東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編 (文春文庫 き 30-1)
- 文藝春秋 (2009年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167753535
作品紹介・あらすじ
今あるべき「ジャズの歴史」とは?そもそも「ジャズ」って何なのか?音楽家/文筆家・菊地成孔と気鋭の批評家・大谷能生が、スウィング・ジャズの時代から現在までの百年を語り倒す。三百人もの受講者を熱狂させ、刊行されるや音楽好きと本好きを沸かせたスリリングでポップな講義録、待望の文庫化!文庫版あとがき対談も収録。
感想・レビュー・書評
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軽妙な語り口でのモダンジャズ講義
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面白い、で終わるのは本意ではない、と後書き対談にあったけど、やっぱり面白過ぎる。後期も読んでみよう
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門外漢が音源も聴かずに読んでも楽しめたのは、大谷氏による講義の再構築の賜物らしいです。オーネットコールマンのぶっ飛びぶりにそそられる。
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二〇〇四年四月一五日講義初日 十二音平均律→バークリー・メソッド→MIDIを経由する近・現代商業音楽史
二〇〇四年四月二二日講義第二回 ジャズにおいてモダンとは何か?―ビバップとプレ・モダン・ジャズ
二〇〇四年五月六日講義第三回 モダンとプレ・モダン―五〇年代に始まるジャズの歴史化・理論化と、それによって切断された事柄について
二〇〇四年五月二〇日講義第四回 一九五〇年代のアメリカと、ジャズ・モダニズムの結晶化
二〇〇四年五月二七日講義第五回 一九五九~一九六二年におけるジャズの変化(1)
二〇〇四年六月三日講義第六回 一九五九~一九六二年におけるジャズの変化(2)
二〇〇四年六月一〇日講義第七回 フリー・ジャズとは何からのフリーだったのか?
二〇〇四年六月二四日講義第八回 一九六五~一九七五年のマイルズ・デイヴィス(1)コーダル・モーダルとフアンク
二〇〇四年七月一日講義第九回 一九六五~一九七五年のマイルス・デイヴィス(2)電化と磁化
二〇〇四年七月八日講義第十回 MIDIとモダニズムの終焉〔ほか〕
著者:菊地成孔(1963-、銚子市、ジャズミュージシャン)、大谷能生(1972-、八戸市、評論家) -
こんなおもろい授業を東大でやってたのか、とまず感動。もぐりが本校生なみにいたというのもうなずけるかも。ジャズの歴史は全然知らなかったので、良いガイドとなった。授業でかけた各種アルバムが紹介されているので、少しずつ聴き始めた。クラシックと違い、癖が半端ではない。が、耳に慣れてくると何か妙なそわそわ感が出てくる。これが楽しい。
キーワード編も読みたい。 -
再読。ビバップ (bebop)をジャズにおけるモダニズム運動として捉え、西洋音楽史における音楽を記号的に処理しようとする系譜の中でジャズはどのように「通史」として解釈できるか、というのが本書の狙いであり、それはジャズの全盛期をその時代のアメリカの空気と重ね合わせることで見事に成功している。それも、わかりやすすぎるほどに。後書きで二人が懸念している通り、本作は決してジャズを聴くための解答ではない。音楽の楽しみ、それはわかることとわからないことの反復運動の中から生まれてくる。大切なのは考えながら感じることだ。
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youtubeを横目に読んだ。楽理理論の話とか、コード進行の話とかは全くわからんかったけど、ジャズ(偽)史を記号論(?)的に3つの段階(十二音平均律→バークリーメソッド→MIDI)に分けて行くのはとても面白かった。
っというか、そもそもモダン・ジャズであるとかビパップ等々が具体的にどういう音楽なのかというのが、ほんの少しわかったようなわからんような・・・。
ともかく、マイルズ・デイヴィスとアルバート・アイラーは圧倒的にカッコいいことは記憶のなかに刻印された。