産経抄それから三年: 2001~2003 (文春文庫 い 51-2)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717056

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  • 2016年8月12日、読了。

  • <span style="color:#000000"><span style="font-size:medium;"> 産経新聞の名物記者石井英夫氏が退職をされたという。76歳。

     「産経抄」を35年に渡って書き続けられた。退職に当たっての講演会が開かれた。もちろん、私は行けていない。その要旨が「退社の辞」として新聞記事になっていた。

     若かりし頃の先輩記者の言葉。

     「新聞記事は所詮、炭殻(たんがら)みたいなもんじゃねえか」

     その頃、冬の暖房として主流であった石炭ストーブの燃えカスの事を、炭殻といったという。朝になれば捨てられるが、一夜は人々を暖める。そんな記事を書ければ記者冥利に尽きる。

     いい話だ。

     これも、若い頃の話。

     当時、巨人の二軍の練習場であった多摩川球場に取材に行った。名コーチ牧野茂氏が、若手にバッティングの指導をしている。

     「王や長島だったら、相手ピッチャーは魅せられたようにやつらの好きな球を投げてくれる。だけど、お前たちは違う。徹底的にボールを選べ。狙い球を絞って、ジャストミートするんだ」

     「それには三つのコツがある。バットを短く振れ、鋭く振れ、素直に振れ。この三つを叩き込んでジャストミートすれば、球は必ず野手と野手の間を抜いていく」

     なるほど、文章もこれと全く同じでないか。

     短く書く、鋭く書く、素直に書く。

     分かりやすい話だ。でも、これがなかなかできないんだなぁ。</span></span>

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