まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫 み 36-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167761011

感想・レビュー・書評

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  • 行天は松田龍平さんを当て書きしたのでは、と思えるくらいイメージぴったりでした。
    というか、俳優としての松田龍平さんが凄いのだけど。

    舟を編むにしても、三浦しをん作品の松田さんは外せないですね。・・・、脱線しましたが、読み進めて行くほどに、多田や行天に肩入れしていく自分が居ました。
    続編も、いつか読もう。

  • 面白かった
    第135回直木賞受賞作品

    東京のはずれのまほろ市の駅前で便利屋を営む多田と、その高校時代の同級生・行天の二人が織りなす物語。
    軽いようで、実は重いストーリ。

    正直、この物語に出てくる登場人物たちには、この二人の主人公含めて、全く感情移入もできず、いくらか嫌悪感も抱くキャラクタばかりですが、それがまた良い味を出しています。

    便利屋への依頼内容は、ペットあずかり、そこから飼い主探し、小学生の塾の送迎、ストーカ対策のための恋人のふり、納屋の整理など、ありふれたものですが、その登場人物たちが微妙にかかわっていく展開に。さらに、やくざな人物まで登場し、ハードボイルドな展開も含まれます。

    後半は、一つのメッセージを伝えるために物語が集約していきます。
    そのメッセージは「幸福の再生」
    ここに収斂していく人生のメッセージが所々に語られています。
    これがまた素晴らしい。

    まほろ市ってあったっけ?と思っていたら、架空の町ですが、あとがきにもある通り、町田市がモデルのようです。
    さらに、まほろ市ってまほろばやまぼろしにも掛け合わせているようです。この辺も面白い

    ということで、楽しめる物語でした
    続編もあるようなので、ちょっと楽しみ
    おすすめ!

  • 今更だが、書いていなかったレビューを書く。
    便利屋を営む多田と、そこに転がり込んで来た学生時代の友人行天。この日本のどこかの町で実際に起きていそうな些細な出来事と、こんな奴いるいる!と思わせられる多田と行天のキャラクター。それが、しをんさんのテンポのよい気持ちのよい文章で綴られていて楽しく読んだ。
    ご本人BL好きだからか…BLじゃないけれど、男性二人組の話は大変魅力的に描かれているように感じる。

  • 面白い!!


    読みやすくあっという間でした
    さらっといい言葉が書いてあって
    それもいいです


    続編が届くまで
    2回目読みます。

    ドラマ等は見たことないですが
    メインのキャストは知ってて
    イメージしながら読んでました。

    読み終わってから調べたら
    瑛太さんと松田さん
    まさかの逆のキャスティングでした!笑

  • 三浦しをんさんの本に登場するキャラクターって個性的だけど、なんだかかんだ愛や情熱を持ってる実は良い人が多い気がする。多田さんも行天さんもなんだかんだで良い人達だよな。
    そしてくすっと笑えるような文章が良い。チワワのことチワワ呼びなのも面白いし、扱い方も面白い。でも最後にはちゃんと飼い主探してあげててやっばり良い人達だ。
    行天さんが実際に便利屋として来たら、怪しいと思うかもだけど、2人はいいコンビだと思った。

    「だけど、まだだれかを愛するチャンスはある。与えられなかったものを、今度はちゃんと望んだ形で、おまえは新しくだれかに与えることができるんだ。そのチャンスは残されている」
    「不幸だけど満足ってことはあっても、後悔しながら幸福だということはない」

  • ひょんなことから高校時代の同級生(話したことない)、行天と暮らすことになった、便利屋の多田。便利屋を頼ってくる人々と2人の人間模様を描く。

    大変面白かった。
    癖がない文体で読みやすい。

    話的には「家族」がキーワードになってくるのではないか。
    違う言い方をすれば「一緒に暮らしてるひと」。

    思いかえせば、この物語では色んなパターンの「一緒に暮らしてるひと」を描いている。
    そこには幸せばかりでなく、様々な苦しみや辛さも描かれていた。そこから幸せに向かおうとしたり、逃げたり、付き合って生きていったりする。

    ただ、登場人物それぞれに明確な幸せが訪れた描写も、明確な不幸が訪れた描写もない。
    誰かと暮らしている限り、どちらもやってくる。

    それを「淡々」と「ドラマティック」の間の感触で書いているのが心地良かったんだと思う。

  • 多田と行天の距離感と本質的な想いが心地よく、
    ワタシにとってはいろいろと共通点もあったりで
    一緒に泣いたり、ぼんやりしたり、再生に向かう光をもらったりした1冊でした。

    状況も事情も違うけど、ワタシも生まれたばかりの息子を
    亡くしたばかりなので、中盤からはそこに触れるのかなぁ…と
    少し澱のようなものを感じながら読み進めつつ…

    多田の心情と自分の心情が重なって苦しかったけど、
    失ったものが完全に戻ってくることはないという覚悟の元に
    でも、形を変えながらも、それを求める人たちのところに
    幸福は何度でもそっと再生していくと、今の自分の心情と同じでもあり
    必死でつかもうとしている一筋の小さな光の欠片だったりと
    重なって、涙は止まらないながらも明るい気持ちになれたラストでした。

    上っ面じゃなく、べたべたせず、ぶっきらぼうだけど
    根っこの部分ではココロで感じなくても本能的に
    相手を思う行動をとってしまう、多田と行天の関係を
    もっとたくさん見ていけたらいいなぁと思いました。続きも楽しみ。

  • 三浦しをんさん直木賞受賞作
    読んでいる最中この本はきっと男が書いたんだろうなって思いました。やりとりもゴツゴツしてて
    喧嘩 血だらけ 夜の街 等 実際は女流作家でびっくりしました。
    便利屋の様々な仕事を通して垣間見る闇やゴタゴタから発展する物語。多田が仕事に対して真摯に取り組んでいるので行天が破天荒でも大丈夫でした。きっと生きてるみんながいろいろな悩みを持ちながら前向きに生きているんだろうと思いました。

  • 読了。

    大きく物語が動いたり、ハラハラドキドキが起こるといった事はなく、ゆっくりと多田と行天の便利屋の仕事内容の話が進んでいく。

    ゆっくりと進んでいくのに、一つ一つの依頼内容を読んでいくうちに、この世界観にどっぷりと没入していってしまう。

    多田と行天のやりとり。
    登場人物とのやりとり。
    所々に出てくる言葉に考えさせられ。

    多田と行天はもちろんですが、各依頼人たちの人柄にも惹かれました。

    ゆっくりとほっこりとした話の内容なんですが、
    なんだかとても心に重く残る世界観でした。

  • なんか良かった。あの2人のぎこちなくも、なぜかお互いを必要としている感じが好きなのかも。2人は、それぞれ2人で、また続きを読みたくなる。
    語録がいろいろ凄すぎる。感動。
    表紙も素敵。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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