風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)

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著者 : 森絵都
  • 文藝春秋 (2009年4月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167741037

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風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • とても面白かった。
    すべての物語が大切なもののために。余韻がとても心地よく短編集ながら何度も読み返しながら読み終えました。
    人物描写がとてもよく、何処に落ち着くのかよくわからずに読み進めていくうちに、見事に期待を裏切るところに終着してほんとに読後感がよい物語でしたね。
    守護神と風に舞い上がるビニールシートが特に好きでしたね。

  • 短編という理由だけで、読み始めたけれど、不覚にも二度泣いてしまうというね。
    どれも、すごく心に残る話で。雰囲気も全然違うし、共通点はないんだけど、それでもまた読んでみたいと思える、主人公がいとおしくなる話ばかりでした。

    まずは犬の散歩。
    自分も犬を飼っているからこそ、泣けるというのもある。
    でも水商売の導入から、犬のボランティアという振り幅の広さには驚いたなぁ。

    もし私が客でも、興味を持つと思うわ。
    犬の話にしても、かわいそうでは済まされない世界がそこにあって。きっともっとグロテスクに書こうとすれば書けるけど、そうではなくて、この方向にもっていったのが、私としては余計に切なくて、でもうれしい最後だった。
    主人公の気持ちが痛いほど伝わって、一緒に泣いてしまう。

    そして、辛いという意味で、表題作でもある話。
    夫婦という形における幸せ。
    それぞれが抱える過去。

    主人公の最後の方のセリフで、人間があたたかいと感じながら最後を迎えられたことがよかったと泣くところ。
    私もそこで、涙。

    彼女との接触も、人のぬくもりもどこかで拒否してきたからこそ、最後の最後の死に方が、悲惨な状況であれ、救われたことに感動。

    ジェネレーションXも好きな話だったけどね。
    さすがに泣いてはないけど。

  • 先日読んだ著者の塾の話が面白かったので、 もう一冊読んでみました。
    直木賞受賞作品です。

    長編が面白かったのに本作品は短編集だったので、どうかなあ?と少々不安でしたが、予想以上にとても面白かったです!
    短編も長編も両方ぴったりの分量で描けるのってすごいと思う。
    深く掘り下げられにくく、あっさり終わってしまう短編は好みではないのだけど、本作は短編なのに読み応え十分。感動しました。

    例えば表題作のビニールシートは、難民の、どこかに飛んで行ってしまう命を表しています。
    愛し合って結婚しながら、難民のためにすべてを捧げる夫と、夫を理解しようとすることに疲れてしまった妻の物語。
    ラストシーンで彼の価値観が彼女の価値観にかわる瞬間がとてもいいです。涙が溢れました。。

    他にもボランティアで犬の保護をする主婦、大学で学ぶフリーターの男性の話など、扱うテーマは多岐にわたりますが、それぞれについてよく調べてあることにも驚きます。
    それだけでなく、例えば仏像修復師の話「鐘の音」なんて、鬼気迫る心理描写に圧倒されました。すごいよ。
    とにかく、人生に向き合い、信念を持って生きている人を描くところは各短編に共通していて、さわやかな気持ちで前向きになれる読後感でした。

  • 主人公たちは、どこか傲慢で自己中心的で、こだわりが強すぎて、自分で生きづらくしているような人たちばかり。
    一番好きな作品は「守護神」。こうくるかと予想を裏切る展開で、嫌なやつだと思っていた主人公がうまく乗り切ってくれることを願う。
    作った感のある結末の話が多く、素直に楽しめなかった。

  • 6つの短編。どれも趣向が違って私に合うものと難しかったのとあったけど全て読み終えて読後感はどれも不思議とよかった。森絵都さんの他の作品も読みたくなった。

  • それぞれに頑とした大切なものがあって、そのために懸命に生きる様子に勇気をもらえる
    不器用でも、大切にしたいものをしっかり持っていれば真っ直ぐに生きていけるのかも

  • 上司と彼氏の間で揺れるパティシエ女子、器を探して。ボランティアで犬を飼いながらスナックでバイトする、犬の散歩。要領の悪い文学青年とレポート代筆を請け負う女子大生を描く、守護神。仏像修復師の話、鐘の音。仕事の謝罪に行く年の離れた2人の車内での交流、ジェネレーションX。国連難民高等弁務官事務所に勤務するエドと里佳の話、風に舞い上がるビニールシート。計6編の短編集。いずれも深掘りであり、作家の知識、取材力には脱帽する。いずれも登場人物が真剣、励みになる。タイトルがよい。

  • 短編集、どの話も中盤中だるみしてしまうが終わり方が良い。
    十人十色の人生の中で、種類は違えど少なからず誰かと生きることで誰もが経験する痛みと人から得るあたたかさ。
    小さなことでも大事な人生の糧みたいなものが表現されていた。

    表題作はやはり良い作品でした。

  • 短篇集。
    どの人もどの人も、自分の置かれた環境・立場で懸命に日常を生きていて、ぶつかったり凹んだり喜んだりしている姿がとても魅力的。
    やっぱり表題作にはぐっとくるけど、私は犬の話が好きです。ビビ、幸せになれよ!

