー』で小説デビュー。事件現場で培った取材力を活かし、現代の深部を抉る骨太のサスペンスや犯罪小説を発表している。近著に『帝の毒薬』『カミカゼ』『三日間の相棒』『白い疵 英雄の死』『12月の向日葵』など。ノンフィクションに『19歳 一家四人惨殺犯の告白』などがある。

「2022年 『殺し屋の息子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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