民王 (文春文庫)

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著者 : 池井戸潤
  • 文藝春秋 (2013年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167728069

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民王 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • とにかく爽快である!

    総理大臣になった武藤泰山と息子の翔があることが理由で入れ替わってしまう。あり得ない設定だけれど、それぞれが揺れ変わることで、相手の成長や姿勢、忘れていた志を思い出す。漢字は読めるにこしたことはないけれど、翔の正直なコメントに日本が動き出す。共感できること満載でした。

    政治家のみなさん、ぜひ本書を読むことをおススメします。

    なんて偉そうなことを言う前に、私たちにも大切なことを気づかされた。政治家の女性問題などプライベートなことはいくらでも目に入ってくるのに、その政治家にどんな実績があるのか、どんな活動をしているのか、どんな理念を持っているのかを全然知らない。知ろうとも思ってこなかったな。選挙の時ににわかじたてのようにマニフェストは知ろうとするけれど、それが政治家になってからどうなっているのか知らない。それってどうなの、私!という感じです。

    「おとなになろうぜ」というセリフにはっとさせられた。

  • ある日突然、総理大臣の父親と漢字もろくに読めないバカ息子の意識が入れ替わった。
    何とも荒唐無稽な話だけれど、入れ替わってしまった後のふたりのようすが面白い。
    最初は戸惑ってばかりいた二人だけれど、世間に公表するわけにもいかず、それぞれ総理大臣や大学生として国会や就職試験に臨むことになる。
    いくらバカ息子とは言っても一応大学生。
    こんな漢字くらい読めるだろう!とつっこみを入れながらも、漢字なんか読めなくてもピュアでまっすぐな心を持ち続けている翔には好感が持てる。
    国家のことなんて二の次三の次、相手を蹴落とすことばかり考えている国会議員には翔が言っていることなんて耳に届かないだろうけれど。
    父である泰山も、就職試験のために書かれた志望動機を読んであらためて息子の思いを知る。
    表向きの企業理念と、内向きの理想なんて追い求めていたら経営なんか成り立たないと考えている実情。
    実際の企業にも当てはまるような話の展開に、ちょっと考え込んでしまった。
    綺麗事はいくらでも言える。
    でも、その通りにしていたら利益を求めるという企業の根幹が揺らいでしまう。
    その兼ね合いが難しいのだろうな、と。
    入れ替わったことで泰山は政治家としての初心を思い出し、翔はあらためて社会というものを考えるようになる。
    痛いところを突きながら、エンタメ性の高い物語にしているところが池井戸さんらしい。

  • 親子入れ替わりネタの話はたくさんあるが、国民のために政治家は何をすべきか、政治とは何か、それらを笑いでくるんで読みやすく問うている点は一読に値する。
    とくに首相に入れ替わったドラ息子「翔」や、息子に入れ替わった「泰山」が国会や面接で放った一言は実に痛快!スカッとすること請け合い!
    作中に出てくる「漢字が読めない政治家」や「酩酊状態で記者会見に臨んだ大臣」のくだりもあり、実在の首相や大臣の風刺ものである点も面白い。

  • 総理大臣とそのバカ息子が入れ替わるという、ありそうでなかった話。階段ゴロゴロしなくても入れ替わるんだなー、と最初の方は読むのを止めようかと思うくらい単調。政治パロディは面白いけど、日本ってこんな政治家ばかりで将来大丈夫か?と悲しくなってくる。後半からは、入れ替わった理由や政治の本質、就職活動の様子など引き込まれるところが多い。読んだ人みんなが、政治家には利益のバラマキでなく、進めて欲しい法案があると気づかされるだろう。確かに、政治家に愛人がいようがきちんと仕事をしてくれればどうでもいいことだと思った。

  • ドラマが面白いので、初の池井戸潤読み。
    「半沢直樹」を見た時、これこそまさに痛快娯楽現代劇だと思いましたが、娯楽度はこちらが上。

    総理大臣の父と就活中の大学生である息子が入れ替わることによって、政治家として、大学生としてのやり取りがずれる。
    アンジャッシュのコントのような可笑しみが、時に切なく、時にほのぼのと、そして概ね笑いとして押し寄せてくる。

