イン・ザ・プール (文春文庫)

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  • 2022レビュー
著者 : 奥田英朗
  • 文藝春秋 (2006年3月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167711016

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イン・ザ・プール (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 診察のドアをノックすると聞こえる「いらっしゃーい」の声。
    診察室に入ると伊良部先生が満面の笑みで迎えてくれる。「さあ注射、いってみようかー」と嬉しそうに。
    注射をしてくれるのは少々露出趣味のある(?)美人看護婦のマユミちゃん。
    カウンセリングを無駄と言い放ち、治療する気なんてなさそうな伊良部先生に患者が呆れて帰ろうとすると「明日も来てね」とにっこり。

    こんなに胡散臭い医者はなかなかいない。
    そしてこんなに脱力させてくれる人もなかなかいない。

    伊良部先生の患者さんはかなり深刻な症状に悩んでいて、どんどん思い詰めていくのは他人事ながらとても怖い。
    伊良部先生も頼りになるのか分からないし、あぁ今度こそもうダメかもと何度か中断してしまった程だ。

    とりあえず今回はセーフ。
    途中あんなにハラハラしたのが嘘のように読後は爽やか。
    ただ今後も伊良部先生を信じていて大丈夫なのかは自信なし。
    伊良部先生はやっぱりなんかちょっと胡散臭いから。

  • 変な精神科のお医者さんが、特に治療はしないのに人の心の病気を治す。
    あえてそうなのか、自然とそうなのか。
    どっちにしろ病気を治しちゃうんだからすごいよね。
    きっと人には天職があるのだ。

    すごく読みやすくて、すごく面白かったです。

  • アニメ『空中ブランコ』をみて、手に取りました。

    アニメのタイトルは空中ブランコになっていたので、イン・ザ・プールは別の内容なのかな、と思っていたら、ちょっとかぶってました。

    へんてこな精神科医といろんな症状を抱えて病院にやってくる患者さんのお話。

    伊良部先生の憎めないキャラがいいですね。
    最初はその奇天烈ぶりに困惑を覚えていた患者さんたちが、通院を通して心を許していく様は、心の交流みたいなものが感じられていいです。

    患者さんたちもそれぞれ個性的で面白いです。
    携帯が手放せない少年の話なんかは思い当たる節があってぎくっとしてしまいました。
    強迫神経症も、家を出るときに鍵のチェックを三回くらいしてしまう質なのでよくわかります。

    問題解決の方法は様々で、ある人は無理していた自分から解放されたり、ある人は性格を受け入れてそれと付き合っていくことを決めたり。
    結局、全部患者さん自身が解決しているんですけど、そこまでの道のりを一緒に歩いてあげる伊良部先生はある意味で名医なのかなと思います。

    文章はさらっと読める感じで、内容も面白いです。
    疲れたときの息抜きにいい本だと思いました。

  • 笑える小説で奥田英朗さんの右に出る者はいない!~と、とあるネット掲示板で評されているのを見て、気になったので読んでみた。

    確かに本当に面白かった!とにかく伊良部先生にすごい笑わせられたw
    それ、人として/医者としてどうなのよ!?~って思っちゃうようなことばかり言う奴なのに、最後は、ひょっとして名医かも?と思わせてくれるところが良かった。
    いつの間にか相手の懐に入るのがうまい人というか、自分でも気づいてなかった本音を引き出させるのがうまい人というか…不思議な人!
    自分の主治医だったら絶対嫌だけどさw

    どの話もとても面白かったけど、心の病気を扱っているので、そこはやっぱり笑って読めない部分もあった。強迫観念からくる確認行動とかは、自分にも大いに当てはまるし…。
    だけど、持った役回りはそうそう変えられるもんじゃないんだ~って分かったら、もう開き直るしかないのかもなと思って。
    伊良部先生の性格が、ちょっとだけ羨ましいよ。笑

    このトンデモ精神科医の活躍(?)を描いた「伊良部シリーズ」は第3弾まで出ているらしいので、ぜひシリーズ読破したいなと思った!
    いやー、小説読んで声出して笑ったのなんて、いつ以来かしら。笑

