刑事の骨 (文春文庫 な 48-5)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167696054

作品紹介・あらすじ

1993年5月、連続幼児殺人事件の捜査本部を指揮する不破は、同期の落ちこぼれ警察官・田村の失敗で真犯人を取り逃がす。その折の不適切な指令をマスコミに暴露され、不破は刑事畑から追放される。17年後、定年退職した不破を田村が訪ねてくる。酔いにまぎれ、肝心な話もできないままわかれたその夜、田村は新宿歌舞伎町のビルの屋上から転落死する。警察は自殺と断定するが不破は納得せず、田村の身辺を調査すると、田村が単身連続幼児殺人事件の捜査を続け、真犯人に迫っていたことがわかった。不破は田村の遺志を継ぎ、犯人捜査に乗り出す。当時、犯人の顔を見たのは田村一人と思われていたが、じつはもう一人目撃者がいたこと。そして4人目の被害者の母親で強靭な意志で犯人を追及する女。時効を過ぎたにもかかわらず、なおも関係者を呪縛する事件の重さ。やがて不破たちの捜査が突破口となり、事件は急展開を始める。果たして真犯人は誰なのか?

感想・レビュー・書評

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  • 誘拐事件で、大失敗して、出世の道を閉ざされた刑事さん。更に、この事件は、未解決のまま時効を迎える…
    定年後に、再度、同期が死んだ事をきっかけに犯人探し再開!
    しかし、もう出世絶望やのに定年までしがみつくんや…別に出世欲ない人は、それでもええと思うけど、出世欲の権現みたいな人が干されながも…って…何か違和感あるな。
    定年迎えて、年金も貰えて余裕で犯人探しか…っと変な事を思ってしまう。
    前半は、淡々と、後半は怒涛の如く動きまくる!
    しかし、幼い子供を殺されても、まだ、組織の論理で、動く警察もどうなん?って思う。
    主人公も敏腕で出世頭やった割には、定年後の動きは、衰えたとしか思えん感じ。干されて定年まで、大した事してないかもしれんけど、物語的には、もっと鋭い刑事の勘みたいなので、事件を解決して欲しかった…
    まぁ、急に現役バリバリに戻れる訳もなし、こんなもんって気もするけど。
    後半は、どんでん返し×2で、面白い!
    最後もスッキリになるの?あかん事やけど。

  • 刑事もの
    ボリュームもあって楽しめた
    展開もおもしろかったです

  • 表現が難しいですが、重く力のある作品と言えばよいのでしょうか。
    定年後も過去に犯した人生を変えてしまった失態を引きずり、再捜査を試みる退職警察官2人。
    後半になって急速に二転三転する構成は良かったものの、登場人物のキャラクターも事件の真相も今ひとつ好きになれなかった。

  • うむ。読み終えたがコメント4は難しい。★3

  • あらすじ
    1993年、連続幼児殺人事件。3人の子どもが犠牲になる。捜査本部へ犯人から電話がかかってきた。管理官だった不破は発言でミスした。犯人がいた公衆電話近くにいた警官田村は不破の同級生で、落ちこぼれだった。犯人は逃走し、4人目の被害者がでる。

    17年後、定年退職した田村は不破を訪ねるが、その後自殺する。信じられない不破は、田村が事件を独自に捜査し続けていたことを知り、当時高校生だった目撃者を訪ねる。一方、4人目の被害者の母親は、離婚し、一人で子どもを育てていた…。

     初めて読む作家。始めの方の、やたらと登場人物にプレッシャーを与える描写で不安になり、アマゾンのレビューを見て、一応最後まで読んだ。
     なんか無駄にハードボイルド。母親千恵の悲惨な生い立ちって必要?その割にはストーリーとは関係なくさらっと流されているし。警察内の情報漏洩とかもドロドロしている割にはあんまり書き込まれず。全体的にハードだが深みがない印象。作者の中でハズレの作品かな?多分もう読まない。

  • 評価は4

    内容(BOOKデーターベースより)
    あと一歩のところで連続幼児殺人犯を取り逃がした不破と田村の同期コンビ。17年後、不破を訪ねてきた田村は、その夜に変死を遂げた。定年後も事件の捜査を続けていた田村の執念、そして刑事訴訟法改正の狭間で“公訴時効”の名の元に忘れ去られた被害者たちの無念を胸に、不破は真犯人に迫る!

    なぁるほど。何度もひっくり返しが来たが…結局のところ女が原因の夫婦喧嘩かい!

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    1993年、あと一歩のところで連続幼児殺人犯を取り逃がした不破と田村の同期コンビ。17年後、不破を訪ねてきた田村は、その夜に変死を遂げた。定年後も事件の捜査を続けていた田村の執念、そして刑事訴訟法改正の狭間で“公訴時効”の名の元に忘れ去られた被害者たちの無念を胸に、不破は真犯人に迫る!
    事件の始まりの幼児たちの命が奪われていくくだりは読んでいて辛いと同時に、ぐいぐいと物語に引き込む力が物凄かったです。友情とも腐れ縁ともつかない元警察官2人のやり取りには胸を熱くさせられました。どういう風に展開して犯人に迫るんだろうと期待して読んでいました。かなりの力作だと確信して読んでおりました。子供を亡くした親たちの憔悴や立ち直りもぐっときました。



    なのですが後半が少々力が不足して尻すぼみになってしまったのがつくづく残念。最後まで走り抜けて欲しかった。仕掛けをしようとし過ぎてちょっと空回りしてしまった感が有ります。つまらなくは無いです。

  • 131026

  • まさかまさかの展開に引き込まれて完読。
    人物の関連性が分かった時に、わくわく感が出てくる。
    初めて読んだ作家だったけど、なかなかおもしろかった!

  • 元警官が過去の失敗を取り戻すという話の大枠や、主人公の描き方はいいんだけど…刑事の矜持と違法な復讐は矛盾するよなぁ

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著者プロフィール

永瀬隼介

1960年鹿児島県生まれ。國學院大學卒。週刊誌記者を経てフリージャーナリストとなり、祝康成名義で『真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ』を刊行するなど事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年『サイレントボーダー』で小説デビュー。事件現場で培った取材力を活かし、現代の深部を抉る骨太のサスペンスや犯罪小説を発表している。近著に『帝の毒薬』『カミカゼ』『三日間の相棒』『白い疵 英雄の死』『12月の向日葵』など。ノンフィクションに『19歳 一家四人惨殺犯の告白』などがある。

「2022年 『殺し屋の息子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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