    キャラがしっかり立っているからなんだな。

    そして何よりも、正論を堂々と言い放つことの痛快さ。

    本音を言えば引かれる。
    正論を言えば煙たがられる。

    そんな昨今だからこそ、正論に寄って立つことの清々しさが貴重。
    もちろん、正論で全てが片付くわけではないことは百も承知だ。
    だけど、正論すら語れなくなったら、世の中おしまいではないの。

    “「君みたいにさ、理想論ばっかり言ってる若者っていうのは質が悪いんだ」(中略)「だが、理想論すら語らない若者はもっと質が悪い”

    若者だけではないよ。
    大人だってだよ。
    理想万歳。まことに痛快。
    オトナになろうぜ、これ読んで。

  • 奇想天外な展開ながら引き込まれるのはテンポの良さゆえか。入れ替わったふたりのコミカルなやりとりと、核心を突く台詞の数々が心地よい。
    起承転結のスムーズさはいかにも物語らしいが、エンターテインメントとしては娯楽性に富んだお話。

  • またまた、テレビドラマ原作^_^;
    身体と心が入れ替わるはなしはいろいろあって、ドラマ化も映画化も数多あり。
    でも、おもしろい。
    ちょっと、風呂7広げすぎた感じがあり、
    エリカちゃんがもう少し書き込まれてると面白かったかなぁ・・・?と。

    原作にはないキャラや展開でドラマの方は進んでいきそうな感じもするので、
    金曜日の夜中を楽しみに生きようとおもう。

  • 総理大臣の父親と漢字も読めないダメ大学生の息子が入れ替わる… 設定としてはよくあるものだ。 あまり良好でない親子関係、息子を見下していた父親も、息子の成長に驚き言葉に心動かされる。 政界の様々な思惑の中で誰が黒幕なのかを考えながら読んでいく。 スピード感がすごく読む手を止めさせない作品。

  • 実は、総理の息子のほうが
    会社面接の志望動機などしっかりした考え方をしていて、
    その胸につきささってくる動機の文章に感動を覚えずにはいられませんでした。
    さすが議員の息子だけあって同じ血が流れているからか、
    逆に泰山は息子を認めながら議員になった初心を思い出させられることになっていた。そんな旦那を好きになっていた妻の綾も。
    いいシーンでした。

    ドラマはどうなるのだろう

  • 泣けた。相変わらず池井戸潤は泣かせます。

    仕事前に読んでいて、マジで泣けて多分完全なる変な人だと思われたであろうと思います。

    なんていうか、さらっとギャグあり、逆襲あり、どんでん返しありで、それでいて熱いことやるから、鳥肌たつような後味の悪い青春とも違う、ハートウォーミングな内容です。

    全ての有権者に読んでもらいたい。

    と、書いてありましたが、確かに。なるほどな。と。政治家どうしようもねーな。と思いつつも、それを選ぶのは私たちなわけで、日本を作って行くうえで、どーせダメだ誰がやっても。なんて思わずに、政治家をしっかり選ぶことが、今後の日本に続くと。漢字も読めないような政治家を選ぶなよ。と。

    そんなふうなことに、やたらと納得させられる一冊でした。

    政治家なんて誰がやっても同じことかと思ったけど、もしかしたら違うかもしれない。

    という、希望のある一冊でもありました!

  • えっ?これって、ほんとに池井戸潤さんの本ですか?
    いままでの作品とは全くテイストが違う。
    父と息子が入れ替わる・・・?どっかで似たような話があったような・・・
    その父が総理大臣だなんて・・・
    それはないでしょ~!と思いつつも楽しめました。

  • 池井戸さんの小説は、現代社会の見えづらい部分をコミカルに浮き彫りにしてくれるから、楽しい。

    加えて、人情的な要素が組み込まれているため、読後感は秀逸だ。

    民王は、ミンオウではなくタミオウと読む。しょーもない、政治家がふとした、あり得ないシチュエーションに置かれ、テンヤワンヤを乗り越えながら、初心を取り戻す話。

  • コメディーなので、一気に読める。
    政治家の存在が前より身近に感じられた。

  • おもしろかった。久々に食いついて読んだ(笑)
    最初は「今度のは政治か~、苦手やな」って思ってたけど
    展開が動き出してからは一気読み。
    笑いもあって涙もあって本当にテンポのいい爽快な話。
    実際にはありえないんだろうけど、それが小説のいいところ。

