- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167753139
感想・レビュー・書評
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雑学に詳しいと言われるたびに、教養があると言ってくれとよく冗談で言っているのだけれど、本社はまさに雑学と教養の違いから始まる。雑学は一問一答/既に知っていることの知識。教養はまだ知らない事へフライングする能力…。すいません。私には教養など無いのだと実感。他にも中国関係や格差社会等々、ハッと気づかされるような内容多数。
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中国系カナダ人が提唱している、儒教圏という考え方に興味を覚えました。パッと見は、中華思想のようでなんか違う感じで、いまいちよく分かりませんでしたが、おもしろ概念だと思いました。
アメリカは、東アジアで儒教圏が成立することを恐れるあまり、日、中、南北朝鮮を分断する外交政策をとっている、とも言っておりました。 -
真っ当なことを真っ当な言葉で語る、ウチダさんの話は読んでいてとても心地いいです。こんな風に考えることができる人がもう少し増えたら、世の中もう少し生き易くなる気がします。
それにしても、この文章が書かれたのはもう10年近く前になるのに、全然古く感じないのはすごい。 -
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考えに広がりを持たせてくれた。
メディアで取り上げられた出来事など、私が興味もなく深くも考えずいたこと(特に政治的出来事)も、内田さんの文章を読んで「そうなのか、大人(?)はこういう風にみるのか。おもしろいな。」と思った。本当にところどころ笑えるくらいおもしろかった。
と同時にスカッとした。
私の中にあったうやむやな疑問や課題に触れる文章があったからである。
初めて内田さんの本を読んだが、また別の本も読んで出来事.事象を捉える感覚を磨きたいと思う。 -
ひとを確実に納得させながら論を展開する。すごく尊いことだと思った。
自分の視座が変わっていくのがわかった。
何回でも読み直したい。 -
(以下引用)
個人情報というのは個人が「所有する」ものではなく、むしろその人を取り囲む共同体メンバーがその人に「贈与する」ものである。私はそのように理解している。例えば、私の名前は自分自身にとっては用のないものである。私の名前に用があるのは、私の名前を呼ぶ他人である。(中略)電話番号だってそうだ。私は自分には電話をかけない(いつかけても必ず通話中だからである)。だから自分の番号には用はない。用があるのは私に用がある人たちだけである。それらの情報は私が専一的に所有しているものではなく、厳密に言えば、私に用がある人たちと私が「分かち合っている」ものである。その自明なる事実を忘れて「私の情報は私のものだ」と言い募っている人間は、いずれ共有されない情報には情報としての価値がないということに気づくことになるだろう。(P.48)
コンビニの店員は商品知識を持たない。必要でない、というより、持ってはならないのである。だから「お客さん、そっちのコシアンよりこっちのツブアンのほうが、ぜったいオスステすよ」というような購買誘導はなされない。その「被放置感」がおそらく当今の消費者には快適なのである。(P.123)
「あなたの望みはなんですか?」と訊かれて、「ほかの人と見分けのつかない人間になることです」と回答するオプションはある種の「トラウマ」を抱えた人間にはあることかもしれない。そのような病者については、その選択を責めようとは思わない。しかし一国の為政者や「選良」を自負している人間が「アイデンティティの喪失」を政治目的に掲げて、それを白昼堂々と論じている図は私の常識を超えた風景である。私は日本が「唯一無二」の国になってほしいと望んでいる。(P.144)
誰が考えてもわかるけど、「予防」的なシステムの整備と運用に要するコストは、「対症的」なシステムの整備と運用にかかるコストよりもははるかにわずかで済む。例えば、暗い道を歩いて強盗にホールドアップされたという場合、迅速かつ効率的に犯人を逮捕し、拘禁しm裁判の行い、刑を執行し、社会復帰させるまでのに要する社会的コストと、「こんな暗い道を歩くと、ホールドアップに遭う可能性があるから、遠回りだけど安全な道を通って帰ろう」と判断できるようなリスク化回避の方法を市民に学習していただくために要する教育コストを比較すると、誰が考えても圧倒的に「予防」対策の方が安上がりである。(P.170)
アマゾン川下りの最中に船底の穴から水が入ってボートが沈没して、ピラニアにばりばり齧られているときに「貸しボート屋の管理責任を断固追及するぞ!弁護士を呼べ!」と言っても、あまり事態は好転しない。それよりは事前にボートの船底に穴がないかどうかていねいにチェックする習慣を身に着けている人の方が生き延びるチャンスは高い。他責的なトラブル・シューティング方法に熟達するよりは、トラブルを事前に回避する心身の能力の開発に優先的に教育投資を行うほうが合理的であると私は考えており、繰り返しアナウンスしているが、同意してくれる方は依然として多くないのである。(P.270) -
うん、おもしろいけど、けっこうむずかしい話が多いので、内田さんの本領は発揮されてない気がする(完全に私見)。
なかなか聞いたことのある話も多いけど、斬新な発想はそのままです。内田さんの本はどんどん読んでいきたい。 -
難しいけど面白い!納得!