イニシエーション・ラブ (文春文庫)

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著者 : 乾くるみ
  • 文藝春秋 (2007年4月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167732011

イニシエーション・ラブ (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 読み終わってからすぐに思ったのは、この物語は果たしてミステリーなのだろうか?という疑問だ。
    どちらかというと、心理サスペンスのような気がする。

    どこから見ても安全そうな道を歩いている。
    そんなつもりが、実は道に見えていたものは氷の上に人工的に作られたもので、もしかしたら途中には薄い氷があるかもしれない。
    落ちれば二度とはい上がれない凍りつくような水が満ちているとも知らず、自分の幸福に酔っている。
    もしかしたらすべては作為的なものとも知らずに・・・。
    この物語に登場する女はしたたかだ。
    そして、傷ついてもただでは立ち上がらない。
    女は学習する。
    今度こそは間違わないように・・・今度こそは痛い目にあわないように・・・。

    やたらと意味ありげな宣伝文句。
    でも、結局のところやっぱり二度読みしてしまった。
    作者の思惑にまんまとハマってしまった物語だった。

  • ブクログ仲間さんたちが「どんでん返しに驚愕した!」と
    あちこちでショックに震えているのを見て
    普段はあんまり読まない感じの作品だけれど、どうしても気になって
    得意の105円の棚で見つけたのをきっかけに読んでみたところ。。。

    評判通り、きれいに騙されました!
    うーん、ミステリって、こういう書き方もあるんだなぁ。。。

    鈴木くんがひとりになる瞬間を必ず見計らって声をかけてくるあたりとか
    部屋に1冊だけ場違いな感じで置いてあるアインシュタインの本、
    自分へのご褒美として購入し、大切にしていたはずの指輪の紛失、と
    マユちゃんは可愛いだけの女の子じゃないぞ!たっくん、気をつけてー!
    と思いながら読んではいたのだけれど。

    登場人物の中に好きになれる人が誰もいなかったので、☆は少なめですが
    side-A、side-Bと、昔のヒットソングを
    6曲ずつ章タイトルにした目次の構成も小粋で
    ラスト2行で世界がひっくり返る鮮やかさに凄味を感じる、
    私にとっては新鮮な読書体験でした。

    それにしても、私でも耳にしたことがない曲が何曲もある、この目次の12曲、
    10代20代の若い読者さんたちだと、1曲も聴いたことがなかったりして。。。

  • トリックには確かにとても驚かされます。うまくできてるな、いった感じで。

    ただそれ以外は特に目立ったところがない作品に感じます。
    登場人物に誰一人として魅力を感じなかったのも、私としては珍しい作品です。

    印象には残るが心は残らないと思いました。

  • ずーっと積んだままになってたんだけど
    最近やたらとCMを見かけるようになったりだとか
    王様ブランチのBOOK LOVERSのコーナーで
    広瀬アリスさんが押しまくってたりだとかで
    ようやく読んだというね。

    読み始めてみたら若干バブルの匂いがするものの
    ごく普通の(ちょっとドロドロな)恋愛小説で。
    巷で言われているラスト2行が気になって気になって
    ついつい読み飛ばしたくなるのを堪えていざ最終ページ。
    最後の2行よりも前に雲行きが怪しくなり
    読み終えたときには電気グルーヴの『誰だ!』が脳内リピ(笑)。
    要するにあれだ、
    謎が提示されるタイミングが最後だった、ということだ。うん。
    2度読みしたいのはやまやまなのだが気力が続かなくて(爆)
    解説サイトを覗くというものぐさ太郎に成り下がる。
    覗いてみて判ったのは
    ただ2度読みしても自力では理解したつもりにしかなれなかっただろうということ。
    そして、ラスト2行の意味のみならず
    解説の重要さもそこで判ったのであった。
    謎解きの鍵に使うアイテムの選択も巧いなぁと。

    2度読み必至という惹句はあながち嘘ではないと思う。
    が、個人的には1回読んで解説サイトを見て
    もう1回読むのがいいかなぁ。

  • 僕・鈴木(たっくん)がマユに出会ったのは代打で出た合コンの席。
    やがて僕らは恋に落ちて…。
    「必ず2回読みたくなる」と評されたミステリー。

    学生時代のたっくんと社会人になったたっくんの雰囲気に
    時々違和感を感じながらも、たっくんとマユの恋愛を淡々と描いてて
    何が必ず2回読みたくなる…?
    これ程までに評判な本なのか…?
    そんな風に思いながら読んでいました。
    最後の2行を絶対先に読まないでくださいとあったけど、
    最後の一頁、たっくんの回想シーンで、
    (  ゚ ▽ ゚ ;)エッ!!これは…。
    やっぱり、前の方に戻って確認しました。
    一瞬にして、あーそうだったのか。
    違和感は正しかったんだと思った。
    ルビーの指輪も(@'ω'@)ん?って思ってた。
    でも、やはりまんまんと騙されてました~(*´ `*)
    2回読むほどではなかった~(笑)
    マユ可哀相って思ってたけど、マユもしたたかだったんだね。

