イン・ザ・プール (文春文庫)

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著者 : 奥田英朗
  • 文藝春秋 (2006年3月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167711016

イン・ザ・プール (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 診察のドアをノックすると聞こえる「いらっしゃーい」の声。
    診察室に入ると伊良部先生が満面の笑みで迎えてくれる。「さあ注射、いってみようかー」と嬉しそうに。
    注射をしてくれるのは少々露出趣味のある(?)美人看護婦のマユミちゃん。
    カウンセリングを無駄と言い放ち、治療する気なんてなさそうな伊良部先生に患者が呆れて帰ろうとすると「明日も来てね」とにっこり。

    こんなに胡散臭い医者はなかなかいない。
    そしてこんなに脱力させてくれる人もなかなかいない。

    伊良部先生の患者さんはかなり深刻な症状に悩んでいて、どんどん思い詰めていくのは他人事ながらとても怖い。
    伊良部先生も頼りになるのか分からないし、あぁ今度こそもうダメかもと何度か中断してしまった程だ。

    とりあえず今回はセーフ。
    途中あんなにハラハラしたのが嘘のように読後は爽やか。
    ただ今後も伊良部先生を信じていて大丈夫なのかは自信なし。
    伊良部先生はやっぱりなんかちょっと胡散臭いから。

  • 変な精神科のお医者さんが、特に治療はしないのに人の心の病気を治す。
    あえてそうなのか、自然とそうなのか。
    どっちにしろ病気を治しちゃうんだからすごいよね。
    きっと人には天職があるのだ。

    すごく読みやすくて、すごく面白かったです。

  • アニメ『空中ブランコ』をみて、手に取りました。

    アニメのタイトルは空中ブランコになっていたので、イン・ザ・プールは別の内容なのかな、と思っていたら、ちょっとかぶってました。

    へんてこな精神科医といろんな症状を抱えて病院にやってくる患者さんのお話。

    伊良部先生の憎めないキャラがいいですね。
    最初はその奇天烈ぶりに困惑を覚えていた患者さんたちが、通院を通して心を許していく様は、心の交流みたいなものが感じられていいです。

    患者さんたちもそれぞれ個性的で面白いです。
    携帯が手放せない少年の話なんかは思い当たる節があってぎくっとしてしまいました。
    強迫神経症も、家を出るときに鍵のチェックを三回くらいしてしまう質なのでよくわかります。

    問題解決の方法は様々で、ある人は無理していた自分から解放されたり、ある人は性格を受け入れてそれと付き合っていくことを決めたり。
    結局、全部患者さん自身が解決しているんですけど、そこまでの道のりを一緒に歩いてあげる伊良部先生はある意味で名医なのかなと思います。

    文章はさらっと読める感じで、内容も面白いです。
    疲れたときの息抜きにいい本だと思いました。

  • 奥田英朗さんに最近ハマってます。
    奥田さんの代表作といえば、これだ!と思い迷わず購入しました。

    最悪、サウスバウンド、と読んでいますがまあキャラ設定が濃くて面白い、最後まで飽きず、あっというまに読み終えてしまうほどで今回も期待してた通りの感じでした。

    こんな神経科の先生が居たらどんな病気も治りそうだと終始笑っぱなしでした。電車ではNGかも!


    「いらっしゃいー」から始まりの看護師さんが無愛想で、こんな神経科本当にあったら行かないだろうなと、、なにより注射が怖い…


    今回は☆4つ!5つ星つけたい所でしたが、続編に期待ということで評価を付けさせて貰いました。


    個人的にはフレンズのストーリーが気に入りました。
    スマホ時代の世の中なので本当にありそうな…

  • 笑える小説で奥田英朗さんの右に出る者はいない!~と、とあるネット掲示板で評されているのを見て、気になったので読んでみた。

    確かに本当に面白かった!とにかく伊良部先生にすごい笑わせられたw
    それ、人として/医者としてどうなのよ!?~って思っちゃうようなことばかり言う奴なのに、最後は、ひょっとして名医かも?と思わせてくれるところが良かった。
    いつの間にか相手の懐に入るのがうまい人というか、自分でも気づいてなかった本音を引き出させるのがうまい人というか…不思議な人!
    自分の主治医だったら絶対嫌だけどさw

    どの話もとても面白かったけど、心の病気を扱っているので、そこはやっぱり笑って読めない部分もあった。強迫観念からくる確認行動とかは、自分にも大いに当てはまるし…。
    だけど、持った役回りはそうそう変えられるもんじゃないんだ~って分かったら、もう開き直るしかないのかもなと思って。
    伊良部先生の性格が、ちょっとだけ羨ましいよ。笑

