ええもんひとつ とびきり屋見立て帖 (文春文庫 や 38-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167735043

作品紹介・あらすじ

名代の茶道具屋の愛娘だったゆずは店の奉公人だった真之介と出奔、幕末の京都で道具屋「とびきり屋」を営んでいる。二人にわかるのは道具のことだけ。でもその「見立て」力で、龍馬や桂小五郎らと渡り合い、動乱の京を生き抜いていく。若い夫婦の成長を軸に、京商人の心意気を描いた大人気シリーズ第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • ゆずと真之介の若夫婦が営む、とびきり屋シリーズの第2弾。
    今作も幕末の志士たち、坂本龍馬に、新たに桂小五郎も登場する。新選組芹沢鴨も、相変わらず傍若無人に店に出入りする。
    そんなこんなも、ゆずの機知と真之介の才覚で何とか治め、商売はまずまずの繁盛。
    道具屋の商売柄、黒漆の香箱、仁清の香炉、李朝の徳利、唐物の茶壷、等々の骨董が絡んだ短編が5編。
    巻末には、ゆずと真之介の馴れ初めとなる話が掲載されている。
    ゆずの京ことばに癒されながら、次巻も。

  • 読み始め…16.7.10
    読み終わり…16.7.11

    とびきり屋見立て帖シリーズ2

    幕末の京の街で慎之介とゆず夫婦の営む道具屋「とびきり屋」の店には、幕末を揺るがす志士たちが相変わらず訪れます。

    坂本龍馬、桂小五郎、芹沢鴨...。
    史実で一般的に知られている人物の特徴がうまく現れていて、京都の街のほのぼのとした風景の中になんのことはないいつもの日常のように絡めて登場しているところがとてもユニークです。

    桂小五郎さんの事情はわかりますけどゆずさんそんなことしちゃって大丈夫?!....ひやひやものでした。芹沢さんはもうほんとに身勝手な人だし....。

    それからそうそ東の茶の家元の若宗匠。ゆずの父親はあんな息子のもとに嫁がせようとしていたなんてね。信じられません。とんだ見立て違いですよ〜。(笑)

  • 相変わらず ゆず の目利きは素晴らしい!やっぱり幼い頃から、ええもんに触れていると違うんだなぁ(^^)最近、お茶席に行って道具を一通り紹介してもらったけれどサッパリ…(--;)たまにはええもんに触れないとね(^^;)しかし芹沢鴨はむちゃくちゃだなぁ(゜゜;)それから若宗匠は昔からダメなやつだ(`ヘ´)真之介を選んで正解(^^)/

  • “はんなり系”なのに、そんなに倒幕運動に巻き込まれちゃダメ~!!
    ・・・と、ハラハラしました。
    芹沢鴨にカモにされてドタバタは、まだ笑える部分もあるけれど、古高のお手伝いなんかしたら、土方さんに捕まって拷問されてしまいます・・・
    坂本龍馬、ときたらお龍さんが出てきそうですが、桂さんと幾松さんが出てくるところがちょっと好み。

    『ええもんひとつ』は、日常の買い物を含め、生き方の参考にもなりますね。心に留めておきたい。

    それと、解説にもあったのですが、(わが国における)骨董の最大のコレクターは骨董屋・・・
    雉の香炉を「こないにええもん、ひと様に譲れますかいな」と自分の持ち物にしたゆずに、なんだか栞子さんが重なりました。

  • 全1卷。
    『千両花嫁―とびきり屋見立て帖』の続編。
    とびきり屋見立て帖シリーズ2作目。
    http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/4167735032

    幕末の京都で、
    新撰組や坂本龍馬ら有名どころを脇におき、
    「目利き」を武器に懸命に生きる
    道具屋若夫婦が主役の人情もの。

    前作一冊だけだと物足りなかったけど、
    改めて前作から通して読み返したら
    すごく好きになった。
    もっと読んでたい。

    ひとつひとつのエピソードもほっこりいい気分だけど、
    それより、全体を通して漂う「はんなり」な空気がすごく良い。
    とても火天の城など、男の世界を描いて来た著者とは思えない、
    女流作家みたいな優しさが心地よい。


    前作が直木賞にノミネートされて酷評されてたみたいだけど、
    このシリーズはそういうんじゃない気がする。
    そもそも、シリーズ物って長い間付き合ってくことで
    読者の中で特別に変化していくもんだと思う。
    1冊だけ読んでのどうのこうのはナンセンスじゃないかね。
    シリーズとして長く続いて、長くそばに居てほしい。
    でも、
    速くまとめて最後まで読みたいな。

  • 夜市の女
    お金のにおい
    花結び
    鶴と亀のゆくえ

  • いい題名ですね。
    巻末の馴れ初め話も連続ものとして続きに期待を持たせる。

  • ゆずと真之介の馴れ初めから自分の店を持つ事になった理由、その店での商いの基本となる考え方などが描かれた一冊。
    道具が10個あればその内の「ええもんひとつ」を手元に残し残りの9個で生計を立てる。
    いつもええもんを見て目を肥しておけばくだらない物を買って失敗することはないという部分に大いに納得させられた。
    願い事を言う前にお礼を述べるというゆずの習慣にもハッとさせられた。

  • 「ええもんひとつ」の考え方はいい。普段その逆の「安物買いの銭失い」で失敗しているだけに心にとめときたい

  • 連作短編6編
    幕末の京都の緊迫感が,どこかのんびりしたようなとびきり屋夫婦の雰囲気で包まれている.古道具の蘊蓄が面白い.

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著者プロフィール

歴史・時代小説作家。1956年京都生まれ。同志社大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーのライターとなる。88年「信長を撃つ」で作家デビュー。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞、2001年『火天の城』で松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞。

「2022年 『夫婦商売 時代小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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