民王 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167728069

作品紹介・あらすじ

夢かうつつか、新手のテロか? 総理と息子の非常事態が発生--。「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!? 謎が謎をよぶ、痛快政治エンタメ!

感想・レビュー・書評

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  • 政界の痛快エンターテインメントとでも言えばいいだろうか!!!

    総理である武藤泰山とその息子である翔の中身が入れ替わってしまい、様々な難題にぶち当たっていく。

    漢字の読み間違いのシーンは、思わず吹き出して笑ってしまった。

    ただ、入れ替わったことで見えてくること、さらには入れ替わったことで分かり合えるお互いの気持ち。そこに真実が見えてくる。

    ユーモアの中に感動があります。

  • 連休の息抜きにエンタメ小説を読みたくなって、家の本棚から拝借。
    読み始めて、あれ?読んだことがあるなぁ…とところどころ思い出す。

    面白いことは面白いのだが、やはり10年前の小説。
    その当時と今では社会状況が変わってきているので、ジェンダー的な内容とか、表現がどうしても引っかかってしまう。
    半沢のドラマを観ても、なんかひと昔前の感覚だなぁと思ってしまうし…。
    もちろん、そうは感じない人も多いのだろうけれど、それはそれでいいのか?とも思ってしまう。
    なんとなくモヤモヤ。

    2021.5.1

  • 著者らしからぬ荒唐無稽な設定だが、政治や組織の在り方を考える上で、なんと真っすぐで痛快なんだろう。笑いあり、涙あり、胸アツのシーンの数々。上手い、とにかく上手い!
    選挙に行く前に読んでおきたい一冊。さてと続編を仕入れてこよう。

  • 舞台が政治以外のストーリーは似てないけど、映画の『記憶にございません』とオーバーラップしてると思うのは私だけ?
    多分、アクシデントによって、今までをリセットして、自分が夢を目指してた時代に戻ってやり直そうするところかな?
    内容は、笑って泣かせるコメディもん。
    個人的には、スイスイ読めて楽しめました。

  • まさに現代の政治の問題とあるべき姿を新しい角度から訴えられる作品。

    見方を変えると
    正直者がバカを見る世の中であってはならないとされるが、現実はそうでもない。
    権力、地位、カネのために忖度をせざるを得ないこの世の中、本質を見失うことも多々。
    この本を読むと二歩三歩離れて自分自身を見ることができ、進むべき道を改めて考えるきっかけになる。

  • 『いつから親子漫才にハマったんです』、、、『もしかして、オヤジ?』『-翔・・・・・?翔なのか?』おおおおお、面白過ぎ!もうハマったハマった。痛快で、入れ替わりでみえる【本音】にぐっと来た。長年積んでたこの小説。読み出したら民王の世界にわたしの脳波もジャックされた。「民王 シベリアの陰謀」続きも読むぞお!

  • 上手いなぁ。

    そして実に面白い。

    総理と息子が主役を務める物語は当初なんてコミカルな...と思わせる内容(そりゃ、親子が入れ替わっちゃったらね)から始まるが、後半にかけていろんなパターンでグサグサ刺さりまくりでした。