    ところどころ、「どっかで聞いたな~」って思ってたら案の定、解説読んで納得(笑)実際も実はこんな状況だったら面白かったのにな。

  • これは面白い!
    池井戸作品を読むのは初めて。
    東野圭吾ほど重くなく、有川浩ほど甘くない。
    とにかく痛快。そして笑えて、スッキリする。

  • 総理をつとめる父とその息子である大学生が、何者かの策略で入れ替わってしまう。目に見えない組織の思惑はなんだったのか⁈ 現実にありえない設定とはいえ、政治の本来あるべき姿について考えさせられました。

  • 読み始めは、あり得ない設定に「?」でしたが、さすがの池井戸さんやっぱりすぎに引き込まれて一気に読みました。
    これからの日本はどんな風になるのかなぁ・・・と考えてしまいました。頑張ってほしい。あべ総理。

  • 「漢字の読めない政治家、酔っ払い大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ巨大な陰謀をめぐる痛快劇。」と解説が書かれていたが、確かにその通り、だがこの「民王」という池井戸潤作品は武藤泰山と武藤翔という親子をとおして、政治とは何かを真正面から問いかける内容になっている。
    一年ごとに首相が変わっていたこの国の政治ってなんだ?国民の事を考えた政治家はいないのか?
    この池井戸作品を読むと政治に真面目に向き合いたくなるかも。

  • 文庫化されたため読了。今までの池井戸作品にくらべると全体的に話が軽いタッチなので読みやすい。
    なぜ漢字も読めない人が総理になってるのか?という疑問から執筆されたというだけに政治に対する見解が秀逸。政治キライの人でも馴染めるとおもう。
    立場の異なる者の気持ちや考えを理解してはじめて人を思いやることができる、そんな気持ちにさせられる本。

  • 東京、新大阪間で読了。爽やかなSFでした。組織の利益、既得権。仕事の意義、理想。自分も少し頑張ってみようかなと思いました。池井戸潤小説でした。

  • 陰謀で親子が入れ替わる
    結果、ハチャメチャなこともあれば
    それぞれの性格が意外なはまり方をして
    上手く行くこともある

  • 日本の首相である父と大学生であるバカ息子とが脳波を入れ替えられるSF政治エンターテイメント。
    漫画っぽい設定ではあるが、だからこそ可能になる本音トークが小気味良い。
     入れ替わった体を借りて、腐敗した政治、癒着した企業、無能のマスコミをこき下ろす様はなんとも爽快。
    2017/09

  • 良い。
    池井戸潤さんの作品は、銀行ものが多いが、これは違う。
    あり得ない設定、ユーモア溢れる内容。
    だけど、池井戸さんらしい、正義は我にありはぶれない。
    ドラマを先に見たが、細部では異なり、ドラマも秀作だったと思った。

  • ‹内容紹介より›
    「お前ら、そんな仕事して恥ずかしいと思わないのか。目をさましやがれ!」漢字の読めない政治家、酔っぱらい大臣、揚げ足取りのマスコミ、バカ大学生が入り乱れ、巨大な陰謀をめぐる痛快劇の幕が切って落とされた。総理の父とドラ息子が見つけた真実のカケラは⁉ 一気読み間違いなしの政治エンタメ!

    ーーーー

    総理大臣とその息子の頭の中身が入れ替わった?
    おバカ大学生の息子が国会答弁に!
    そして総理大臣が就活面接に!!
    それぞれの視点から、いままで理解していなかった互いの「思い」を知り、二人の関係が変わってゆくところなど、読みごたえがあります。
    さらに、日本政界を巻き込んだ陰謀も明らかになり、政治の闇に武藤総理一家と仲間たちがいどみます。

    国会答弁などの政治部分は、室積光の『史上最強の内閣』に少し似ていてエンターテインメントに飛んでおり、武藤翔(総理の息子)が記者や野党に堂々と対峙する場面などは痛快で読んでいてすっきりします。

    ドラマは原作とは少し違うようですが、映像作品も見てみたい、と思いました。

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