まほろ駅前番外地 (文春文庫)

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著者 : 三浦しをん
  • 文藝春秋 (2012年10月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167761028

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まほろ駅前番外地 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 便利屋多田啓介とその友人行天晴彦の織り成す物語「まほろ駅前」シリーズの第二作。
    今回は短編集で、主人公二人のほかにこの物語で活躍する曾根田のばあちゃん、ちんぴらの星良一、岡夫人、小学生の田村由良、そして新たに登場した未亡人亜沙子などにスポットを当てている。
    三作目のレビューですでに書いたが、本当に登場人物が魅力的だ。
    彼らの魅力を様々なエピソードで綴り、その輪郭をよりはっきりさせているこの二作目も出色の出来である。
    特に亜沙子夫人を登場させ、今後の多田にとって重要な意味合いを持つ人物になっていく過程が興味深かった。
    とにかく○の作品。
    今のところ、三浦しをん作品に外れなし。

  • 多田と行天が帰ってきた!
    あいかわらず行天のキャラが好きすぎる。
    実際こういう人と一緒にいたら困るだろうけど(笑)
    誰に対しても同じ態度、お客さんや子供、やくざ相手にしても変わらない。飄々としてる癖になぜか腕っぷしが強い。
    影があってどこまでもクール!
    まだまだ続きがありそう。
    多田の恋の行へも気になるし。

    ドラマ化もめちゃめちゃ楽しみ。
    映画はまだ観てないんだけど、観たいな。
    松田龍平の行天、似合ってそう。

  •  「番外地」というだけあって、本書は「まほろ駅前多田便利軒」の外伝を集めた短編集となっている。

     「まほろ…」の主役は、便利屋・多田と居候・行天である。語り手は多田だが、二人主人公による両輪馬車、バンドで言えばドゥービーやクリエイションみたいなツインドラムの重さを軸に据えながら、実に庶民的な事件を扱う軽ハードボイルドの趣きが味わい深い。この二人のキャラクター造形だけで、直木賞賞受賞作の出来栄えは既に決定してしまった、と言っていいほどであった。

     さてその前作で扱われる様々な事件(というか出来事)に登場したキャラクターのそれぞれに再登場願って、それぞれに物語をまたひとつひとつ作り上げたというような本書、まほろ市の住民の一団がこうしてそれぞれの世界を語られることで、さらに究極の架空都市でありながら、どう見ても町田市をモデルにしたとしか見えない<まほろ市>は人間味と人情味とでより味わい深く捨て難い魅力溢れる三浦しをんの街になってゆくのである。

     卑しい街をゆく探偵という、ハードボイルドの軸はそのままに、冷血で血も凍るような87分署的なニューヨークではなく、天才男優・松田優作が主演した伝説的ドラマ『探偵物語』のあの街みたいに、あたたかな仲間たちでいっぱいの卑しくも魅力溢れる街を、三浦しをんは奇しくも別の形で再現し、さらに行天という印象的な主役の一人を優作の子・龍平がこれ以上なくフィットしたかたちで演じている不思議をこそ、エンターテインメントの極みそのものとしてぼくは素直に味わいたく思う。

     子供の世界、老人の世界、悪党の世界、などが、多田と仰天という両輪馬車を取り巻き、街を賑わす華麗なる人間模様を読むにつけ、思う。三浦しをんの作品世界の豊かさを。深みを。そして絡み合う人と人との運命の面白みを。

     不思議なことに前作の文庫解説を鴻巣友季子、本書の解説を池田真紀子、どちらも女流翻訳家として海外ミステリ読みには馴染みの深い人たちだが、こういう日本小説の解説を書くんだな、と改めて出版社の粋な計らいに驚きを感じる。翻訳家が国産小説の解説を書く、ということはとても珍しいからだ。

     さらに本書と同じタイトル『まほろ駅前番外地』がテレビドラマとして放映され、贅沢にも映画と同じ瑛太・松田龍平の二人キャスティングそのままに一話完結型式でDVD化もされている。すべて見たわけではないが、原作にはない物語ながら、多田と仰天のカラーやまほろの雰囲気はそのままにオリジナルで小説とは別個の映像化作品として楽しめるので、まほろファンには是非、お勧めしておきたい。

  • 以前読んで、面白いと感想を書いた「まほろ駅前多田便利軒」
    是非とも続編出ないものかなぁっと思っていたこの作品。
    なんとっ!続編!出るというじゃありませんかっ!!!!
    便利屋「多田便利軒」で働く、ちょっと風変わりな?
    オッサン二人・多田と行天のお話がまた読めるってことですか!
    仕事中にこの書名を目にして、ひっそり心の中でガッツポーズをとりましたよ★
    真顔で作業中→心中「よっしゃー!オッサンのじゃれあい、また読めるっ」
    いやはや。この二人のやり取りが、何とも面白くて好きなのです^^
    なんでしょう。犬と猫のじゃれあい?みたいな二人の口げんか(笑)
    自分でも、何がツボに入ったのやら・・・

