少し変わった子あります (文春文庫 も 22-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167743024

感想・レビュー・書評

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  • 新書と小説と間みたいな文章 不思議

  • 森博嗣先生の本は、すべてがFになるしか読んだことがなく、
    この本はたまたま、図書館の本日返却のところへあった。

    森博嗣先生は、推理系のイメージしかなかったので、
    題にも惹かれ、この本を借りてみた。


    不思議な話
    ある教授が、毎回お店場所が変わる場所に、
    毎回違う女の子とただごはんを食べる話なのです。
    このお話で、確か、だいたい全ての女の子に共通していたことは、
    ごはんを食べる姿が見とれるほど、美しい事なのです。
    この本読んでて、お行儀よく食べる事とか気をつけなきゃな、
    手、指、綺麗になりたいなぁってついつい思ってしまうくらい、
    それがまた文章から美しさがとても感じられるのです。

  • 失踪した後輩が前に言っていた1人しか行けない料理店。電話番号しか連絡する方法がなく、店舗も毎回変わる名前もなく客1人の贅沢❓な店に後輩の失踪を知らないのか聞きに行くがその店に魅了され通うようになる。
    名前の知らない女将に、名前の知らない女将が用意した同伴者。同伴者は後輩がメニューに加えたと女将が言うが、同伴者も毎回変わる名前も知らない女性。
    性格も違うが食べる姿は全ての女性は美しい所作で満足するのが女将はその客の性格を知って満足させて満足だと客に言わせるのが目的なのか❓❓

    その店を後輩に話す所からまた展開が変わり、のちのストーリーを読者に任せるという方法をとっている。
    自分はその店を紹介したら姿を消すのか、孤独を蝕まされた時に姿を消してしまうのだろうかと読後もまた何故姿を消したのかを見つけるために再度読むがなかなか見つからない。
    少ないページなのに何度もページを行きつ戻りつと味のある本である

  • 大好きな森作品だが、これまでに読んだどの作品とも違う空気を纏う連作短編集だった。分かっているのは電話番号のみ。同伴者を許されず、店の場所も一度使うきり。次は必ず違う場所へ案内される。それでいて料理も女将の作法も最上級。それだけでも不思議で惹きつけられるのに、「オプション」がさらに謎めく。この店の「旦那」となった登場人物の自己心理へのダイブが、回を重ねる度に深くなっていく点が興味深い。凄惨な場面はなにひとつ無い。それなのにひっそりと怖く、かつ余韻が残るのだ。著者の淡々とした文体が一層映える作品だった。

  • 後輩から聞いた店は、毎回場所が変わる。電話一本の予約で送迎もあり、食事の内容は抜きん出て素晴らしい物ではないが、毎回店を訪れる度に女性が相伴する。肉欲に溺れることもなく、ただありきたりの会話をして終わる・・何気ない会話と食事シーンだけなのだが、不思議と心が安らぐのは彼女たちの作法が美しく描写されているからだろう。ラストシーンは甘美な世界に観了された人物の末路が垣間見える。

  • これ最後どうなるんだ…?と思いながら読み、最終章で納得。人が完璧を求める限りこの店は何処にでも現れるのだろう。

  • とても品が良いのです。

    予約の電話をすれば迎えの車が来て、毎回ちがう場所へ連れて行かれます。決まった店舗のない、名前すらない料理屋。ひとりで行くことしかできず、女将に頼めばこれまた毎回ちがう女性が寄越される。女性の飲食代も当然こちら持ち。話好きな女性ということはまずなくて、ほとんど会話なく食事が終わることも。色っぽいことは皆無。だけど、なぜか惹かれてしまう店。

    田中啓文の『こなもん屋うま子』の上品版みたいだなと思ったり、つげ義春のノーマル版だなと思ったり。ゆったりした気持ちで目はしっかり見開いて読まないと話が流れて行ってしまいそうになるけれど(つまり、しらふの状態で読まないと、時折睡魔に襲われそうになるけれど)、クセになる不思議な雰囲気です。

    食べる所作が美しいということ。それだけでじゅうぶん一緒に食事をしていて心地よくなれるのかもしれないと思いました。「具体的な話」と「抽象的な話」が面白い。

  • 小山先生くらいの男の人なら共感出来るんだろうか?
    なんだかよく解らなかった。
    どうして失踪してしまうんだろう・・・?
    それを己で考えるのが楽しい作品って事か??

  • 【あらすじ】
    失踪した後輩が通っていたお店は、毎回訪れるたびに場所がかわり、違った女性が相伴してくれる、いっぷう変わったレストラン。都会の片隅で心地よい孤独に浸りながら、そこで出会った“少し変わった子”に私は惹かれていくのだが…。人気ミステリィ作家・森博嗣がおくる甘美な幻想。著者の新境地をひらいた一冊。

    【感想】

  • もともとすっきりしない話は好きじゃないけど、文章は好きだったので★二つ
    失踪事件は解決しないし、なぜ小山先生が消えたのかよくわかんないし、微妙な感じ
    多分最後の磯部先生も通っちゃって失踪するんだろうなって思うけど

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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