    金、女、政治、利権...普通の庶民が感じている政治不信の要因をこれでもか〜って感じで詰め込み、普通の政治家なら答えられない答弁や態度を示していく。

    そりゃそうだよね、だって総理の中身は息子(大学生)なんだから。

    そしていい味付けをしているのが、妻であり、母でもある綾の存在。

    たまに出てくるだけなのに良い事を言うよね。

    クライマックスでは入れ替わりが解け、武藤泰山総理が政治生命をかけて新薬許認可法案を国会に提出し、可決成立させた直後に衆議院の解散させる。

    最初はこんな総理で大丈夫?と思っていた泰山だったが、カッコいい姿を見せてくれました。

    そして、息子の翔の成長物語としても十分に楽しめる一冊。

    日本が抱える幾多の問題を笑いを交えて風刺し、真っ正面からではなかったかもしれないが、向き合った作品。

    一気読み間違いない作品でした。


    説明
    内容紹介
    遠藤憲一×菅田将暉W主演でテレビ化されて大反響――
    『民王』伝説はまだまだ終わらない!
    夢かうつつか、新手のテロか? 総理と息子の非常事態が発生――。
    「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ! 」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。
    総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラとは!? 謎が謎をよぶ、痛快政治エンタメ!
    内容(「BOOK」データベースより)
    内閣総理大臣の誤読が報じられるたび、どうしてそんなことが起きるのか不思議でなりませんでした。2009年当時のことです。1億2000万人も国民がいるのに、なんでそのリーダーが漢字を読み間違えるのか――。
    ところがあるとき、私は唐突に、その理由がわかってしまったのです。いまでもよく覚えています。当時仕事場のあった渋谷某所の歩道橋を渡っていたとき、それは天啓のように閃いたのでした。
    そうか、総理はきっと、どこかのバカ息子と脳波が入れ替わってしまったんだ――。
    総理大臣がそんなことになっても、さすがに国防上の問題があって公にすることはできません。国際的な信用にも関わります。私も黙っていようと思いましたが、その後政権も交代し、もはや沈黙する意味はなくなりました。
    そこで、小説という形で、事の真相を皆さんにお知らせしようと思い立って書いたのが、この『民王』です。
    バカげていると思われるかもしれませんが、ここに書かれていることは“おそらく"すべて真実です。
    いっておきますが、私にはとくに政治信条もなければ、当時の内閣総理大臣に対しても、好きとか嫌いとかいう感情もありません。
    ただひとりの冷静で客観的な物書きとして、当時誰も気づかなかった真実を世の皆さんに知らしめるために、この小説を書いています。どうか、くだらないとかバカバカしいとか、いわないで頂きたい。そんなことは、書いている本人が一番よくわかっています。
    その上で、まずはご一読頂きますよう、筆者からお願い申し上げます。
    (この雑文に書かれていることは、すべてフィクションであり実在の人物とはなんら関係がありません。ちなみに、作者の脳波も正常であります。)
    ――本の話インタビュー「自著を語る」より
    著者について
    池井戸/潤
    1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学卒業。98年『果つる底なき』(講談社文庫)で江戸川乱歩賞、2010年『鉄の骨』(講談社文庫)で吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』(小学館)で直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    池井戸/潤
    1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学卒業。98年『果つる底なき』(講談社文庫)で江戸川乱歩賞、2010年『鉄の骨』(講談社文庫)で吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』(小学館)で直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 2日で一気に読み終えました。
    面白いです!

    悪役も根っからの悪役ではなく、最後は泰山と一緒に戦うのも良かった。
    真の悪役は他にいましたが、しっかり成敗されていてスカッとしました。

    武藤泰山こそ民王の名に相応しい。
    こんな総理ならずっとついていきたいです。

  • これぞ小説でしょう!

    実際には起こり得ない設定が、
    自身の存在意義を、改めることの
    プロットが素晴らしい。

    代弁が、自身を成長させる。
    忘れてたなにかを思い出させる。

    私も、相手の立場だったら
    どう感じどう思うかを、
    もっと考えてみようと思いました。

    • やまさん
      各位

      昨年ブクロクに登録した本の中からベスト7を選びました。
      なお、平成31(2019)年3月27日に読み終わった本からブクロクで管...
      各位

      昨年ブクロクに登録した本の中からベスト7を選びました。
      なお、平成31(2019)年3月27日に読み終わった本からブクロクで管理するようにしています。
      ① なんとなく・青空 / 工藤直子 / 詩 / 本 /読了日: 2019-12-11
      ② 螢草 / 葉室麟 / 本 / 読了日: 2019-12-16
      ③ あなたのためなら 藍千堂菓子噺 / 田牧大和 / 本 /読了日: 2019-04-10
      ④ 甘いもんでもおひとつ 藍千堂菓子噺 / 田牧大和 / 本 / 読了日: 2019-05-04
      ⑤ あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇 / 田郁 / 本 /読了日: 2019-09-14
      ⑥ てらこや青義堂 師匠、走る / 今村翔吾 / 本 / 読了日: 2019-08-27
      ⑦ ひかる風: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(四)  / 中島久枝 / 本 / 読了日: 2019-07-23
      ※もしよろしければ、皆様の昨年感想を書かれたものの中からベストの順位を教えて頂けたら嬉しいです。

      やま
      2020/02/07
  • ある日突然、総理、武藤泰山とその息子、翔の中身が入れ替わり、それぞれの役割を演じねばならなくなる。初めはドタバタ喜劇のようだが、途中から、泰山が政治家になったばかりの頃の熱意や政治への思いなどを翔が理解し、泰山も会社の志望動機を読んで息子の考えを理解するようになるなど、お互いを理解し合うようになる。また、どちらも相手の役を演じながらも、つい本年で発言する場面もあるが、どちらも心の底にある世の中をよくしたいという思いは共通していて、なんだか、ステキな親子だなと思えた。
    笑えて感動するストーリー。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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