少し変わった子あります (文春文庫)

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著者 : 森博嗣
  • 文藝春秋 (2009年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167743024

少し変わった子あります (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 行く度に場所が変わり、一緒に食事をしてくれる女性も変わる。
    この不思議なシステム、毎回先が読めずドキドキするのかと思うと病みつきになりそう。
    けど、けどさ、なぜかずーっと永遠に通い続けられるわけでもなさそうなんだよね。
    最終的にはどうなっているの? という疑問が残るところも魅力だな。

  • 久々の森博嗣先生作品。
    結構哲学書的という声が多いようですが、確かに唸る。
    そしてなかなか怖いです。
    最後まで読み終えるまでは1話完結の話のような感触
    なのですが、最後まで読んで怖くなる。

    怖いのは、○○が消えたの?ではなくて、
    どこからが○○かがわからないから。
    わからないのは、物語の中で「孤独」についても触れられてますが
    名前を呼ばれる相手がいないと「孤独」も「自己」も
    認識できないんですよね。
    私を「誰」と言ってくれて初めて成り立つ。
    相手を呼び合うことの大切さが改めて身に染みました…

    正直本として面白いかというとう~ん、ですが、
    考えさせられます。

  • 物語の最後は、ミステリーぽい終わり方でしたので、
    そういえば、この方ミステリー作家だったなと思いました。
    私は、森さんのミステリー作品は1冊も読んだことがありません。
    主に、新書系を読んでいます。
    今回、初めて小説を読みました。

    「優美な孤独」という著者の世界観が表れていると感じました。名前の無い、営業場所も毎回変わる不思議なお店で、その場限りで一緒に一人の女性と食事をする。底でされる会は自体に、深い人生観や説得性があるわけではありません。どの女性たちも上品に食事ができる控えめな若い女性です。底だ少し、甘美な感じもしますが、そういった側面からの思考はなく、むしろそこで交わされるたわいもない浜氏と、店のごく徳の市区てむと奇妙な環境が、主人公の小山教授を、孤独という深遠な世界へその思考を導いていったようです。彼にこの店を紹介した友人も、また彼自身も行方が分からなくなります。解説にも書いてありましたが、ちょっと、宮澤賢治の注文の多い料理店を思い出させますが、でもきっと彼らは、もっと優美な孤独を求めて、自分だけの居場所を見つけに出かけたんだと思います。文章も”思考する”過程が結構表現されていて、改めて、人は、ここまで、このように考えることもできるんだな~あと感心しました。
    著者の新書系の文章を読んでも同様のことを感じます。

  • タイトルを見て衝動買いした本。若い女性が添い寝ならぬ添い食事をしてくれる料理屋に主人公である大学教授がはまり、足繁くその店へ通う話。全八編で女性が毎回変わる。女性はあくまでも上品に物静かに料理を食む。交わす言葉は厳選して最小とするのがこの店の暗黙ルール。読了後にこれほど登場人物の印象が残らない小説もめずらしい。それは著者による意図的な構成によるものなのだろう。この時代は何事にも論理的に合理的に意味付けしようとするけれども、この小説が描く無意味な優雅さは心を満たしてくれる。おすすめ。いっしょに食事をしてくれる女性のイメージは壇蜜だった。

  • 『説明的な情報によって、その人間の味わいが変わるだろうか。それが、人の本当の価値だろうか。そういった情報に、普段どれだけ私たちは惑わされているのだろう。』

    別冊文藝春秋で短期連載されていたショートストーリーを集めた短編集なのだが、全体としても起承転結がしっかりとしていて(はっきりとではない)、非常に完成度が高い。

    扱っているテーマは、いわゆるコミュニケーション。細部と大枠という二つの観点から、コミュニケーションの持つ二つの属性を表現し、森氏お得意の孤独と自由の極値点に繋げている。著者の主張自体も然ることながら、それを小説として表現する態様が、とにかく自分の好みに合致した。細部に関しては、溜め息が出るほど美麗であり、大枠に関しては、しゃっくりが止まるほど大胆。当該論点における平均的な着地点からすれば、風刺の部類に入るはずなのに、レジスタント臭がしない。かといって、隠喩的でも厭世的でもない。まさに絶妙。

    もう、脳みそがツルツルなくせに、オウムの如く「大事なのはコミュ力だ」とか連呼しているような輩は、この本を読んでから野に帰って頂きたい。

  • はしの持ち方を直さなければと思いました。

  • お互いに個人のデータを交換することで、人間関係が築かれる、とお考えでしょうか?

    魔法瓶の中に入れられた自分を想像することができる。魔法瓶の内側は鏡のように中身をゆがめて映しだすだろう。だが、歪んでいるのは現実の方かもしれないではないか。どちらが正しい姿なのか判断ができない状態、すなわち単一の視点。それが孤独というものの中心である。その中心からはどちらをみても、歪んだ自分しかみえない。

    孤独を感じるためには孤独ではない状況を知らなければならない

    すべての原因は、きまって自分自身にある。偶然や他人の干渉によってもたらされた不幸など、天災と同じで、反発こそすれ落ち込むような事態には至らない。自分の思い込み、思い上がり、思い違いに発した不運こそが、重くそして灰色にいつまでも存在しつづけるのである。

    緊張している様子である。これも非常に好感がもてる。馴れ馴れしいのが、私は嫌いだ。どういうわけか、馴れ馴れしく親しげに振舞うことが、人情味あふれる温かさであると勘違いしている向きが世の中に多い。そうした安っぽい礼儀をコンビニ感覚で押し付けられるのである。

  • もともとすっきりしない話は好きじゃないけど、文章は好きだったので★二つ
    失踪事件は解決しないし、なぜ小山先生が消えたのかよくわかんないし、微妙な感じ
    多分最後の磯部先生も通っちゃって失踪するんだろうなって思うけど

  • 毎回異なる場所で、2人分の代金を払って見知らぬ女性と向き合って食べる。
    自分語り、愚痴、沈黙。毎回異なる女性はいつも違うタイプだが、不思議と私は満足感を得て帰宅する。
    哲学的な本。

  • 森博嗣氏の視点と思考が好き。
    しかし不思議感漂う本作、なかなか手に取ろうとしなかったのだが。
    うん、モヤモヤ。
    女将や相席してくれる女子の素性とか、お店運営とか色々想像し放題。
    全く何も明かされず、皆どこにいってしまったんだ。。
    これは所謂『世にも奇妙な物語』デスヨ。

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少し変わった子あります (文春文庫)の作品紹介

失踪した後輩が通っていたお店は、毎回訪れるたびに場所がかわり、違った女性が相伴してくれる、いっぷう変わったレストラン。都会の片隅で心地よい孤独に浸りながら、そこで出会った"少し変わった子"に私は惹かれていくのだが…。人気ミステリィ作家・森博嗣がおくる甘美な幻想。著者の新境地をひらいた一冊。

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