ドナウよ、静かに流れよ (文春文庫)

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著者 : 大崎善生
  • 文藝春秋 (2006年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167715014

ドナウよ、静かに流れよ (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • あまりノンフィクション好きではないので、滅多に読まないんです。
    でも大好きな作家さんのノンフィクションとのことで、自分が大学2年の頃に読んでみた。

    内容はドナウ川で邦人男女が心中という実際に起こった出来事を筆者が追うというものでした。
    その亡くなった女性が19歳の少女。奇しくもこのお話を読んだ私と同い年だったのが、とても印象に残っています。

    どうしてこの少女は心中という道を選んだのか?それは自分の愛の形をこの世に残される人々に証明するためだったのかな、と私は思いました。でも実際の理由は誰にも分かりません。

    残された家族の悲痛な気持ち。特に両親が相手の男性を憎む気持ちも痛いほど伝わってくるけど、その不毛さにも胸が痛みました。

    残された二人の遺書からはその決意の強さが伝わってくる。
    「私たちはすでに死んでいる。
    ありがとう。
    2001年7月30日
    千葉師久
    渡辺日実
    私たちは理想郷にいきます」

    そして二人の遺書の末尾に少女が両親に向けた言葉。
    「渡辺正臣とマリアは人殺しだ。
    テメェらおぼえておけ。のろってやる。死ね。
    クソやろう。ぎぜん者ぶりやがって。死んでしまえ!」
    どうしようもなく、ひどい言葉。
    でもひどい言葉の中に哀しみと愛が籠っている気がするのは私だけでしょうか?

    最後の方にに亡くなった少女の肖像写真が掲載されていて、この物語が実話だったのだと衝撃が走った。彼女のパワーの漲ったまっすぐな瞳に、心の芯の強さが伝わってきました。なんだかその写真を見たとき、涙が出てきました。

    この本の内容、大人になった今でも鮮明に記憶に残ってる。
    ぜひ10代の女の子たちにこの本を読んでもらいたい。

    読んで疲れるという方もいるけど、それだけ人の人生が重いものだということなのだと思います。

  • ノンフィクション。
    もう起こってしまった出来事を、なぜそういう結末になったのかを追っていくため、この女の子がどういうふうに人生を終えるのかを分かっているので、読んでいて胸が苦しくなります。
    ここでこうしていたらとか、こんなことをしていなければとか、過去の出来事に対して“たられば”で後悔するのは良くない事と分かっていても、全ての出来事が彼女を異国の地で心中させるように向かっているようにしか思えず、いらいら、やきもきします。
    もう一度同じようなことが起こったとして、今度は止められるか。

    頁をめくり、最後行き着いた先、ドナウ川が静かに流れる余韻の中で、突然現れた、まだ先のことなど何も知らないような少女の写真に涙が出ました。

    寝る前に読み終わったため、読後の余韻や事件の余韻や少女の人生やいろいろなことを考えてしまい眠れなくなりました。。。

  • 大崎善生以第一人直述19歲的日實和相識不到半年的千葉一同殉情在多瑙河的始末,日實和千葉可以永遠活在多瑙河,ㄧ段無以挽回的命運,讓人唏噓。

  • ウイーンで33歳の自称指揮者と心中死した19歳の女子学生を廻る大崎善生さんのノンフィクションです。
    ”純粋”の作家。この作品を読んで、大崎さんの事をそう思うようになりました。
    この作品の主人公の女子大生と、デビュー作「聖の青春」の主人公の捉え方がよく似ています。どちらも悪く言えば我儘で奔放ではた迷惑な人間です。それを著者は「純粋・無垢」と捉えます。「聖の青春」の聖は、難病ゆえにまともな生活が営めなかった人なので、まだ説得力があるのですが、この主人公の場合はどうでしょうか。むしろ世間知らずでエキセントリックな感じばかり目に付きます。それも「純粋・無垢」としている。そういえば、小説でも大崎さんはその傾向があるようです。実は半分くらいで投げ出しそうになりました。最後はそれなりに収まって、まずまずだったのですが。。。。
    「純粋」というフィルターを通して物事を見る。あるいは文章を書く。大崎さんはそんな作家さんだと思えばよいようです。

  • 傑作!

  • ドナウ川の片隅で心中した2人の日本人を追って、事実を確かめる
    ノンフィクションでも作者を主人公に物語形式になっていて読みやすい

  • ルーマニアで自ら命を絶った日本人留学生の内面に迫ったノンフィクション小説。

    異国の地ルーマニアで19歳の若さで命を絶った少女(渡辺日実さん)の命の足跡に迫ったノンフィクション小説。明るく活発だった少女を死へと追い詰めていったものは一体何だったのか。一途な愛に命の業火を燃やし尽くした19歳の少女の軌跡。

  • 順を追って日実そして千葉の人物像を拾い上げていくことによって、そして、最後に日実が行きついた迷いなき愛情で終わることによって、ひとつのレクイエムに本書がなっているかのようでした。どうしようもなさ、迷い、正解の無さ。多くの人は常々そういうもののなかに身を投じているともいえます。しかし、日実はきっとそこに生きていく芯を見つけたのでしょう。そして千葉の存在を誇りの中に全うするために、きっと日実から死を選んだのでしょう。もどかしくて、くるおしさも感じて、そして最後は切ない。そんな作品でした。

  • ドナウ川で亡くなった19歳の少女の足跡を追ったノンフィクション。

  • ノンフィクション
    淡々と粛々と読めました
    華美にすることなく劇的にすることなく
    ノンフィクションとして好感のもてる本です

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ドナウよ、静かに流れよ (文春文庫)の作品紹介

ドナウ川で邦人男女が心中…その小さな新聞記事が頭から離れなくなった私は、二人の足跡を追ってウィーンへと向かった。もはやこの世にいない19歳の少女、日実は、異国の地でどんな恋をし、何を思い、そして何ゆえに追いつめられていったのか?悲劇的な愛の軌跡を辿る、哀切さにみちたノンフィクション。

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