現代人の論語 (文春文庫 く 28-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167723019

感想・レビュー・書評

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  • 血の通った論語。「論語」の平坦な言葉の後ろに人間くさい孔子の姿が垣間見えて面白かった。また読み返したい。

  • 10/02/26購入。冒頭から面白そう。
    03/06読了。03/07再読中。03/09二度目読了。
    呉さん、いつも言葉は辛辣だけど、語ることは該博な知識に裏付けられて、きわめて真っ当だ。
    次は白川静『孔子伝』に進みたい。

  • 一般の読者に向けて『論語』の危険な魅力を紹介している本です。

    「現代人の論語」というタイトルではありますが、谷沢永一や山本七平らによる、『論語』をビジネス・パーソンのための処世術に貶めるような解釈を批判してきた著者だけに、孔子を近代人であるかのようにみなす解釈は厳しくしりぞけられています。著者がめざしているのは、2000年以上前に書かれた『論語』という書物のなかに、現代を批判する知恵をさがし求める試みです。

    長年私塾で『論語』についての講義をおこなっている著者だけあって、こなれた語り口で『論語』の魅力を伝えています。

  • 論語読みの論語知らずとは、通読していない人の多さを指している。
    本棚に論語が置かれることがあるか、いかに読んでる人が少ないかを著者は指摘する。
    そして私も既読の井上靖の孔子を痛烈に批判。
    誤訳だらけだというのである。
    私も井上靖の孔子は読んだけど、論語というか、孔子の人間像に焦点をあてた話だったような・・・
    本書でも孔子の人間像が十分伺い知ることができるのである。

  • 論語を読み物としておもしろいものだと教えてくれる著作。

    「子曰く、政を為すに徳を以てすれば、譬えば北辰のその所に居て衆星のこれにむかうが如し」

  • 『論語』は言わずと知れた、かの孔子が中心となって編纂された思想書ということ程度の知識であったが、おそらく自分以外の大多数の方々もまたほぼ同程度、かつ実際の『論語』は読んだことが無いのだろうと推察する。
    まず「過ぎたるは及ばざるが如し」という著名な文句について、一般的に間違いやすい解釈の違いから入る。

    本書は書かれている内容は、その手引きの書であり、『論語』自体は決して融通の利かない、堅苦しいイメージの思想書ではなく、孔子自体が非常に人間臭く、弟子たちを取り巻いて人間模様・ドラマが垣間見え、三国志を彷彿される。

    原書が漢文であるが故に、訳者によってその意味異なるところが多々あるようであるも、本書では吉川幸次郎の注釈本『論語』(朝日新聞社)を推している。

  • 39035

  • 2018/02/01 18:34:30

  • 論語は堅苦しい道徳の書と思われているがそれは後世の経学儒教の解釈であって孔子の時代の原儒教はそうではない、という主題。わかりやすい説明ですごく納得できた。呉さんさすがだ。孔子や弟子たちの人柄も良くわかった。知的な子貢が好き。論語で気に入った句は、
     「郷原は徳の賊なり」
     「中行を得てこれに与せずんば、必ずや狂狷か」
     「駟も舌に及ばず」
     「直を以て怨みに報い、徳を以て徳に報ゆ」
    でもなぜ書名が「現代人の~」なんだろ、内容と合っていない。

  • 「格言集でも扱うように講釈するなら知らず、論語は容易に講義しうるものではない。」とあとがきに書かれている。正に今まで読んできた論語関連の書物は格言集的なものがほとんどだった。論語の解釈には誤ったものもあり、又現代では本当の意味を一つに決められない文章もある。都合の良いように解釈し、後世の知識人がまとめたものを信ずるのは、本当の孔子の教えを誤解してしまうのかもしれない。

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著者プロフィール

評論家。1946年生まれ。愛知県出身。早稲田大学法学部卒業。評論の対象は、社会、文化、言葉、マンガなど。日本マンガ学会発足時から十四年間理事を務めた(そのうち会長を四期)。東京理科大学、愛知県立大学などで非常勤講師を務めた。著作に『封建主義 その論理と情熱』『読書家の新技術』『大衆食堂の人々』『現代マンガの全体像』『マンガ狂につける薬』『危険な思想家』『犬儒派だもの』『現代人の論語』『吉本隆明という共同幻想』『つぎはぎ仏教入門』『真実の名古屋論』『日本衆愚社会』ほか他数。

「2021年 『死と向き合う言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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