あなたと、どこかへ。 (文春文庫 編 2-36)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717827

感想・レビュー・書評

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  • <クルマで出かける場面を用意すること>だけを約束事とされた8人の作家さんによる短編集。
    大好きな、吉田修一さんの作品が収められているので
    手にとってみました。

    吉田修一さんの「乙女座の夫、蠍座の妻」は非常に自然で優しい、夫婦を描いたお話。心が和みます。

    角田光代さんの作品は、角田さんらしさが短編ながらも感じられます。小さな光が心に灯ります。

    石田衣良さん。
    食わず嫌いで読んだ事がないのですが、こういう文体なのですね。思ったより、嫌いじゃないかも。

    甘糟りり子さん。
    時間を経て、大人になるということの良い面を描いたお話。

    林望さん。
    こういう小さな内緒事、きっと誰にでもあります。ちょっと物足りないくらいが、ちょうどいい。

    谷村志穂さん。
    男性の描き方が好きでした。最低限の描写で、魅力を最大限に感じられます。

    片岡義男さん。
    ちょっとロマンチストすぎるかな、と思いますがこうあって欲しいと思う気持ちがあるのも否めないので、フィクションとしては良い作品だと思います。

    川上弘美さん。
    泣きそうになりました。この短さで、よくここまで描ききったと思います。

  • 車に乗って出かける話ばかり集めたアンソロジー。
    好きな作家が何人も書いていて、薄くて、字が大きくて読みやすそうだったので電車内読書用に購入。
    ホロッと来る話、ノスタルジックな気分になる話など、軽く読めてそれぞれの作家の特徴が出ていて面白かった。
    吉田修一、角田光代の作品が好み。
    谷村志穂、川上弘美の両氏の作品には、私自身の環境のせいかホロリと来てしまった。
    片岡義男の作品は、氏の作品を良く読んでいた頃を思い出させてくれた。

  • 2010/11/09読了

    どこかへ(主に車で)行く短編集。こういうの見てると、車欲しいなあって思ってしまうね。

    「乙女座の夫、蠍座の妻」
    こういう夫婦は本当に素敵だと思う。いいなあ、最後の妻の告白を別の視点から見るのって発想が粋だとも思う。お気に入りです。

    「時速四十キロで未来へ向かう」
    この本の中で一番好きかなあ。弟がいいヤツすぎる。腐りきった中で見失ってるものって、ふとした時に見つけられるものだし。共感できる部分もあった。

    「本を読む旅」
    石田さんらしいわ。

    「慣れることと失うこと」
    …うーん??

    「この山道を…」
    …うーん…??

    「娘の誕生日」
    これは好きだな。おとんを思い出すよ

    「遠い雷 赤い靴」
    よくわからんかったなあ

    「夜のドライブ」
    うちのおかんもこうなるんだろうか。田舎に帰りたくなった。母親って偉大だなあと思う。

  • 8人の短篇の名手が、それぞれの持ち味をいかんなく生かし、ひとつのテーマ〈あなたと、どこかへ〉から描きだす8つの愛の情景

  • 吉田修一 石田衣良 川上弘美 甘糟りり子 谷村志穂 林望 角田光代 片岡義男の7人による同じタイトルでそれぞれがこのテーマで小説を書いて短編集となっている。

    妻と、弟と、CDと本と、昔の彼女と、昔の彼と、夫と、妻の思い出と、母と色々なシチュエーションでそれぞれの作家が出かけていく。

    出掛けるというテーマなのでそこにそれぞれの工夫がある。

    一度に沢山の作家の短編ではあるが小説を読めるというのはある意味おもしろい一冊だと思う。

  • 全く覚えていません。いい話だったのは覚えてる。もう一回読む

  • 車屋さんの企画なので、テーマに縛りがある。
    15年近くも前なので、車自体、そしてオーディオなど、今とは違うことが新しくてカッコいいってことになっていて、ちょっと微笑ましい。

  • どこかへ行ってしまいたかったから、読んでみた。
    でも、そんな気分の時に読む本じゃなかった。
    誰かとどこかへ行きたい時に読む本でした。

  • 最初の話と、角田光代の姉弟の話が印象的。谷村志穂も。
    でも文体としていちばん好きなのはやっぱり川上弘美なのである。

  • どこかへドライブに行きますか?

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著者プロフィール

1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で「文學界新人賞」を受賞し、デビュー。2002年『パーク・ライフ』で「芥川賞」を受賞。07年『悪人』で「毎日出版文化賞」、10年『横道世之介』で「柴田錬三郎」、19年『国宝』で「芸術選奨文部科学大臣賞」「中央公論文芸賞」を受賞する。その他著書に、『パレード』『悪人』『さよなら渓谷』『路』『怒り』『森は知っている』『太陽は動かない』『湖の女たち』等がある。

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