死神の精度 (文春文庫)

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著者 : 伊坂幸太郎
  • 文藝春秋 (2008年2月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167745011

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死神の精度 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 第57回日本推理作家協会賞
    短編部門受賞作品。


    クールでいて、
    どこか憎めない死神のキャラが
    なんとも魅力的で
    大好きな小説です♪


    まるでサラリーマンのように
    調査部員として
    人間界に派遣されてくる死神(笑)。


    死ぬべき候補に挙げられた人間を
    1週間にわたって観察し、
    死ぬことを『可』とするか、
    または『見送り』とするかを判断し、
    『可』なら、
    8日目に来る死を
    見届けるのが彼らの仕事。


    死神の千葉が
    人間界で働く日は
    決まって雨が降る。


    また人間界の生活習慣や
    しきたりに慣れてないので
    変なツッコミや
    ズレた会話が
    面白い効果を生んでるし、

    死神のクセに(笑)
    音楽を聴くことが
    なによりもの楽しみという設定が
    また微笑ましくていい(^^)


    人間の死には興味はないが、
    人間が死に絶えて
    ミュージックが
    なくなってしまうことだけは、
    つらいと言う
    変な死神(笑)


    この死神のキャラは
    伊坂の作る
    歴代の味のある登場人物の中でも
    特に異彩を放ってるし、
    桜や黒澤に次いで
    個人的にも
    お気に入りキャラです(^_^)



    物語は
    時代も登場人物もバラバラな
    連作短編集で
    6つの人生を見届ける死神の話で構成されています。


    一つ一つの物語には
    すべて軽い謎解きが用意されていて楽しめるけど、
    一度出てきた登場人物が
    時を越えて
    この本の中でまた
    意外な形で登場するという仕掛けも
    緻密に構成されていて、
    読む者をアッと驚かせてくれます♪
    (そしてお約束のリンクゲストは(笑)
    『重力ピエロ』の
    あの人が出てきます!)


    死を扱いながらも
    どこか軽やかで
    清々しい読後感は、
    どんなに重く暗い話の中にも
    『希望』の光を潜ませることを忘れない
    筆者だからこその味わいかな。



    短編集なので
    かなり読みやすいし
    伊坂初心者の方にも
    オススメです(^_^)



    あっ、そうそう、
    CDショップで
    一心不乱にヘッドフォンを耳に当て、
    なかなか立ち去ろうとしない客がいたとしたら、
    それはおそらく
    死神なので
    ご注意を(笑)(^_^)

  • 『小説の曲芸師』伊坂幸太郎の描く「死神」が主人公の六話からなる短編小説集。その内容はミステリー、サスペンス、推理劇、恋愛劇、旅情劇、人情劇といったバラエティーに富んでいて意外な展開やゲストも登場する。全体的な構成が見事で短編集の良い見本のような完成度といっても過言ではないだろう。最終話『死神対老女』では、死神は老女の「最後のお願い!」を聞き入れる存在として描く事で死神のキャラクターを“死を運ぶ邪神”ではなく「お迎えの神様」として物語を大団円でまとめ上げるアイデアと筆力はお見事!。何度も読み返したくなる一冊

  • 死にまつわる話なのにのんびりしててあったかい

  • 短編集のようでどこか登場人物は繋がっている。千葉の無関心さ鈍感さが物語の流れを少し変えるのが面白い。

    死神千葉の「可」の判断で死を迎えることになる主人公たちは何かしたら成し遂げる目的があって、千葉は無関心ながらも主人公を手伝いながら人間とは…とゆうことを死神目線で皮肉も交えて書かれていた。

    死神の浮力を先に読んでいたので、千葉の関わりと死の場面が描かれなかった人達のその後が気になる。

  • 死神がいろんな姿に変わり死ぬ人を見届けて行く物語。短編集だが最後の話では前に出てきた人たちが再び現れるところが面白い。死神のちょっとずれたやりとりとかもユーモアがあるしシリーズ化すればいいのになあと思った。死に直面している彼ら、中には覚悟している人もいれば全く気付かない人もいて死とは突然訪れるものというのがすごく上手く描写されていると思った。

