カラフル (文春文庫)

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著者 : 森絵都
  • 文藝春秋 (2007年9月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167741013

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カラフル (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • ⚪︎リズム、テンポが良く非常に読むやすい。ページ数も多くなく、集中して読めば数時間で読破出来るだろう。軽いどんでん返しもある。

    ⚪︎天使が出過ぎず、主人公を助けすぎないのがいい。あくまでガイド役として見守るだけ。これにより基本的には主人公が1人で苦難を乗り越えていくことになる。

    ⚪︎会話の間を作るのがうまい。文章なのに会話の時のリズムがよく見える。例えば真と父の釣りのシーンで弁当食べながら話す時、2人の会話の間に もぐもぐ などの擬音が入っている。これにより2人の微妙な距離感が伝わってくる。

    ⚪︎登場人物全員に光と闇の部分があるのが面白い。一概に良い人、悪い人と呼べる人が1人も登場しない。人は誰しも明るい部分と暗い部分を持っていて、それはまた見方によっても良し悪しが変わる、そんなことを思わせてくれる。

    ⚪︎生きる希望を与えてくれる後味のいい話だった。終盤のぷらぷらのセリフの、人生を長いホームステイだと思えば気が楽になる、みたいな台詞にはすごく心に響いた。自分もそう思えば真のように大胆に、そして心の思うままに自由に生きられると思った。

  • 今一番問題になっている事柄を捉えた作品だと思います。生きることに辛さを感じている人、『死』を描いたことがある人、読んでみてください。きっとあなたにも未来があります。『死』だけが手段じゃない。そう教えてくれる作品でした。若い人にはもちろん、たくさんの人に読んでほしいです。どうかたくさんの人がこの本に出会えますように。

  • アイデンティティを確立することが発達の観点からは求められるが、この小説はそのことに疑問を投げかける。


    私たちは「自分自身はこういう人間だ」と自分を過度に規定してしまい、それゆえに、その中で苦しんでいることがあるのではないだろうか。
    同時に、他人に対しても「こういう人」とイメージを持っているがために誤解をしていることもあるのではないだろうか。

    人は皆、自分の中にいろいろな「色(=自分の一側面)」を持っていて、それをTPOや相手に応じて変えている。
    そういう意味では「本当の自分の色(=確固たるアイデンティティ)」などないのかもしれない。
    そうであるなら、自分がなれる色を増やしていくことが生きるということなのかもしれない。

    自殺は取り返しがつかないということを押し付けがましくなく描いている点も好評価。

  • 「この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。」


    わたしは少し前から、具体的には大学院に入学した頃から
    接する人によって態度を変える自分が不思議で気持ち悪かった。
    本当の自分がわからなくなって、苦しかった。

    そんなわたしの背中を押してくれるようなお話でした。
    人間は矛盾を抱えながら、いつも迷いながら、それでも生きていく。


    いちばん印象に残っているのは最後の方のひろかのことば。

    「三日にいちどはエッチしたいけど、一週間にいちどは尼寺に入りたくなるの。十日にいちどは新しい服を買って、二十日にいちどはアクセサリーもほしい。牛肉は毎日食べたいし、ほんとは長生きしたいけど、一日おきに死にたくなるの。ひろか、ほんとにへんじゃない?」

    中学生がこんなこと言うのは驚愕だけど。
    23歳のわたしは、こうゆう矛盾には納得。

  • あなたは決して一人じゃない―。
    この小説が云いたいのは、それだけ。
    そのことを伝えるためには、どういう物語をこしらえればいいのだろう。
    作家は考えます。
    何千何万…いや、そんなものではきかないくらい無数の選択肢の中から、たとえていえば海の砂粒の中から正しい砂粒を一粒摘み上げるようなものです。
    森絵都さんは、この作品で見事にそれをやってのけたのだと思います。
    正直に云うと、冒頭から天使が出てくる設定には戸惑いました。
    どちらかというと、苦手なタイプの小説です。
    ただ、29ページくらい読んだところで慣れました。
    126ページくらい読んだころには、すっかり夢中になりました。
    189ページ目で、もう止まらなくなりました。
    続きが気になって、結局、徹夜で読みました。
    自殺した主人公の真と、真に気を使う家族、それに癖のあるクラスメートたちによって織り成す物語は、初めはどちらかと云うと暗い色彩です。
    ただ、読めば読むほど、書名の通り、色合いが鮮やかになって来ます。
    その手並みが、実に見事というほかありません。
    あなたは決して一人じゃない―。
    こうして書くと、手垢がべったべたに付いていて実に陳腐です。
    日めくりカレンダーにでも書いてありそうです。
    SNSでもたびたび見かけ、そのたびに何というか、げんなりと脱力します。
    ああ、そうですね、そうですね、はいはい、おっしゃる通り。
    てなもんです。
    でも、本作を読んだ私は、声を大にして云いたい。
    あなたは決して一人じゃない―と。

  • 児童文学作家という肩書きから"子供向けなのかな?"と思いつつ、読んでみたら、涙腺がゆるみそうになった。

    「あばよ、しぶとく生きろ」

    ベタで普段は口に出すのも少し恥ずかしい、こんな言葉をすんなり受け入れることが出来たのは、ひとえにこの小説の素晴らしさからくるものです。

  • 読み始め…17.5.22
    読み終わり…17.5.24

    生きていくうえでこの世にたった一つしかない命。
    そのたった一つしかない命を失ってしまったら...
    決して取り戻すことなどできません。

    命を絶つことを考えるほど追い詰められた人が、その命を絶ってしまう前に
    自分で自分自身を見つめなおして、身近にあっても気づかなかった大切なものを知り
    生き続けていくということには意味あることと気づくことができたなら...

