迷惑なんだけど? (文春文庫 ハ 24-3)

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  • / ISBN・EAN: 9784167705749

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    カール・ハイアセンの本
    7冊目

    主人公はシングルマザーのハニー
    夕食時にかかってきたセールスの電話に
    息子との大切な時間を邪魔され、更に
    汚い言葉で罵倒されてブチギレ!

    神経質で暴走しがちな母を心配する息子のフライは、元夫で父親のペリーに相談する。

    ハニーは偽の不動産ツアー業者を装い
    セールスマンのボイドを罠にはめようとする。

    ツアー先の森の中では、インディアンの末裔である青年サミーが、たまたまボートに乗せた旅行者が心臓発作で死亡し、死体をジャングルに隠して、誰にも見つからないよう森での逃亡生活を始める。だが、たまたま森に遊びにきていた女子大生ジリアンが人質候補にしゃしゃり出てきて計画が頓挫する。

    ボイドはツアーに愛人のユージェニーを誘い、冷めてしまった気持ちをまた自分に向けさせようと躍起になるが…

    ボイドの妻リリーは探偵を雇い
    愛人との情事をビデオに録画する任務を依頼し…

    職場でハニーにセクハラをして
    結果的に指を3本切断→ちがはぐに縫合されてしまった上司のルイスは、ハニーのストーカーと化し、薬をキメつつハニーへの狂気の愛を燃やしていた。

    と、こんな感じの人たちがドタバタの群像劇を繰り広げるハイアセン先生の
    王道パターンの話

    徹底的にダメ男なボイドや
    狂いに狂ったルイスのおかげで
    フライ少年の「お母さんを、守らなきゃ!」って純粋さが引き立つ
    馬鹿だらけの人間達ばかりだけど
    希望を見出す。

    ‪汚い言葉と下ネタの連発の‬
    ‪中に、環境問題や人種の問題、‬
    ‪狂人、変人の奇行の中に家族愛入れてくる‬のとかギャップがすごくて良い。

    やっぱり女性が強い!!
    あぁ〜、残り一冊
    また買い足したいが
    「大魚の一撃」の在庫が無い…

  • もう最高、ザ小説。

  • 奇人変人が、わんさか出て来て相変わらずおかしい!!
    息子と元パパに変人扱いされているハニー。
    そのハニーが可愛かった~♪
    元パパのペリーも、そんなハニーを守るためにカッコイイ!!

    出てくる人皆が変人。
    話も愉快爽快でカール・ハイアセンは本当に日本人向けで、読みやすい笑いやすいです。

    次作もあるらしいので、次はどんな可愛い女が主人公なのか??楽しみ♪

  • 迷惑なんだけど? (文春文庫)

  • ハイアセンお得意のハチャメチャキャラクターたちがなぜか無人島に集結して、殴りあったり銃突きつけあったりする。そこに至るまでの過程は複雑で絡み合っているがわかりやすい。一転、無人島での出来事は同じことの繰り返し。登場人物たちがそれぞれ行動を共にするグループをシャッフルしている。

  • 図書館で。前作が面白かったから借りてみたんですがこれはちょっとドタバタすぎるかなあ。息子が良い子。ぶっちゃけ子供だって親を選べないし…こんな母親イヤだなぁ…

    という訳で女性はよりたくましく、ヘタレな男の性根は何を体験しても変わらないって感じでしょうかねえ。カメレオンの映像撮って請求する彼女が一番好感がもてたかな。他の登場人物たちはそろって頭のネジが一本か二本、もしくは全部抜けてるような人たちばかりで…良い年した大人なのになぁ。

  • フロリダに住むシングルマザーが主人公。12歳の息子と二人暮らし。電話のセールスマンにキレて、復讐するため無人島に呼び出すことから話は始まる。その無人島で、変態ストーカーや、愛人を連れてきたセールスマンを調査する私立探偵や、白人死体を捨てにきたネイティブアメリカンの男などと遭遇して、大騒ぎなコメディ映画の作品のようである。それぞれの登場人物が「迷惑な事態になった」と感じているのがおもしろい。作品名が全てを言い表している。踏んだり蹴ったりのストーリーだが最後は一件落着となるところがすごい。12歳の息子が一番まともな人物だった。