  • 6年ぶりの再読。
    いま、はげしく後悔している。
    当時流し読みで全然物語を味わうことをしていなかった為、
    読後の印象も何も残っていなかった。
    再読してみると、
    伊坂作品の魅力が満ち満ちていて
    なぜ初読時、ちゃんと読まなかったのか!
    と、悔やまずにはいられない。
    全ての人間に平等にもたらされるたった二つのもの。
    生と死。
    それは何も特別なことじゃない、
    けれど大切なことだ、
    そう再認識させられる。

    千葉と春の会話のシーン、
    まさにグラフィティアートを書いているその時であることに、
    秘められた春の思いと決意に
    ハッとする。

    死神対老女
    しんみりせずに泣かされる。
    分かっていても目頭が熱くなるのは
    さすがだ。

    ずっと暗かった空が晴れた。
    それだけで読み手の心にも光明が差す。
    音楽以外には無感動のはずの千葉の心をも動かす力が青空と太陽にはあるんだな。

  • 昔、「終わらない鎮魂歌を歌おう」というフラッシュ作品が流行った。それに似ている。
    それはさておき、なんだか俺の知っている伊坂幸太郎らしくない話が多いと感じながら読んでいた。綺麗にまとまってはいるけど、なんだか上手くオチていないような、そんな感じ。
    でも、ラストの「旅路を死神」と「死神対老女」は一気に「らしさ」が出て来て、しっかりと鳥肌を立ててくれた。読後感もとても良い。「恋愛で死神」は切な過ぎるけど、嫌いじゃなかった。伊坂幸太郎の恋愛長編があるのなら読んでみたい。
    蛇足だけど、この主人公の話し方を見ていると桜を思い出す。

  • <2013年6月11日 再読>

    珍しく旦那が小説を借りてきていたので拝借した。
    こないだ「旅猫リポート」を薦めたらとてもよかったらしく、たまには小説もいいなと思ったらしい。

    以前、この本を読んだ後に映画化されて、金城武と小西真奈美の印象はあったんだけど、真ん中4編はほとんど覚えてなかった。

    千葉がおかしくも愛らしい。死神なのに。
    「ミュージック」を偏愛しているくせに、なかなか博愛的な面を持っていたり。
    噛み合わない会話も、教訓めいた言い回しも、なんだかキュート。

    連作短編の話がさりげなくつながってたり、仙台の落書き男は「重力ピエロ」だよねーってところとか、伊坂さんの作品は細かいところがおもしろいよなぁと思う。

  • 対象者の死を「可」とするか「見送り」とするか調査する死神の視点で、人間の生き方を見るというお話。いやー面白かった。
    歯切れの良い簡潔な文体が好みで読みやすい。人間の掘り下げ方、死神と人間の会話が印象的で、随所にいいなと思う比喩や台詞が出てくる。
    死神の視点で見ると、私たちが当たり前のようにしている行動や思考が滑稽だったり理解不能だったりして、その視点が面白い。また、生真面目な性格のくせに人間界に疎い故に変なやり取りが発生して楽しい。重いテーマなはずなのに、死神の性格のおかげであまり重苦しくはない。
    あと1番好きなのは、独立した短編なんだけど、リンクする人物が出てくるところかなー。最終話ずるい。

  • 映画にもなった、伊坂さんの連作短編、になるのでしょうか。

    どこかとぼけた「死神」の描写が面白かったのですが、
    終章での「環」の閉じられ方が印象に残っている一冊です。

    久々に『死神くん』を読みたく、なりました。

  • 再読でした。千葉の人間界に馴染んでないところがらしくて良い。野暮ですが、自殺や病死には関与しないという事なので、死ぬところが明らかになってない話はその先が気になりますね。

  • 2017/1/3読了。
    以前一度読んだのだが、久しぶりに読み返したくなってまた読み始めた。
    この小説は一つ一つの話のオチの解釈を読者に委ねる形ばかりなので、一度めに読んだ時は「ぼんやりとした話ばかりだなあ」と感じた。
    しかし、そこから数年経た今もう一度読んでみるとまた感想が変わった。
    人間を一歩引いた目で観察する死神の言葉、色んな人々の生き方、ある話の登場人物が他の話で出てくるというような遊び心…等、伊坂っぽさをふんだんに感じられる作品だと思った。

