- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167705961
感想・レビュー・書評
-
ミステリー作家と読者の関係を野球のピッチャーとキャッチャーに例えてみたいと思う
まあまあ最後まで聞きなさいよ
もちろんピッチャーがミステリー作家でキャッチャーが読者だ
ミステリー作家は当然のように多彩な変化球を投げ込んでくるがこっちだってルーキーじゃない楽々とキャッチしていく
だがこちらが変化球に慣れてきたところで思わぬタイミングで160kmの剛速球を投げ込んできたりする
まあそう来るだろうね
百戦錬磨のこちらとしては残念ながらそれも想定の範囲内悠々とキャッチ…と思った瞬間、側頭部に衝撃が!!
優れたストーリーテラーは何をどうしたかはわからないがいつの間にか3塁ベンチから剛速球を投げこんでくるのだ
そんなの捕れるか!!
ジャック・カーリィはまさに3塁ベンチから投げこんでくるタイプのミステリー作家だ!
はい、最後まで聞いて損したー
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
モビール市警察 殺人課 カーソン・ライダー刑事
シリーズ四作目
連続殺人鬼ジェレミー・リッジクリフを兄に持つ
ライダー(父の虐待から救われた命)
今回は兄が施設から脱走
「星の王子様 ニューヨークへ行く」ではなく
「殺人鬼お兄ちゃん、ニューヨークへ行く」である。
というより「プレデター2」
ライダーもニューヨークは管轄外
突然呼び出されて、部外者の田舎者扱いされ
るなかで、いつものユーモアと負けず嫌いで果敢に挑む。
兄弟であることを隠しながらの捜査も緊張感があって良い。
細かいこというと、兄のいる施設長がNYで殺された時点で兄が施設から出てないか心配してないあたりがよく分からなかった。それだけ堅牢だと信じてたのか??
兄が起こした過去の事件の真相にグッと迫る
四巻、なんか巻を重ねる度に面白くなってる気がします。
余談:ツイッターで、ジェレミーのbotをフォローしたせいで連日ハイライトにジェレミーの名言が表示されていた。
つぶやきのセリフが出てくる都度 (引用してるから当たり前なんだけど)「あ、ホンモノや」みたいな妙な感覚になりながら読んだ。 -
なんだか読みづらくてなかなかページが進まなかった。
シリーズ物だと知らずに読んでしまったけれど特に問題なかった。
帯に真相は最後の1ページまで〜とあるから何が起こるのか期待してたけど特に何もなくてびっくり。
小説よりも映画にした方が面白そう。 -
兄の性格が最高に好き。兄弟の関係性もいい。もっと兄の出るシーンが増えたらいいな。最後のシーンが映画みたいなので映画化希望。
-
ライダー刑事第四弾。
しまった、第三弾を飛ばしてしまった。
前々作で兄ジェレミーの活躍が少なくてがっかりだったと記憶しているが、
今回は兄ジェレミーが大活躍。
というか主人公なのかも。
長年信じてきた殺人者、というと変だが、
長年危険な殺人者として信じてきた存在が、
病院を抜け出しただけでも驚きなのに、
かなり衝撃的な内容。
一番面白かったのは、相棒ハリーが裁判所に記録を調べに行った場面。
70歳代の老練な記録担当のご婦人、
激情色のワンピースと年に似合わぬ香水を身にまとい、夫はなんと五人、が助けてくれる。
お返しに、ハリーは若い(?)ツバメを演じて、
記録担当のご婦人たちに息をのませる。
そして、
賢く、人を思いのままコントロールできるジェレミー。
自由になって、この後どう生きていくのだろうか。 -
ジェレミー活躍で面白かったです♪今回は知的というか、1、2作目より人間ぽくなってたかな。
全編に布石がわかりやすくちりばめられていて、回収もスムーズであっという間に読破できた。 -
ジェレミー大活躍の巻。
久しぶりにカーソンがまじめに推理したりひらめいているので主人公らしさ大爆発。けれどハリーが便利な小道具化して寂しいなぁ。もう少しハリー成分高くても良いじゃ無い、こんな時なんだから、と思う。
そして今回のヒロインも……いやだから、毎回わざわざヒロイン変えなくても良いのよ、と思いますよ。ほんとに。ちょっと呆れる。 -
あらまシリーズ物だったのね、と読み始めて気づいてももう遅い。先が気になって結局読んじゃいました。
ジャック・カーリィ、初読だったけど実はすごい作家だったし。
巷にあふれかえってるサイコサスペンスではあるが人物造形は群を抜いてますやん。
いいヤツもやなヤツもみんな魅力的にみえてくるのは、際立った描写力の賜物だぁね。
75点(100点満点)。 -
「カーソン・ライダー」シリーズで一番面白かったー☆でも、シリーズものとして、きちんと(?)1冊目から順に読めばこその面白さかも。もちろん、これだけでもきちんと読めるのだけれど…。
今回、ハリーの出番がいつもより少なかったことだけが残念。笑 -
カーソン・ライダーとハリー・ノーチラスの二人が異常心理事件に挑むシリーズ4作目。
これまでのシリーズ作中、出番が少ないながらも凄まじい存在感を放っていたカーソンの兄、ジェレミーが施設を脱走した!
大都会ニューヨークに潜伏するジェレミー。そして相次ぐ猟奇殺人。
強烈な個性を爆発させるジェレミーが最高にサスペンスフルな1冊です。
謎のメッセージを残し惨たらしく殺害された知人というショッキングな出来事に、施設にいるはずのジェレミーが関わっていると知った時の描写がゾクゾクします。
必死の体のカーソンと遊んでいるようなジェレミーの対決がワクワクしますが、実の兄であり殺人者でもあるジェレミーに対して複雑な思いを抱えながらも追うカーソンの心境が辛い。
自分の存在を消し去り、周囲の目に怯えながら生きてきたカーソンの孤独と、憎みきれない兄への想いが痛々しいです。
カーソンとジェレミー二人の視点から物語は進み、次々と起こる事件と情報の多さになかなか真相が見えずちょっと混乱。
しかし謎のメッセージの解明で事件が様相を変え、終盤一気に展開していくのは爽快でした。
怒涛の展開後に事件は一応の決着をみせますが、最後の最後にハリーが静かに語る言葉が驚きとともに感慨深いです。
この結末をどこか心地よく思うのは、ジェレミーの真実を知ったからでしょう。あんなことをひっくり返してしまうとは、ここが一番驚きましたし、同時にジェレミーに対する好感度も上がりました。
この作品を読みたいがためにシリーズを1作目から読み続けてきましたが、どの作品もハズレなし。
次回作が待ち遠しいです。