  • 総合病院の地下にある精神科。
    そこを訪れるのは、プール依存症、陰茎強直症、被害妄想、携帯依存症、強迫神経症の人びと。

    患者さんを迎えるのは、色白で小太りな精神科医、伊良部。
    白衣のボタンを3つあけて太もも丸出しの看護婦マユミさん。

    とにかくこの伊良部、治療らしいことをしません。
    「生い立ちも性格も治らないんだから、聞いてもしょうがないじゃん」
    って調子で。
    患者がプール依存症なら自分も水泳を始め、深夜のプールに忍び込もうとする。
    患者が携帯依存症なら携帯でメールをしまくる。
    常にストーカーにつきまとわれているという被害妄想のあるコンパニオンの女性のオーデションにに自分も応募する。
    ・・・なんて感じで自分が患者さんと一緒に楽しんじゃう。
    その上注射フェチ。
    それなのに患者は落ち着くところに落ち着いてしまう。

    破天荒で常識破りな伊良部ですが、こういう精神科医もアリなのかな~と思います。
    精神科医の医師ってあまりに健全すぎると気後れしそうだし。
    本当にあんたみたいな人に人の悩みが分かるの?と言いたくなる。
    むしろ精神的に病んだ部分があったり、そういう経験のある先生の方が私なら安心できます。

    この中では、常に誰かとつながっていないと不安で携帯依存症になった男子高校生のお話が印象的でした。
    「先生、友達いないんですか?」
    と聞く高校生に伊良部は、
    「うん。いないよ」しれっと答える。
    マユミさんにも同じ質問をすると、
    「いないよ」と何でもないように答える。
    すごいのは次の一言。
    「淋しくないんですか」との質問に、マユミさんは「淋しいよ」と即答する。

    これはすごいと思った。まゆみさんが好きになってしまった。

  • 「いらっしゃーい」
    と、やけに明るく甲高い声を発するのは、医学博士・伊良部一郎。
    病院の地下にある一室で神経科医をしている。

    心身症、陰茎強直症、被害妄想、携帯依存症などなど、彼のもとへ訪れる患者は様々な悩みを抱えている。
    それに対してこの伊良部医師、びっくりするほど素っ頓狂な対応ばかり。
    それ故どの患者も、ここに来たのは間違いだったか、という考えが頭をよぎる。

    とはいえ、だめ医者かというとそうではない。
    どこかピンとがずれてる、型破りな医師を見ていると、なんだか真面目に考えるのがばからしくなるような気さえしてくる。
    気づけば患者は皆、伊良部ワールドにはまっているのです。
    治療に必要なものがなんなのか、見えるようですね。

    肩を張っていたり、疲れていたりする時に読んだら、ふっと息が抜けるかも。
    時折イラッとさせられるけれど、憎めない。
    たまにはこんな短編集もいいですね。

  • 伊良部総合病院の地下にある神経科。
    そこには様々な悩みを抱えた患者がやってきます。

    今回、久々に読み返したのですが、周りからは「なんでもないよ、そんなこと」と言われる事柄も、当事者にしたら日常生活もままならなくなってしまうほどです。

    笑えるポイントもあるのですが、悩んでいる身としては命がけなんです。そのギャップが絶妙です。映画化もされているので、併せて読んで・観てみてはどうでしょうか。

    図書館スタッフ(学園前):トゥーティッキ

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    http://opac.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=2410000607

  •  同期から面白いとオススメしてもらっていた作品です。読むのを楽しみにしていました。
     精神科医の伊良部の元を訪れるさまざまな患者さん。ほんとに色々な病があります。でも、どれも他人には見えにくい、いや、本人すら気づいていないものだったりします。
     そんな病気をこの伊良部先生が治療してくれるのかと思いきや、え、してないよね?遊んでるだけだよね?という不思議作品。
     この伊良部先生のキャラクターがかなり面白いです。

  • *「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か*
    もう、文句なし面白い!この医師、まるっきり子供で注射フェチで常識なんて全く通用しないのに、不思議に核心をついた言動で患者を巻き込んで治癒の方向に導いていく。いや、導くというより、面白がって一緒に走ってくれると言う感じかな。その愛すべきキャラクターが馬鹿馬鹿しくも愛おしくて、思わず吹き出してしまう。読後もその可笑しさが残って、なんだか気持ちが楽になるような一冊。