  • 行天に仰天!
    ダジャレすみません。
    本編とは違う面を見せる行天。頼もしくもあり、悲哀を感じた。読後感が、本編よりも冷たかった。
    三浦さんの文章は、相変わらずきれいに流れるのだが、全体を通して冷えた、体温の低い感じがした。
    便利屋だから見えてしまう人生の裏側。たまらなくなる。

  • 多田と行天が帰ってきた!おかえりなさい。

    相変わらずの2人だけど、2人がそれぞれ抱える闇の深さがよりくっきりした気がします。平凡なありふれた幸せを誰もが望める訳じゃない。要領悪い人もいつかは幸せになれるのかな。

  • でこぼこコンビ再び、です。
    多田・行天の周囲の人々にスポットライトが当てられています。

    好きなのは星の話と岡婦人の話。由良公も好き。
    続編が出るのかな、楽しみ。

    マンガ的な要素は多々あるけれど、楽しい作品です。

  • 前作が面白かったので、続けてこちらも読んだ。
    章ごとに主人公を替えて、愛すべきキャラクターたちが出て来て、前作とはまた違う角度で楽しめて、さらに愛おしい気持ちになった。
    さらなる続編を読みたくなってしまう。

  • ドラマ化も決定したあの人気シリーズの続編が待ちに待った文庫で登場です。直木賞を受賞した「まほろ駅前多田便利軒」が昨年映画化され爆発的な人気に。続編のドラマも映画同様に瑛太さんと松田龍平さんのコンビで来年スタート予定です。
    https://twitter.com/booklogjp/status/255833958959415296

  • 前作を読む前にこちらを手に取ってしまったが、軽妙洒脱な文章、謎めいた登場人物たちがちらりと見せる人情身あふれる一面などに引き込まれて、一気読み。前作を読んでから再読したい。

  • 第一弾を読んでいないのに、えいっと読んでしまった。

    「前作読んでたらもっと面白い/理解できるんだろうな」と
    思ってしまうところがいくつかあるものの、
    全体的には問題なくサクサク読み進められた。

    「サクサク」がふさわしい、うんうん。

    機会があったら前作も読んでみよーっと。
    なんだか目が離せない2人だわ。

    安定志向高くて心配性な人からしたら、付き合えないだろうなw

  • 駅前で便利屋を営む多田と助手で居候の行天、そしてその依頼者たちにまつわる出来事を綴った短編集です。

    ここぞというところで鈍い多田とここぞというところで鋭い行天のコンビが絶妙のバランスであり、他の主要人物も心根の部分は安定しているので、読んでいて安心感があります。

    話のネタの部分では、多田の不得意分野である女性目線の話が多かったという印象でしょうか。

    外伝的な短編集と思っていたので、岡夫人の予言どおりに新たな展開があったのは驚きでした。

    しかし多田と亜沙子の関係も行天のトラウマも、ともに一筋縄ではいかないことが明白で、読者としてはやきもきしながら、続編に臨むことになりそうです。

  • 「 気が利くってのは、裏返せば外面がいいってことだ。・・・・・ 」
    便利屋やっていなければ、社会と繋がることのない不器用で、大人になれない、けれど愛される男2人。
    ドロップアウトしかけた同級生以上親友未満のこの二人。
    何だかんだ言って、再生しようと足掻いてる。
    そんな2人だから仕事だけでなく、厄介事にまで持ち込まれ、市井で生きる人々に愛され、彼等の人生にからんでいく。

    他者に係わることが再生の一歩何ていうのは、解りきった事なんだけど、中々難しい訳で、

    「 凍えた人間をもう一度よみがえらせる、光と熱はどこにあるのだろう。」
    うん、俺様も知りたい。
    ついでに濃密でない適当適度適温な距離感は、どうやったら掴めますか。

  • まほろシリーズ第二弾。
    今回は多田と行天というよりも、彼らの周りにいる人々にスポットを当てたような作りになっていました。
    前作に比べて二人の魅力があまり出てなく少し残念でしたが、終盤の方で多田に芽生えた恋心や、行天の心に抱える闇が少し顔を出してきて、続きが気になる終り方でした。

  • 七編の中で、『岡夫人は観察する』がよかった。
    多田と行天の関係の良さが、じんわりと伝わってくる。

    今まで、三浦しをんさんの作品には上手くはまれず、
    食わず嫌いに近かったけれど、
    まほろシリーズは文句なく面白い。

  • 前作に続き、主人公の二人はむさくるしい限りだが、他の人物の物語によって、ますます人物が生き生きとしてきた。岡氏の奥さんの話が良かった。
    子供取り違えは、最近新聞で報道されたし、映画も話題になったけど、心が痛む話題だった。この本では、良い人の話で救われた。