    人生にはいろんな色がある。
    その色は時の流れとともに違った色に変っていく。
    たとえ今は暗い色だとしても長く生きていればカラフルに...

    どれだけの人にできるだろうかわからないけれど
    少しでも多くの人の心に届いてくれたら嬉しい。
    命を絶つ前に。今を生きるすべての人に。

  • 自分の環境をホームステイだと思う考え方というのは、大袈裟ですが生きるヒントになったような気がします。

  • カラフル大好きです。最後のシーン好きですし、真のセリフも印象的です。

  • 目をひく黄色が表紙の「カラフル」を読みました。自殺を試みた少年の体に入り込んだ「僕」の魂。天使曰くこれは期限付きの「ホームステイ」のようなものだとのこと。

    少年の家族と接し日常を送る過程で、今まで気づかなかったことが見えてきます。自殺を試みる前に少年がこれを知っていたなら、、、。

    人は皆パーフェクトじゃなく、何かしらの問題を抱えて生きている。ダメな部分もそれはそれで愛おしいかも。そう思わせる小説でした。

  • 感動した。
    ホームステイ先だと思って生きたいなあ。

  • アニメ化した時に友人から誘われたが、断ったことを思い出し、書店で手に取った。
    かなり今更。ネタバレを含んでしまいました。

    良くも悪くも読みやすすぎて、児童書みたいだなーと思ったら、森絵都さんはほんとに児童書出身だそうで。

    天使の登場とか、まんがのような台詞回しとか、物語のかなり序盤で「これは、もしかして」と気づいてしまった点とか、何度か挫折しそうになったけど、中3の「ぼく」の一人称で語られるのでスラスラ読めてしまい、何度か泣いてしまった。
    感受性の強かった昔の自分を思い出した。
    14歳の脆さたるや。

    私は青年よりは中年寄りだけど、私にもこんな思春期があったし、そんな時代に読んだ児童書で胸が高揚したり、落涙したり、微笑んだりした。
    そういうのを思い出して、懐かしくなって、できれば私も自殺して当選して、挑戦してみたい…と思うには年齢的に遅すぎか。

    出てくる女の子、二人とも苦手で、そこはすごく読みにくかった。イライラした。
    特にひろかは理解できない。思春期の情緒不安定を考慮しても無理だし、容姿もなんか苦手な感じだった。口調もウザイ。いや、むしろ口調がうざい。「ひろかは、ひろかは」うるさかった。
    このくらいの年齢の子供がいてもおかしくない私の、心の狭さかな…と思う。

    嫌なことが重なって、精神的に弱ってたところだったから、軽い気持ちで死んだ。
    自殺する時なんて、そんなものなのかもしれない。もっとひどい目にあってても生きてる人はいるけど、心の強度は人それぞれ。
    知人が若くして自殺しているので、そこは分からなくもなかった。

    個人的に、満が真の自殺について吐露したシーンで一番泣いた。
    自殺する前の真が、どんな口調で満に接していたのか気になったけど。

    評価が難しく、悩んだ。
    児童書としての扱いなら、満点だったかも。

  • 一言で言えば、人生のエールをくれる物語です。
    当たり前だけど、人間は生きていれば大人だってうまくいかない時は悩んだり苦しんだり、他人には分からない苦労や傷を背負って生きています。真面目に一生懸命に生きようと頑張る人ほど、時には自分を追い込んでしまうと思います。
    物語は、思春期真っ只中の小林真とそのまわりの家族・友人に焦点を当てています。一読すると思春期に向けたエールに思えますが、年齢なんて関係なく、度々訪れるであろう人生の辛い時々に、そっと手を差し伸べてくれる物語です。
    大人になった今でも響く内容と共感できる言葉が多く、救われる思いがします。何かに悩んだり迷ったり人生の辛い時程『面白い!』と感じられる作品であると思います。

  • 人生は辛いことも楽しいこともある。辛いことが重なったとき、第三者として、その体にホームステイしているつもりで生活することにより、楽に生きられるかもしれないな、と感じた。数十年、体にホームステイして、色々なことに挑戦する。自分で自分を縛らず、自由に動けることは、人生を楽しいものにするために大切なことだなと思った。
    また、人生の中で、誤解は多くある。しかし、事実は自分の解釈とは異なっている場合もある。真は誤解したまま一度は早まって自分の人生を自分で絶ってしまったけれど、相手にぶつかって真実を知ることで、その必要もなくなる。
    生き方について改めて考えさせられた。
    真とプラプラの面白いやり取りが、話を軽快な印象にしていて、読みやすかった。