  • どこまでも楽観的で子供のように正直、でもサラッと核心をついたことを言う、そんな伊良部先生に読んでいくうちにハマっていった。
    自分にとっては大きな悩みも、話を聞いてもらったり何気ない一言をかけてもらうだけで救われることは案外多いんだろうなと思った。

  • 短編になっててサクサク読めちゃう。
    伊良部さんのユニークキャラのおかげで全体的に暗くはならないんだけど、この本もある意味精神的にジワジワくるかも。
    火事気になったりケータイ依存だとか、自分にも置き換えながら気をつけよう的な。誰にでも思い当たることがありそーなんで、共感できるはず。

  • 予備知識ゼロで読み始める。最初は展開がどうなるか読めなかったけど、読み進めるうちにどんどん面白くなった。一話読み切りで読みやすかった。

  • あれ?
    これ面白い。

    毎日何の注射を打っていたのか非常に気になる。

  • 表紙を見てホラー小説かと思ったら読んでびっくり
    めちゃくちゃ面白かった
    変態の医者とやたらセクシーな助手のマユミちゃんが患者の問題を次々と解決
    注射はされたくないけれど、私もこの先生に診てもらいたい

  • 退屈しのぎにはちょうどいい。

    伊良部総合病院の神経科にやってくる患者を精神科医の伊良部一郎がおかしな方法で治療するオムニバス形式の物語。
    携帯電話依存症の高校生の話が一番おもしろかった。

    単行本が刊行されたのが2002年だ。12年たった今の方が多くの便利な道具の出現によって、より依存度が強くなっているのではないかな。
    FacebookやLINEなどつながりやすくなっているけど、現実の距離感は近づいているような、いないような。
    本書を読んだ感想をわざわざネット上に書いているんだから僕も十分依存しているんだろう。

    ほどほどに。自戒を込めて。

  • もっと気楽に、適当に、わがままに、そうやって生きればいいんですよ。

    精神科の患者もちょっと外れているけれど、まずこの先生が常識から外れすぎ。でも、うまく解決してしまうんだから、おかしいのは常識の方なのだろうか? 世間の方なのだろうか? 不思議な感覚を覚える作品。

  • こちらもブクログのフォロワーさんのレビューに惹かれて読みました。こうやって、出逢うハズの無い本にめぐり会うのも、おもしろい。

    脱力、無責任、自己中・・・そんな神経科医で医学博士の伊良部先生が巻き起こす、何とも言えない不思議な笑いです。
    診察に来た患者達より更に“変”な神経科医。コレ実は名医だな。

    何と表現したらいいものか・・・まぁ無理に表現しないんですけどね。

    読んでると軽い嫌悪感を抱いた。
    この患者達の誰もが何となく自分に重なる気がする。陰茎硬直症はさすがに無いですよ(笑)

    ともあれ、シリーズ化されているらしく、そちらにも手を出す予定です。「空中ブランコ」と「町長選挙」はどちらから読むのがいいんだろうか?

  • (2008.6)

    こっちが1作目?
    伊良部先生の華麗なる診察(笑)最高です!

  • 伊良部の馬鹿さ加減にやられます。
    ちっぽけなことで悩んでる自分がアホらしい。精神科にいますが、伊良部みたいな先生がいれば楽しいんだろうなぁって、つい思ってしまいました。

  • 奥田英郎さんの本。
    ちょっと風変わりな精神科の先生とのやり取りが面白い。
    短編なので、少しずつ読んでいくのもいいかも・・・

  • 登場人物のをことをばかだなーって思うけど、自分もいずれこうなる気がする。

  • 913.6オク 小説(日本)

  • 精神科のお話というだけあって、本当に変な患者ばかり出てきて面白くてサクサク読めた。医者も変だし。この本がきっかけで奥田英朗さんの本をたくさん読み始めた。

  • 奇妙な精神科と看護婦、患者の短編集。
    変で気持ち悪いけれどそこが面白い。

  • いやーーー面白かった!
    精神科の先生と患者さんの治療?とは思えない不思議な治療の短編集。
    この伊良部先生がなんとも魅力的。
    高校生の男子にしつこくメールする内容は心から笑った。
    自分に置き換えられる部分もあり(心配性・・)、心が軽くなる小説。

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イン・ザ・プール (文春文庫)の作品紹介

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。

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