ぬかるんでから (文春文庫)

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著者 : 佐藤哲也
  • 文藝春秋 (2007年8月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167739010

ぬかるんでから (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • この小説は感じる面白さじゃないか、と思います。ストーリーを楽しむのではなくて、空気感を楽しむ作品。ユーモアというか、コントのような雰囲気を強く感じました。何気ない日常生活に「アリとキリギリス」の何も言葉を発さないリアルキリギリスが出てきて、夏は黙々とヴァイオリンを弾き続けて、冬は食糧を集めるために、チェーンソーを担いだ殺人鬼になる。完全にふざけてます。僕は笑いました。

  • 荒唐無稽 夢日記のよう

  • 正直あまり面白くなかった。
    結局何が言いたいのかわからない。
    「お前がわからないだけだ」と言われればそれまでだが、読み進めるにつれて、どんどん煙に巻かれてる感じが強まった。「祖父帰る」とか、グロいって意味合いじゃなくて、きもちわるいし…
    また、語りべの男達が揃いも揃ってどこか気取っていて潔癖でなんか鼻についた…。
    よく出てくる「妻」にはまったく人間味がなくて、明らかに男性に比べて特殊性を与えられていて、幽霊とか魔女とかみたいだ、と思った。
    美しい言葉の選び方だなと思う箇所もあったけれど、くどい場所もあったし、読みづらかった。

  • なんですの?これ。チンプンカンプンと表裏一体の作風。同時に狂気とくだらなさを併せ持ち、異質な幻想世界へ誘う。SF、ファンタジー、ホラーと様々な要素が組み込まれた短編が13あるのだが、兎に角、話がブッ飛んでいる。シュールと一言で片付けるのもおこがましい。何でこうなるんだろう?何て考え始めたらこの作品はもう無理である。これは空気感で楽しむ本だ。まさにブルース・リーの"あの名言"の通り。解説の伊坂幸太郎氏がこの作品の一気読みは避けた方がいいと言うのも頷ける。個々が濃厚過ぎるから(笑)

  • 短篇集。個人的には後半の作品により迫力を感じた。前半を読んで「作為的すぎるかも」と感じた人も、ぜひ最後まで読み通してもらいたい作品集。 解説は伊坂幸太郎。曰く、佐藤哲也は「小説ならではの喜び」を感じさせるという。そう、確かに比喩としか感じられないものを現実なのだとして押し通す、ラテンアメリカ文学風の迫力が佐藤哲也にはある。 なお解説に「この短編集を一気に読み通すようなことはしないほうがいいかもしれない」と述べる。確かに濃密すぎるこの世界は、じっくりと、本気で味わうべきものであるようにも思う。

  • この本はちょっと怖くって、台風の日に読むには適しているんだと思う。僕はやもりのかばが好き。

  • 【本の内容】
    「これは奇跡に関する物語だ。」―洪水に苦しむ人々を救うため、愛する妻が“亡者”と交わした取引とは?

    鮮烈な余韻を残す表題作ほか、謎の圧死をとげた伯父の家での不思議な邂逅を描く「やもりのかば」、裏の空き地で少年が体験する不条理「夏の軍隊」など、美しく奇想天外な13の物語。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    「これは奇跡に関する物語だ」

    これは書き出しの一文ですが、非常にインパクトがありました。

    「奇跡」と言う言葉を真正面から書いてしまう潔さに驚きました。

    「奇跡」とはなんだ?と考えてしまいます。

    自然の法則を超えて起きる現象は、それを信じる人にとっては希望でもあります。

    表題作の「ぬかるんでから」では、主人公とその妻たちの住む土地一帯が突如ぬかるみに変わります。

    食物を作ることもできず、飲み水もない。

    飢えに苦しみ争いは絶えず、「持つもの」と「持たざるもの」は共存派と私有派にわかれます。

    そこへ、亡者が現れ望みをかなえてくれるという。

    「食べ物が欲しいのであれば、お前の美しい歯を」よこせと要求されれば与え、妻は人々に代わり取引を交わします。

    共存を支持した人々は、二人のやり取りを見守ります。

    「持たざるもの」たちの要求はエスカレートし、妻の美しい片目や指も亡者に献上される。

    ついに彼らは妻を踏み台に「持てるもの」へと立場を変え、旅立っていく。

    不条理の世界独特の徒労感がここにはあります。

    「奇跡」という言葉に含まれる明るい希望のようなものが、煮詰まって鈍く光っている。

    読んだあとに不意に襲ってくるじわじわとした恐怖と苦い後味にハマってしまいました。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 何かの比喩かなぁ?とか色々考えながら読んでたから疲れた。 表題作の『ぬかるんでから』はダークな童話みたいで好き。『夏の軍隊』は何と無く微笑ましくて好き。『やもりのかば』はオバQとかを想像した。 多くの作品の所々で『ごっつええ感じ』とか『VISUALBUM』のコントを思い出した。誰でも笑える方やなくて、キャシィ塚本みたいなイタイ方のコント。『巨人』『墓地中の道』は比較的ベタで、『祖父帰る』『おしとんぼ』はイタイ方のコント。  表紙が大友克洋で、解説が伊坂幸太郎。

  • ぬかるんでから / 初出 『日本SFの大逆襲!』 徳間書店 (1994.11)
    春の訪れ / 初出 S-Fマガジン 1996年9月号
    とかげまいり / 初出 小説すばる 1994年12月号
    記念樹 / 初出 小説すばる 1996年9月号
    無聊の猿 / 初出 小説すばる 1995年8月号
    やもりのかば / 初出 小説すばる 1994年8月号
    巨人 / 初出 小説すばる 1995年7月号
    墓地中の道 / 初出 小説すばる 1995年11月号
    きりぎりす / 初出 小説すばる 1995年2月号
    おしとんぼ / 初出 小説すばる 1994年7月号
    祖父帰る / 初出 小説すばる 1995年4月号
    つぼ / 初出 小説すばる 1995年12月号
    夏の軍隊 / 未発表
    解説 (伊坂幸太郎)

    『ぬかるんでから』 2001.5 文藝春秋刊 文庫化

    装画 大友克洋
    装丁 鶴丈二
    印刷 大日本印刷
    製本 加藤製本

  • ホラーというよりは幻想譚という感じの短編集。悪夢っぽいというか、夢一夜的な不条理さがあり。いちばん印象に残ったのはキリギリス。人間と同じ大きさで2本足で立ってチェーンソーで殺戮をするキリギリスって、怖すぎる…。あとヤモリとカバの混血とか、羽の生えた猿だとか、なんかそういう変な生き物のインパクトがやたらと残りました。

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