  • 読書日数 18日

    死神と一緒になった人間の、死神目線で楽しめる6編の短編集。とにかく、この筆者の設定は葉何かと少しずつ変だけど気持ちいい。

    死神は人間の姿をしているので、調査対象者にはわからないようではあるが、死神である感覚と人間の感覚がずれているので、ちょっとした会話が噛み合わない感じもなんだか笑える。

    この死神は、調査対象者が「事故または事件によって」命を奪う事について、許可を出すかどうかを調査するというもので、それを忠実に「仕事として」こなして行く姿に、自分について回られたら、どんな感じになるんだろうと思う。

    ただ、この不思議な職業のルールのおかげで、対象者の命が守られたりする場面とかがあったり、その時に絡んだエピソードが、別のエピソードのオチに使われていたりと、死神の話なのに全く「ホラー的」なものにならないのも、読んでいて好感が持てた。

    続編もあるので、楽しみにしておこう。

  • 『死神の浮力』の文庫化にあわせて、本作を8年ぶりに再読しました。相当面白かったことは覚えていたのですが、肝心の物語の内容はほとんど忘れていたこともあり、懐かしくも新鮮な気持ちで楽しむことができました。
    やっぱり死神の造形が素晴らしいですね。人間の死そのものには興味がないくせに、ミュージックが大好きでCDショップに入り浸るという設定の妙も面白いですし、人間とのちょっとズレた受け答えを含め、振る舞いの一つ一つにクールさとおかしみがあって、千葉がとても愛しく魅力的なキャラクターに映りました。
    物語についても、本作に収録された6短編すべてが練りに練られた印象で、最後の「死神対老女」でこれまでのあんなことやこんなことが綺麗に繋がっていくという構成を含めて見事だと思いました。また「死」を扱っているにもかかわらず、読後感が清々しいところも美点として挙げられるのではないでしょうか。
    数ある伊坂作品の中でも、本作は三本の指に入る傑作だと思います。

  •  対象者を七日間、観察・調査し対象者の死の
    可否を決める死神の千葉とその対象者となった
    人々の物語を描く連作短編。

     設定だけ見るとお涙ちょうだい系のような
    雰囲気ですが、読んでみると案外淡々として
    います。というのも千葉は、人間世界について
    あまり詳しくなく、今一つ対象者たちの感情や
    言葉尻が上手く捉えられないのと、対象者たちも
    基本的に自分の死が身近に迫っていると気付く
    わけではないためです。

     あくまで死神が様々な人の人生の一部分にお邪魔
    した、というのが正しい見方かもしれません。

     この本の特徴は各短編の構成の巧さと、死神と
    いう異物視点で人間のおかしさを描いている点
    でしょうか。

     各短編の構成はミステリー仕立てのものが
    多く結末がとても鮮やかです。日本推理作家
    協会賞受賞作の表題作をはじめオッと思わせる
    サプライズあり、また意外な登場人物の行動
    動機ありと、一級品の短編ばかり。
    また短編のバリエーションも仕事に悩んでいる
    女性の話から、ヤクザにつかまったり、殺人犯
    とのドライヴさらには吹雪の山荘ものとバリエ
    ーションが豊かで飽きさせません。そして連作
    短編としての仕掛けも見事!