    このトンデモ精神科医の活躍(?)を描いた「伊良部シリーズ」は第3弾まで出ているらしいので、ぜひシリーズ読破したいなと思った!
    いやー、小説読んで声出して笑ったのなんて、いつ以来かしら。笑

  • 総合病院の地下にある精神科。
    そこを訪れるのは、プール依存症、陰茎強直症、被害妄想、携帯依存症、強迫神経症の人びと。

    患者さんを迎えるのは、色白で小太りな精神科医、伊良部。
    白衣のボタンを3つあけて太もも丸出しの看護婦マユミさん。

    とにかくこの伊良部、治療らしいことをしません。
    「生い立ちも性格も治らないんだから、聞いてもしょうがないじゃん」
    って調子で。
    患者がプール依存症なら自分も水泳を始め、深夜のプールに忍び込もうとする。
    患者が携帯依存症なら携帯でメールをしまくる。
    常にストーカーにつきまとわれているという被害妄想のあるコンパニオンの女性のオーデションにに自分も応募する。
    ・・・なんて感じで自分が患者さんと一緒に楽しんじゃう。
    その上注射フェチ。
    それなのに患者は落ち着くところに落ち着いてしまう。

    破天荒で常識破りな伊良部ですが、こういう精神科医もアリなのかな~と思います。
    精神科医の医師ってあまりに健全すぎると気後れしそうだし。
    本当にあんたみたいな人に人の悩みが分かるの?と言いたくなる。
    むしろ精神的に病んだ部分があったり、そういう経験のある先生の方が私なら安心できます。

    この中では、常に誰かとつながっていないと不安で携帯依存症になった男子高校生のお話が印象的でした。
    「先生、友達いないんですか?」
    と聞く高校生に伊良部は、
    「うん。いないよ」しれっと答える。
    マユミさんにも同じ質問をすると、
    「いないよ」と何でもないように答える。
    すごいのは次の一言。
    「淋しくないんですか」との質問に、マユミさんは「淋しいよ」と即答する。

    これはすごいと思った。まゆみさんが好きになってしまった。

  • 「いらっしゃーい」
    と、やけに明るく甲高い声を発するのは、医学博士・伊良部一郎。
    病院の地下にある一室で神経科医をしている。

    心身症、陰茎強直症、被害妄想、携帯依存症などなど、彼のもとへ訪れる患者は様々な悩みを抱えている。
    それに対してこの伊良部医師、びっくりするほど素っ頓狂な対応ばかり。
    それ故どの患者も、ここに来たのは間違いだったか、という考えが頭をよぎる。

    とはいえ、だめ医者かというとそうではない。
    どこかピンとがずれてる、型破りな医師を見ていると、なんだか真面目に考えるのがばからしくなるような気さえしてくる。
    気づけば患者は皆、伊良部ワールドにはまっているのです。
    治療に必要なものがなんなのか、見えるようですね。

    肩を張っていたり、疲れていたりする時に読んだら、ふっと息が抜けるかも。
    時折イラッとさせられるけれど、憎めない。
    たまにはこんな短編集もいいですね。

  • 人には色んな悩みがあるし相談されたりもするけれど、こんな解決方法があるんだ(笑)
    伊良部先生みたいな人が身近にいたらいいなぁ。

  • 伊良部という変わった精神科医が患者を治療していく話?なんだろうけど、治療が治療じゃないのが面白しろかった。
    現実的に見たら、こんな方法は不可能に近いかもしれないけれども、でも伊良部みたいに誰かがきちんと話を聞いて、答えてくれる、そんな存在が必要なのかもと感じた。
    伊良部という医者がどういう風に患者に対応していくのか、気になって一気読みしちゃいました。

  • 驚くほどさくっと読める。
    テレビ関係の人が書く小説はカギかっこが多くて読むのは楽だけどなんとなく小説と思えない。でも、この方の話は割と小説だと思えた。

    小説のなかの変人って、変なのにかっこいいからはまるんだな、という発見があった。つまり、この本の主人公は変だけど全くかっこよくない。こんな人が職場にいたら絶対に口をきかないよなぁ、、と思った。笑
    読んでいてなぜか思い出したのは「笑うせえるすまん」。何個か、読後感が自業自得のような、なんとなく薄気味悪い感じがした。
    そのなかでも最後の話は喜劇っぽくて個人的には好きだった。

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イン・ザ・プール (文春文庫)の作品紹介

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。

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