  • 叙述の金字塔のような評価をうっすら知っていたので、なるべくスカッと騙されようと、ただの恋愛小説だと自分に言い聞かせて素直に読んでみた。
    でも、これは疑って読んでも分からなかっただろうな。途中おかしいなと思う部分はあったものの、それを真相と結びつけることは私の頭では無理でした。
    「最後の2行」に衝撃があることは耳に入っていましたが、私の場合はすぐに理解できず、読み返したりして緻密極まりない伏線を確認してからジワジワと感心した感じ。
    細かすぎるとも思える伏線には、作者の遊び心も感じました。

  • 必ず二度読みたくなると言われて読んでみたが最後の二行のために平凡な恋愛小説を読むのは大変だった。

  • 某鑑定士の映画を見た時並の衝撃。これは2度読み返さざるをえない。

  • この作品は目的のはっきりした小説です。叙述トリックのためだけに存在している小説です。叙述トリックを使う目的はありません。ただ使いたかったから使う、非常にあっさりした考え方です。
    この小説は叙述トリックのみしか旨みがありません。そもそも叙述トリック自体にも旨みがありません。叙述トリックを使ったことによって、読者にもっと素晴らしいメッセージが伝わるとか、面白かった筋書きがより面白くなるとか、それが叙述トリックの旨みだと私は思います。しかしこの小説は、叙述トリックなしで読んだ時の筋書きが余りにも面白くなく、何も楽しくないんです。叙述トリックなしでは何も面白くない筋書きに叙述トリックを入れて、さあ面白いでしょうという小説です。
    初めて付き合った相手とは大体別れちゃったりして、これが通過儀礼ってヤツだよねっていう「イニシエーションラブ」というテーマ自体も、正直大きなお世話で、世の中には初めて付き合った相手と結婚して添い遂げる人間もたくさんいるだろうに、お粗末な考え方と言わざるを得ません。そのお粗末な考え方も共感できないまでも納得できるように描いてくれれば良いのですが、テーマの掘り下げについてはノータッチでしたので、反応に困りました。

  • 「最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。」

    このキャッチフレーズ。

    たったこれだけ。でもこれ以上にこの物語を正確に表現できる言葉があるだろうか。

    読後の今なら自信を持って言える。

    これは殺し文句だ、と。

    まんまとやられた。

    本当に、まんまと、ね。

    時系列をごっちゃにした物語は好きだ。
    でもそれは、読んでいる最中で気づきながら読んでいるからこそ面白かったりする。
    ああ、こっちが先にきて、今過去に戻ったのか、なるほどなるほど……って具合。
    だけどこの物語は、本当に巧い。
    それに気づかせるのは最後の最後。そう、"最後の二行"。

    自分にどれだけミスリードがあったかを考えると(正確にいえば読者にミスリードをさせようと作者が意図的に文章を書いているわけだけど)巧みな構成に舌を巻くしかない。

    ちなみに、もちろんだけどからくりは時系列だけじゃない。
    最大のトリックは、……。

    ヒントはたくさん隠されていたのになあ。
    こんな小説もあるんだ、と感動。
    実際、異色の小説であると思う。

    普通に読んでれば、至って普通の、というかむしろ退屈な部類に入るであろう恋愛小説。
    だけど、最後の二行を読んで、トリックがわかった今は思う。
    作者は、わざと退屈な小説にしたんじゃないだろうか?って。
    退屈な恋愛小説だったからこそ、からくりが余計に面白く感じるのだろうし、今思い返してみれば節々に作者のたくさんの意図が隠されている小説だ。

    「必ず二度読みたくなるミステリー」。
    確かにもう一回読みたい。二度目は確実に視点が変わる。

    この本に関しては、自分の目で読んでみるのが一番だろうと思う。
    自分でこのトリックを体験するのが、一番。

    最後になってしまったけれど、本書は解説がかなり秀逸。

    考えすぎずに読むのが一番楽しめるんだろうなあ、この本は。

    とりあえず作者に賞賛の拍手を送りたい。

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イニシエーション・ラブ (文春文庫)の作品紹介

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説-と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

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