  • 前作からいくらか時間を経て読みました。前作の内容も所々しか覚えていないという記憶の中多田と行天と再会。挨拶してくれたのは多田便利軒の依頼人の方々でした。多田と行天は後ろからひょっこり顔を出し……たかと思えばすぐに遠くへと走っていく。なんだか依頼人の方々を通して2人を追いかけていった印象。最後には追い付くんだけど、挨拶する暇ないまま去っていっちゃった。行天がウインクしながら多田に引きずられていく様が浮かびました。前作の余韻も残しながら

  • 【東京都南西部最大の町・まほろ市の駅前で便利屋を営む多田と、高校時代の同級生・行天。汚部屋清掃、老人の見舞い、庭掃除に遺品整理、子守も料理も承りますー。多田・行天の物語とともに、前作でお馴染みの星、曽根田のばあちゃん、由良、岡老人の細君が主人公となるスピンアウトストーリー七編を収録】

  •  まほろ駅前多田便利軒が大好きで、というか三浦しをんが好きで、この作品も十分に、というか十二分に楽しめた。
     とくに、曾根田のばあちゃんのロマンス最高。任侠っぽい男が出てくるところとか、昭和のにおいとか、すごく好きだな。任侠男が行天で、曾根田のばあちゃんの旦那が多田で、というのもなんか面白かった。行天は見た目は良いが変人、なのにいいところをすべてさらっていくタイプ、多田はいつもさらわれてゆくタイプかな。キャスティング的には。でも最終的に、多田演ずる(←演じているわけではない…)男が曾根田のばあちゃんと幸せになりましたとさ、というわけだ。本当に、曾根田のばあちゃん、ナイスキャスティング!ぴったりだよ!
     もう一つ好きな物語は、岡夫人の優しいまなざしを通してみる行天と多田の姿。岡夫人はよく見てるなー。そして、2人の間には何か化学反応のようなものが起きていることも感じられた。
     まほろで巻き起こることの短編集、寝る前に1日1話ずつとかで読み返そうかな。幸せな夢が見られる気がする。

  • 愛すべきは多田、どうしょうもなく恋に落ちちゃうのは行天。
    曽根田のばあちゃんのネーミングセンスに激しく同意。

  • 実写化のおかげで、瑛太とマツダクンで全部読んじまった…
    実写化の行天は、鍛えてなかったけどね
    続きは、無いのでしょうか?

  • やっぱり面白いし、キャラの造形がどんどん深くなってゆく。傍目からどれだけ平凡に見えようが、誰しもワケありの「ワケ」の一つや二つ、抱えてるよねぇ。
    多田に光が差し、行天の闇がようやく表に引きずり出されて来たところで終わっているから、たぶんもう一冊出ると思うんだけどな。出て欲しい。

  • 番外地は多田と行天以外の人達のプライベートな部分ががっつり描かれていて、おもしろかった。もっと読みたいな。続編ないかな。

  • 「まほろ駅前多田便利軒」に続いて、こちらの“番外編”も。

    多田便利軒の“その後”を描いたスピンアウトストーリーですが、いいなぁと思うのは、本編で出てきた多田と行天を取り巻く人たちのそれぞれの視点から、ひとつずつエピソードが紡がれていること。本編だけだとあまり良い印象を抱かなかった人物も、その視点から見させてもらうことによって、「あぁ、この人はこんなふうな気持ちで生きているんだ」と気づかされます。そして、不思議と愛着がわいてきてしまうのです。

    この世界にはいろんな種類の人たちがいるけれど、それぞれ見方を変えてみれば、全てが愛すべき存在になるんじゃないかな。誰かにとっては憎むべき存在でも、誰かにとっては愛すべき存在だったりして。それはちょっとした見方の違い。そんな気づきを与えてくれる作品です。

    最後の最後、多田と行天の過去と未来と現在が、決して幸福に満ちているわけじゃないことが暗示されている。でも多分、それが人生なんだと思います。百パーセントの満足なんてきっと一生得られないから、どこかで折り合いをつけながら、バランス取りながら生きていくんですよね。

    願わくば、多田と行天の今が少しでも温かみのあるものでありますように。

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まほろ駅前番外地 (文春文庫)の作品紹介

映画化もされた第135回直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』の多田と行天が帰ってきた!相変わらず、汚部屋清掃、老人の見舞い、庭掃除に遺品整理、子守も料理も引き受ける多田便利軒。ルルとハイシー、星良一、岡老人、田村由良ら、お馴染みの愉快な奴らも健在。多田・行天の物語とともに、曾根田のばあちゃんの若き日のロマンス「思い出の銀幕」や岡老人の細君の視点で描く「岡夫人は観察する」など、脇役たちが主人公となるスピンアウトストーリーを収録。

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