  • 俺には合わないかな。

  • ハニーの息子、フライが男前過ぎて困るのです。

  • ハニー・サンタナは、息子フライとの二人暮らし。
    別れた夫ペリー・スキナーに未練などないふりをしているが、
    聡明なフライには本当のところはお見通しである。
    そんなハニーには困ったところがある。
    マナーのなってない人間や倫理的に問題のある行動を目にすると
    怒りが収まらなくなり、徹底的に自分の主張を訴え
    相手が改心の様子を見せるなど、
    一定の成果が得られるまでは満足しないのだ。
    新聞への執拗な投書や企業への電話攻めなどはお得意の手段で、
    オッパイをつかんできた勤め先の魚屋の主人に反撃するために
    カニの殻を割る木槌でそいつの股間を痛打したせいで、
    今も職を失ったばかりの身である。
    フライや、実はハニーに未練があるペリーにとって
    そんなハニーの言動は心配の種でしかなかった。
    そんなハニーとフライがある夜食事をしているところに、
    ぶしつけなセールスの電話がかかってくる。
    タイミングが最悪なだけでなく、ひょんなことから激昂した
    その電話の相手――ボイド・シュリーヴに
    汚い言葉で罵られたものだからハニーは怒り心頭。
    このセールスマンを呼び出して、性根を叩き直してやる――。
    ハニーの策にはまりまんまとおびき出されたボイドは
    愛人のユージェニーを連れて意気揚々とやってくる。
    エコツアーと称して、カヤックでボイドたちを
    テン・サウザンド諸島にある島のひとつへと連れていったハニー。
    豊かな自然に囲まれ、誰もいないはずのこの場所で、
    ボイドに説教をくれてやるつもりだった。
    しかし、島には、妙な連中がぞろぞろ集まってくる。
    自分の前で死んでしまった白人の死体を始末したので
    一定期間、姿をくらますことにしたネイティブ・アメリカンの青年と
    ひょんなことから彼にくっついてきた変わった女子大生。
    股間を痛打されてもなお、ハニーに執着し続ける変態ストーカー。
    ボイドの妻からの依頼を受け、ボイドとその愛人の
    「挿入シーン」を撮影しようと企む私立探偵。
    そして、変態ストーカーがハニーを追っていったのを見て
    大慌てで追いかけてきたペリーとフライ。
    そして、それぞれの思惑は交錯し、奇妙に関わりあっていく――。

    前作「復讐はお好き?」が好評を博した
    カール・ハイアセンの新作長編。
    原題「Nature Girl」。

    ハイアセンもまた読むのは久しぶりである。
    発売直後にたまたま書店で見かけたときに、
    前作がとにかく面白かったため迷わず購入したのだが、
    その選択は結果的に大正解だったと言える。
    本作は、個人的には前作を上回る傑作だと思っている。

    相変わらずの個性的なキャラクター造型は見事。
    ボイドの徹底したダメ男っぷりや、
    ブッ飛び母ちゃんのハニー、怪物的変態ストーカーのルイスなど、
    やってることは最低だったり物騒だったりイカレていたりするのに
    終始滑稽さを漂わせるその書きっぷりが本当に素晴らしい。

    特に素晴らしいのが、ヘンテコ女子大生のジリアンで、
    サミーでなくとも彼女の魅力に取りつかれることはまず間違いない。
    変なやつで、たまにうっとうしかったりもするのだが
    彼女の言動には人をハッピーにさせるパワーがあるのだ。

    さらに見事なのが、そんな個性的なキャラクターたちの
    存在感をリアルにしてくれる愉快痛快なエピソードの乱打、乱打、乱打。
    どうしたらそんなバカみたいな話を思いつくんだ?というような
    ジョークみたいな逸話が、さも当然のように淡々と重ねられていき、
    それによってキャラクターたちは厚みを与えられ、
    また作品全体に独特のおかしみを持たせる効果も果たしている。

    人が死ぬ話や、セックスの話や下ネタなども多く出てくるが、
    不謹慎さや下品な印象というのは一切ない。
    こうしたセンスは、海外の作家ならではのものかもしれない。

    以上のように、キャラとそれにまつわる逸話だけで充分面白いのに、
    さらにこの作品は構成まで巧みと来ている。
    上記のようなキャラクターたちが、それぞれの思惑に従って動き、
    別れたり出会ったりしながら、その都度愉快なエピソードを生む。
    同時に複数のグループが動くわけだが、
    読んでいて混乱が生じることなどもない。
    これほど先をどんどん読みたくなる作品も珍しい。

    最終的にそれぞれを待つ結末もそれぞれにしっくり来るもので、
    物語のオチのつけ方として非常に気持ちの良い部類と言えるだろう。
    まあ、確かに物騒な事件は一件起きているけれども……。

    これぞエンターテインメントと言える作品。
    読んでいて単純に「楽しい!」と思えるようなお話です。
    食わず嫌いしていると絶対に損をするので、
    とにかく、何はともあれ手にとってみることをオススメします。

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