  • 短編集。それぞれが大切な何かを抱きながら日々を積み重ねていく様子を描く。展開は派手ではないけど、主人公達の設定がなかなか珍しくて面白いと思うし、心情の描写が丁寧で細やか。最後の解説で、藤田さんという方が“彼女の文章には読者が思わずハッと呼吸を止めてしまうような瞬間がいつくも潜んでいる”と評しているけど、まさに。改めて思い知らされるような、何故か泣きたくなるような、大切にしたくなるような、そんな文章を書くすごい人だと思う。
    そして、森絵都さんの作風は本当に幅広くて様々で驚く。『DIVE!』みたいな、爽やかキラキラした熱い小説を書くかと思えば、『ショートトリップ』のような摩訶不思議な世界をえがいたりもするんだもんなあ、
    この本でまた新しい面を知ったような感じ。

  • 第135回直木賞受賞作。表題作を含む6編の短編集。

  • ほかの短編もよかったとは思うけど、「風に舞いあがるビニールシート」を読み終えた途端、ほかが一切思い出せなかった。それくらいのインパクト。
    もう少し長く書いてもらいたかったけど・・・それがまたいいいのかな。

  • どれも深く共感できる登場人物ばかり。

  • 短い物語6個が収録された本書。
    2006年に直木賞を受賞しているそうです。

    いづれも主人公が自身の本当のしたいことや
    目的を探すための葛藤や行動を描写した作品。

    表題の「風に舞いあがるビニールシート」は
    難民問題という難しいテーマを軸に話が展開されており、
    描写展開が一番面白い作品だったと思います。

    どの話もつながりはなく、テーマが全然異なっているはずなのですが、
    読み終えるとある種のモヤモヤ感と清々しさが得られる?ものとなっています。
    他の作品も読んでみようと思わせてくれる作品です。

  • 「ジェネレーションX」がよかったな。

  • 6つの短編集。
    主人公たちはそれぞれの状況で精一杯生きてる。
    印象に残ったのは守護神と表題の2作。
    守護神は、そういった視点があるなんて考えてもみなくて目から鱗だった。
    表題作は、なんと言っていいのか…。
    知ることが辛い事実もあるけれど主人公が前に進むきっかけになってよかった。

  • いつだったかNHKのドラマで1話だけ見て大いに気に入ってしまい、原作を見かけるや即座に購入。フタを開け、もとい表紙をめくってみたら短編集でした。で、直木賞受賞作だったんですね。後で知りました。なんか順番間違っているなあ(苦笑)。

    あと、こんなにセックスセックス連発する話だとも思っていませんでした。まあ、それも大いに間違った感想ですね。

    さて、所収された短編は全部で6つ。ええ、なんというか、人生いろいろですね。X'masを棒に振って片田舎をさ迷うのも、仏に一心に身を捧げるのも、皆それぞれの懸命な人生です。描かれる世界は様々ですが、誰かのために生き、前向きな未来を見出すという通奏低音は一貫していて、こちらまで温かな気分に浸ることが出来ました。

    個人的に目を引いたのは「守護神」。キャラクターの強烈な個性、思いもよらない展開、さりげなさ過ぎる伏線と鮮やかなオチ。先が気になって読み進めるのが楽しくて仕方が無い、という作品に出会える事は幸せの極致です。

    そして表題作。重いです。しかし重いからこそ、クライマックス部では大いに心を揺さぶられました。うっかり通勤電車の中で泣く所でした。この感覚、久し振りです。いやはや、危なかった。

    作品の背景や地名施設名の細かさ正確さも特筆すべきかと思います。丹念に準備された、入魂の一作。必読、と声を大にして言い切るほかありません。

  • (16.08.02)

    奥深い。ことばに重みがあって、短編なのに、一つ一つの作品がずっしりしている。

  • 以前仏像修復師や武装解除NGO職員の本を読んでいたので、この短編集は「実感」を持って読めた。他にも少し外れた状況の気持ちの良い生き方に共感して読めた。

  • 短編集。
    つい、自分の人生とリンクする部分を探してしまう。
    でも、人生いろいろだ。

  • 犬に大学生活、仏像、難民救済など、舞台は幅広く、それぞれ向き合い方も話のトーンもさまざま。
    けれどどれも半端さがない。
    一生懸命な姿というのは、人を近づけもし遠ざけもするけれど、私などにはまっすぐに向き合えるものがあるというそれだけでちょっとうらやましい。

    「ジェネレーションX」の心地よい軽さがよかった。
    複数を相手にした人の電話に耳を傾ける、という取り散らかりそうな話がそうならないところにさすがはプロ!と思ったのだけど、当たり前かしら?(笑)

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風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)の作品紹介

才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。自分だけの価値観を守り、お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編。あたたかくて力強い、第135回直木賞受賞作。

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