虚構金融 (文春文庫 た 50-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717711

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  • 陰謀ものでした。
    銀行合併に絡む贈収賄事件から、日米における米国債にからむ密約にまで発展する物語。
    筆者の政治家や官僚に対する思い、メッセージがつたわってきます。

    銀行合併に絡む贈収賄事件で、事情聴取を受けた財務省キャリアの大貫が謎の転落死。警察は自殺と断定しますが、その死に不審を抱いた地検特捜部の後鳥羽は、その事件の真相にこだわります。
    さらに、同郷の改革派議員も事故死。
    二人は何を知っていたのか?
    成し遂げようとしていたのか?
    さらに、贈収賄の真相を明らかにすべく、調査を進めていきます。
    そこから徐々に明らかになる贈収賄の真相。
    そして、死んだ二人がやろうとしていたこと..

    といった展開です。

    米国債の話が出てくるのですが、あまりの金額にイメージがわかない(笑)

  • 展開が気になる面白さはあるけど、「金融」は直接関係ないな。どちらかと言うと、「政治」。
    これで、読んだのが5冊目だが、政治家に対するスタンスが一貫していて気持ちいい。

  • 有力地銀合併に絡む贈収賄事件で事情聴取を受けていた財務省キャリアの大貫が墜死した。事件との関連の薄い彼の死に不審を抱いた東京地検特捜部の後鳥羽検事は、大貫が改革派議員と組んで日本再生のために大掛かりな日米経済改革を行おうとしていたことを知る。事件は財務省、日米政府を巻き込む大謀略に発展した。

  • 地検特捜部を描いた高嶋哲夫の作品。物語は、バブル崩壊後、日本は長期に渡り経済が低迷し、銀行が抱える不良債権は膨らみ、貸付残高が危険域まで達し、時の大蔵省は金融再編を誘導し日本経済並びに日本国民の財産を守ることに舵を切った頃に銀行合併に不正が疑われ、地検特捜部が動き出したところから始まる。ターゲットは金融庁長官 岩城長官と対等合併の名のもと名門銀行を飲み込んだ新生東洋銀行 大久保頭取、そして現財務大臣であり、与党の大物である七道大臣そのヒトである。主人公である後鳥羽検事が岩城長官の当時の部下の財務官僚の事情聴取を行なった直後、財務官僚は謎の死を遂げる。銀行合併にまつわる汚職と財務官僚官僚の謎の死は全く別の事件であり、警察は早々に自殺と断定し幕引きを図る。釈然としない後鳥羽が単独で事の真相に迫ろうとするが、財務官僚の先輩で同郷の若手国会議員も車に跳ねられ交通事故死してしまう。死んでしまった彼らが追いかけていたものは何か?汚職の立件が一進一退を繰り返す中、刻々と時間が過ぎていく。









  • 検事さんの行動としては如何なものかという思いがあって完全には入り込めなかったのは残念です。

  • 話が少し難しいのと、読みにくかった。結局最後まで読めず、、、

  • かなり専門的にして、奇想天外な展開である。

  • バブル経済とその崩壊の問題点や、三権分立であるはずなのに最弱の司法など、提起も裏打ちもいいのだけれど、責難で終わってしまっているのが残念。政治家を逮捕した後どう世の中が変わるのか、愚劣な政治家を選ぶのは国民の責任だと言うのなら、それを是正するには何がなされるべきなのか、はたまた官僚政治でどれだけのことができるのか・・・。作者がこうあって欲しいという世界を描けるのが虚構である小説であり、衆愚に対する啓蒙にもなると思うのだが。

  • 銀行合併に関わる収賄事件の調査中に起こった別の事件がミステリーとして描かれていく。じんわりとしたテンポで進むが、一段落したところで急展開する。ラストまで一気に読ませてくれて、終わりも爽やかにまとめてある。

  • 2009/3/18

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著者プロフィール

一九四九年、岡山県玉野市生まれ。九四年「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、九九年「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞。他に『ダーティー・ユー』『ミッドナイトイーグル』『M8』『TSUNAMI津波』『東京大洪水』『風をつかまえて』『乱神』『衆愚の果て』『首都感染』『首都崩壊』『富士山噴火』『日本核武装』『神童』『ハリケーン』『官邸襲撃』『紅い砂』『決戦は日曜日』など著書多数

「2022年 『落葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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