少し変わった子あります (文春文庫 も 22-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 1597
感想 : 170
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167743024

感想・レビュー・書評

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  • 森博嗣さん
    好きな作品の一つ。
    食事のマナーって大事。

  • 主人公は一人の時間が好き。決して人嫌いとかそういうことではないけど。毎回変わる店で毎回変わる相手と食事する。その関係の中で語られる主人公の内面世界、ちょっと怖いけど読み続けたい…と思って読み進んでいくうちにアレ?主人公は!?不思議な本だった。

  • 始めて森博嗣の作品を読んだ。読み進める過程で小出教授が通いつめる店の謎が解き明かされることを期待したが、最終的な解説はなかった。孤独というテーマを軸に節々にヒントのようなものが隠されていたが、納得できる結論には至っていない。しかし、孤独というメインテーマよりも、作中名言が多く森博嗣の哲学が随所に垣間見えたところに価値を見出すことができた。この小説をきっかけに他作品をぜひ読んでみたいという気持ちになった。影響度でいえば自分の中で5本の指に入る。

  • 『説明的な情報によって、その人間の味わいが変わるだろうか。それが、人の本当の価値だろうか。そういった情報に、普段どれだけ私たちは惑わされているのだろう。』

    別冊文藝春秋で短期連載されていたショートストーリーを集めた短編集なのだが、全体としても起承転結がしっかりとしていて(はっきりとではない)、非常に完成度が高い。

    扱っているテーマは、いわゆるコミュニケーション。細部と大枠という二つの観点から、コミュニケーションの持つ二つの属性を表現し、森氏お得意の孤独と自由の極値点に繋げている。著者の主張自体も然ることながら、それを小説として表現する態様が、とにかく自分の好みに合致した。細部に関しては、溜め息が出るほど美麗であり、大枠に関しては、しゃっくりが止まるほど大胆。当該論点における平均的な着地点からすれば、風刺の部類に入るはずなのに、レジスタント臭がしない。かといって、隠喩的でも厭世的でもない。まさに絶妙。

    もう、脳みそがツルツルなくせに、オウムの如く「大事なのはコミュ力だ」とか連呼しているような輩は、この本を読んでから野に帰って頂きたい。

  • 最後の数ページはゾッとしながら読みました。
    色々考える余地があって、凄く面白かったです。

  • 実に面白かった!
    ミステリー作家森博嗣による、不思議な小説。
    ある大学教授が、友人で行方不明になった同僚に聞いたレストランに行ってみる。そこは名もない店で、毎回違う女性が話し相手として食事に参加するのだが…。
    一人称で語られる情景描写や内面描写がきわめて巧みであり、主人公が悶々と考えていることに妙に共感できた。「食べる」という生理的行動についての考察や、孤独についてなど、唸らせるものがある。
    ミステリーだと思わず油断して読みすすめたら、違和感はあったものの、まんまとやられた。ビックリして、読み直してしまった。凄い作家だ。

  • 2015 4/6

  • 2回目。相手を知る上で情報って対して必要ないのかもしれない。相手の雰囲気や動作を見ていればその人がどんな人なのかわかるものなのかも。食事ってその人が1番出るところだからとても大事なんだな。

  • 何もかも理屈っぽく、理論的で孤独を求める大学教授の主人公が、不思議な店でただ女とご飯を食べるだけの話。

    最後にえっ!てなった。文句なし。私が好きなかんじの文章。わかりやすく、感心させられる表現、ストーリーの所々に人間とは…みたいな主人公の考えが入ってて面白かった。悶々と繰り返される思考は哲学的で読んでいて感心した。

    行方不明の後輩、孤独、綺麗な食べ方、和服姿の女将、特徴のない女。

  • ゆるゆると、孤独から消滅へ。最終章では、ぞわりとしたデジャヴが待ち受けています。

著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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