     そうした構成の面もさることながら、やはり
    一番の特徴は千葉の語り口。人間にそこまで興味
    があるわけでもない彼は、各対象者の行動や思いを
    どこか冷めた目で観察します。
    そして人間の感情がイマイチ理解できないため
    思ったことをそのまま口にしたりもします。

     そうした死神に対し対象者たちはどう反応し、
    彼の質問に答えるのか。また余計な感情のファ
    クターをかけない千葉はそれぞれの人生や思考に
    何を思うのか。

     こうした死神独自の語り口や考え方もとても
    面白かったです。

    第57回日本推理作家協会賞〈短編部門〉『死神の精度』
    2006年本屋大賞3位

  • 伊坂さんの作品の中では一番好き、というほどたくさん読んでいるわけではないが…。
    何かの短編集の中の一つに死神対老女が収録されており、面白い、もっと他の物も読みたいと、それでこの作品に行きつく。
    そしたら、やはりよかった。しかも短編なんだけど短編じゃないというか、繋がっている。
    いいねぇ。思わずニヤリとしてしまいました。

  • 職業死神が、7日間で対象者を「可(=死)」とするか「保留(=まだ死なない)」にするか淡々と見つめ、決定してゆく話。

    淡々とした死神の態度がとても読んでいて心地が良かった。
    死というものを軽んじているわけでもなく、ただただ死は身近にあって、それよりなにより、どうやって生きるかが大切だよね、っという当たり前のことをふわっと考えさせられた。

  • 死神千葉さんのキャラが素敵。死を主題にしているはずなのに、彼のキャラのおかげで、淡々とした雰囲気。個人的には、ストーリー云々よりそのドライさが気に入った。また、彼が全編通して“調査対象”に肩入れしなかったところが良かったと思う。

  • こんな死神なら、是非とも会ってみたい!

    Coolだけど、どこか抜けている死神、千葉と、
    彼が関わる人間との物語を描いた連作短編小説。
    一番好きなのは「旅路を死神」。電車内で笑った(´∀`*)
    雨の日に、家で読みたい本です。
    表紙もなかなか好き。

    余談で映画も意外と好きだった。話は忠実ではなかったけど。
    映画オリジナルで登場した黒犬にほだされた('∀`)

  • 伊坂先生の作品は既読分みんな好きな私ですが、これもまた大好き。

    調査対象と関わりを持ちながら距離をおいて淡々と仕事をこなし「関わった人間の最後がどうなろうが興味がない」といいながら、それでも彼の目を通してみる人間たちはそれぞれ弱さや醜さを抱えつつ等身大で今生きていて(大抵死ぬことになるけれど)犯罪者ですらちょっと愛しく思えたりもする。クールなんだけど実はあたたかい、そんなまなざしをむけている気がします。
    6つの短編、それぞれの場所・時間で完結してあるかと思いきや、ちょっと意外(?)な繋がりがあったりしてそういった意味でも楽しめました。

    設定はファンタジー(なんといっても死神ですから)なのに描かれる世界はとってもリアルで情景が目に浮かび、音楽が聞こえてくるような…伊坂先生の魅力溢れる作品だと思います。

  • 死神の千葉。
    ミュージック。

    「人間というのは、眩しい時と笑う時に、似た表情になるんだな」

  • 『文庫小説売り上げNO.1』という事で素直に購入。

    なかなかでございました。

    とても読み易く、ありがちな話の流れだなと思いながらもすらすら読み進む事が出来、最後にはまさかの涙。

    『眩しいのと、嬉しいのとは似ている。』

    本当にそうだなと思いました。

    温かい言葉です。

  •  奇妙でどこかずれている死神千葉。死神としての役目を仕事としてこなすその姿に魅入られる。そんな死神千葉が出会った。6人の人生。

     タイトルから少しダークな内容かと思いきや、どこかコミカルにさえ思えた。

  • 「うまいなぁ」と思った珠玉の短編集。主人公の死神「千葉」の設定が面白い。仕事をするときはいつも雨、レトリック表現が苦手(雨男と雪男と同一の意味と理解する)、話し方がクール、ミュージックを愛する等々。6編の連作短編集だが、どれも面白い。一番好きだったのは、「恋愛で死神」。映画のセリフがたくみに使われている。6編目の「老女対死神」の仕掛けはやられたと思った。死をテーマにはしているが、読後感がさわやか。

  • 短編であり長編。読後感の良さは異常。物語にもう少し浸っていたいと思う名作

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死神の精度 (文春文庫)の作品紹介

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない-そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。

死神の精度 (文春文庫)の単行本(ソフトカバー)

死神の精度 (文春文庫)のKindle版

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