  • 人に薦められた本を読む第2冊目
    同期に薦められた本を購入。同小説のアニメ映画を見たい見たいと思っていたものの見られず終いだったので丁度良かった。前世で罪を犯した魂が、もう一度チャンスを得るために自殺した少年の体に「ホームステイ」をし、もう一度「生き直す」話。その過程で人の優しさと生きる喜びに気付く主人公。言葉にすると陳腐だが、押し付けがましくなくサッパリと読める。心理描写も特になかったので小説である必要もあまりないのかも。

  • すごくよかった。少し泣けた。
    お母さんの気持ちがよくわかる。自分が平凡だったから、才能ある子どもに期待してしまうっていう気持ち。
    普通ってなんだろう?平凡と非凡どっちが幸せなのか?
    世の中はとてもカラフルでとても難しい。
    このタイトル「カラフル」がこんなに意味深いものとは思わなかった

  • 「高校生が選んだ読みたい文庫NO.1」との帯。
    買ってから気づき、高校生とは嘘でも通らない齢で手にするのは気が引けた。
    とはいえもう手元にあるので、と読み始めた。

    確かに、学生時代を今生きている若者にすすめたい。

    中学から高校ぐらいって、いろんなことがちょっとずつわかってきて、そのことで怖くなったり、簡単に絶望したり、大人が意外に立派ではないことにショックを覚えたり、そんな年頃だと思う。

    毎日が苦しいと感じたら、肩の力を抜いて
    「今日と明日はぜんぜんちがう。明日っていうのは今日の続きじゃないんだ」
    そんな違う1日を生きてみてほしい。

    生き辛い日々を送っている少年少女たちを応援したくなる、そんな一冊。

  • マンガのようなストーリー。

    ボクは伏線やトリックや犯人に気づかないことが多いという、
    作者冥利に尽きる存在と自負しているけれど、さすがにコレは分かった。
    よし!

    内容はとても良かった。素直に感動した。
    兄の本心が分かる掛け合いの場面はグッと来たなー。

    いつのまにか当たり前になって麻痺して気づかなくなって、
    日常に忙殺されて見過ごしてしまっているんだと思うけれど、
    本書が語るように世界は様々な音や色に溢れてる。

    混沌と感じるのか、カラフルと感じるのか。
    それは結局自分次第なんだね。

  • 読むの3回目。不器用な家族の真への愛情に泣けた。そして毎回、勇気をもらう。好きな本の一冊。

  • 一気に読みました。
    罪を犯した魂が、他の人の体にホームステイして
    自分の罪を償って輪廻にもどるというお話。

    学生向けかなだと思うれど、楽しめた。

    他人(家族も含めて)を理解するって
    難しいことなんだと改めて思いました。

    人と腹割って話し合うって重要なことなんだな~
    と学びました。

  • 天使の抽選に当たり、現世で修行をすることになった僕。
    天使の名前がとても良い。プラプラ。

    自殺を図った中学3年生、小林真の体を奪った僕。

    この設定はお見事!

    やられたって感じ。

  • ひろかの「三日に一度は・・・」(p187)というセリフがとても好き。矛盾したいくつもの感情を、ほとんど同時に抱くこと。誰にだってあることだし、狂ってなんかない!と、誰かに教えてほしかった。誰かに肯定してほしかった。そんな風に悩んでいた、思春期の自分に送りたい本。
    今の自分には★★★だけど、読むべきときに読んでいたら★★★★。

  • 中学三年生のとき、ろくに本を読む習慣のなかった私が手に取った本。
    あまりの面白さに笑い、泣きながら読んだあれはまさにめくるめく「読書体験」でした。
    『カラフル』を真と同じ歳のときに読む事ができて、本当に良かったと思っています。
    そして社会人になった今、文庫版を再読。当時は目に留めなかった母親の「非凡を求める平凡さ」が、不思議と胸に残ります。
    ああ、確かにあの頃の私は自分を「特別」と思っていて、けれど今は自分にしかない「何か」を追い求めているのだろうか。
    そして、本当にプラプラに会ってみたい。最後のプラプラが素の口調に戻るシーンが大好きです。
     
    読むと何度でも背中を押される。私の、宝物です。
    文庫版では阿川佐和子さんの解説で森さんのお人柄を窺い知る事ができて、それもまた嬉しい。

  • アニメを見てから原作を読みました。アニメで内容は知っていたけど、真の変化が私は好きです!

  • この本を読みはじめてすぐ、結末が解ってしまう人は少なくないはず。
    でもこの本はそれでいいのだと思います。
    そこにたどり着くまでの過程を、自分の周りに置き換えてみたりして、主人公に感情移入したりして楽しむ本なんだと思います。
    日常の喜びを教えてくれる作品です。

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生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。

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