えりなの青い空 (文春文庫 あ 43-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167722029

感想・レビュー・書評

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  • 小学生の頃に図書館で一度読んで、とても素敵なお話だなあ、また読みたいなあという思いはあったものの、タイトルも作者も覚えておらず、もう出会うことは叶わないと思っていた本。
    高校生になって、ふらっと立ち寄った本屋で、たまたま表紙が目にとまり、まさかの再開に驚きと興奮で胸がいっぱいになりました。
    ずっと手元に置いておきたい大切な本です。

    えりなの、周囲の目を気にせずしっかりと自分を貫けるところは、子どもの頃も、今も、とても格好よく輝いて見えます。
    鈴原さんも、えりなのそんな所に惹かれたのかな。子どもの頃は鈴原さんの気持ちがちっともわからなかったのですが、今読み返すと、彼女が感じていたであろう息苦しさが、わかる気がします。本音を飲み込んで頑張り続けることは、本当にしんどい。子どもにとっては尚更。
    えりなの、のびのびと空を楽しむ様子は、読んでいるだけでもとても魅力的です。風が足の指を抜けていく気持ち良さ、指先に染み込むような空の青さ、地面からぽこぽこと湧き出す人の声、一つ一つの描写が生き生きしていて素敵です。それを目の当たりにした鈴原さんはものすごく羨ましかったんじゃないでしょうか。わたしも寝転がってみたい。

    こみねゆらさんの柔らかい色使いのイラストとも合わさって、読後は優しい気持ちになれる本です。

  • まわりに流されないで自分のペースで物事をすすめるえりながとても素敵だと思いました。
    こんなふうに空を眺めることって大人になってからないかもと少しさびしい気持ちににもなり、天気のいい日に熱転がれる緑がある場所がほしいって思ました。

  •  寝転がって空を見る。
     それは気持ちいい。
     空に吸い込まれるのか、
     大地に染み込むのか。
     いずれ体が解けていき、
     骨も筋肉も、心のしがらみもバラバラになりそうな。


     若い頃、バイクでずっとずっと走って、
     疲れた先で、ごろんと横になるのが好きでした。
     キャンプをした後で、片付けの途中で高くなっていく太陽を
     ブルーシートに横になりながら感じるのが楽しかった。

     
     マイペースな主人公。
     自分で好きなことを見つけていいよね。
     読んでいるこちらもほっとします。


     でも、子どもにも言われたのだけど、
     学級委員の行動はよくわからない。
     主人公との対比なんだろうが、子どもにはよくわからなかったみたい。

  • 高校生の時に本屋さんで見付けて、なんとなく買ってみた本。

    今更なんだが、127ページしか無いのに724円って・・・・ちょっと高くね?とか思ったのは秘密(^P^)


    絵本みたいな本だった。カラーの挿し絵もついてたし、内容もほっこりしてた。


    たくさんお喋りをしたわけでもなく、一緒に遊んだわけでもなく、あだ名で呼びあったわけでもなく。
    「会いたい」って思う人に出会えたら、きっとその人とはもう友達なんだろうな。

  • 中庭に新聞紙をひいて寝ころび、空を見上げるのが好きな女の子の話。
    2010/12/28

  • 【あらすじ】
    小学5年生のえりなは空が好き。晴れた日には学校の芝生に新聞紙を敷き、寝転んで空を見上げるのが最高。お母さんやクラスの男の子は寝転がるなんて変だと注意するけれど、気にせずいたってマイペース。そんなえりなに何でもできる学級委員の鈴原さんが興味を持って…。

  • そう言えば、私も小学生のころ、マンションにある芝生の上で空を見て空想をしていたものだ。
    晴れた日に外で寝転がるのって気持ちよいんだよ。
    意地悪な人は泣いている人の悲しさや辛さなんて、わからないものだ。

  • ちょっと不思議な女の子のお話。

  • 新聞紙を敷いて寝っ転がって空を見る えりな。
    変だ、と周りに言われてもマイペース、マイペース。
    えりなをそっと肯定してくれた優等生の鈴原さんは
    どうしてえりなと寝ころんだ日から学校に行かなくなったのだろう。
    きれいな長い髪の毛を自分で切ってしまったのかなあ。

    不思議なまま終わる。
    きっとこれは えりなと鈴原さんの序盤の話だろう。
    きっとここから物語は始まるのだろう。

  • 2008年7月11日読了。

    たまたま本屋で見かけた本書の題名を見て驚いた。
    本書のえりなは小学生だが、彼女が感じた違和感を、中学生・高校生の時に時分も感じたなあとしみじみしてしまった。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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