Op.ローズダスト 下 (文春文庫 ふ 27-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167763039

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の若者とソレを支える旧世代のオジサン
    取り巻く日本の組織
    「毎度おなじみの」といってもいいかもしれない。
    脇役たちの背負う動悸や悲しみの描き方も
    物足りないかもしれない。
    でも「古い言葉」「新しい言葉」という切り口には
    少しだけ考えるところもあったし
    あとは、映像化されたときにガッカリしないことを
    祈るのみ。
    それも全て個人的には留美の配役次第。

  • 最終巻。
    中巻で謎らしい謎は解明されており、あとは因縁の決着をつけるだけ、といった感じ。
    一応最後にどんでん返しはあるが、こじつけみたいなもの。
    相変わらず細かい情景描写が多く、読むのに苦労した。

  • 映像化されないかな…。
    上、中、下巻の長編とはいえ、並河と朋希、朋希の過去という三つの話が、最終章に向けてうまいこと語られていきます。下巻の最終章では、文字通り1分1秒が濃密なアクションとしてラストまで駆け抜けていく。

    さすが福井氏の作品だなぁと感動する各種ウェポンが入り乱れるそれは、軍事モノに無知な自分にも、頭のなかで明確にイメージされます。なんといってもそれらを扱う各登場人物が、とても魅力的に描かれているからでしょうか。
    留美なんか、最終章で一気にファンになった読者も多いはず…。(自分はまさに)

    ともあれ、映像化を望んで止まない作品に出会えた。(ヘタに映像化してもガッカリですが)

    新しい言葉、探してみます。

  • 福井晴敏氏は正しいと思う。
    福井氏に添って生きていきたい、という思いばかりが強くなる。

    「国益という名の重石を抱え、救援の手をこまねく政府の無策
    ――組織の論理がもたらす感性の硬直が、臨界副都心に取り残された一万の人間を殺す。
    助けようと思えば助けられない道理はないのに、
    無名の他所を人間と捉えられない想像力の欠如、
    なにごとも合理で量る感性の摩耗が人を殺す。」

    と、世の中を冷静に見極めたうえで、

    「個々人が指の先ほどの美徳を発揮すれば、
    がんじがらめの世界が救われる余地はいくらでもある。」

    というシーンへと発展させる。
    この辺りの美しさが、たまらない。

    それから主要メンバーの幕の引き方、
    ラストシーンへの展開の見事さ、
    朋希と一功の戦い、戦い後の状態、
    そのどれもが完璧すぎて。

    さすがにこれだけ何冊も出してくれると、
    主人公とその仲間(味方?)は死なないのだろう、
    という予想はたってくる 笑

    でもそれに関して不自然だとか、そんなことはもう思わない。
    非現実的なことといったらどうせ、お台場が戦場になることからして、
    「作り物」以上の何ものでもないから。

    登場人物も、誰もかれも好き。最高。
    人間くさい描写が特にないのに、
    (性的な言葉はいっさい出てこないし、他愛もない描写・会話などもゼロ)
    ものすごく人間味に溢れているキャラクターが、
    大勢出てくる。
    どの世代のどのタイプの人間も、すべて好き。

    そして最後、参考文献のあまりの少なさに驚愕した。
    自衛隊や兵器、戦場、国際情勢、経済、右翼、左翼・・・
    何から何まで、専門的な知識に溢れているシーンを、
    圧倒的なボリュームと緻密な描写で構成しているにも関わらず、
    参考文献がたったの3冊って!!

    いったいどれだけの知識が、福井氏の頭の中には詰まっているのだろう。
    自叙伝的なものを読んだときには、
    ぜんぜんそんなタイプに思えなかったのに 笑
    ・・・とにかくまあ、すごすぎる人だ。

  • ★2011年度30冊目読了『Op.ローズダスト(下)』福井晴敏著 評価A
    いよいよ本書も最終巻。東京湾副都心に徹底的なテロを仕掛けて、平和ぼけした日本国民を目覚めさせようというテロ集団ローズダストは、計画通りに副都心を次々と破壊していく。並河警部補と丹原三曹は、当局からの追求を逃れながら、何とか”R"のテロを食い止めようとするが、、、、、

    最後までスピード感が衰えず、ストーリーの進行も予想外。息をつかせない展開で最後まで突き進む。
    随所に述べられる日本政府、日本国民への厳しい批判、見解は、非常に切っ先鋭く、物語のせりふというより、現実問題への考察として、参考になる部分が多く、考えさせられる。

    うーん、福井晴敏は面白い。この作品の映画化の計画はないのだろうか?映画になったら、ぜひ見てみたいと思う。
    さあ次は、買いおいた亡国のイージスに取り掛かろうか?!

  • 全部読んだけど、とても切ない。
    フィクションなのはわかるが、切ない。

  • 大変面白く読ませていただきました。物語の流れは丁寧過ぎる位丁寧でした。この小説を読む前も警察と自衛隊の小説をよみましたが、こちらのほうが面白かったです。ただ残念なのは下巻は映像での表現がわかりやすい。正直、文章では私の読解力では把握出来ない。

  • 毎度おなじみの「この国」のネジレの指摘。
    超絶能力の主人公、哀愁ありつつ熱いおじさん、残した家族、権力争いする官僚、玉砕覚悟の特攻、アメリカの手の中にいる日本、、、著者の日本軍、自衛隊シリーズはこれで打ち止めとなった。

    Twelve Y. O.(講談社、1998年/講談社文庫、2001年)
    亡国のイージス(講談社、1999年/講談社文庫、2002年)
    川の深さは(講談社、2000年/講談社文庫、2003年)
    終戦のローレライ(講談社、2002年/講談社文庫、2005年)
    6ステイン(講談社、2004年/講談社文庫、2007年)
    Op.ローズダスト(文藝春秋、2006年/文春文庫、2009年)

  • 読み終わったとき最初に浮かんだのは「長かった」の一言

  • 小説

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著者プロフィール

1968年東京都墨田区生まれ。98年『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。99年刊行の2作目『亡国のイージス』で第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞長編部門を受賞。2003年『終戦のローレライ』で第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞。05年には原作を手がけた映画『ローレライ(原作:終戦のローレライ)』『戦国自衛隊1549(原案:半村良氏)』 『亡国のイージス』が相次いで公開され話題になる。他著に『川の深さは』『小説・震災後』『Op.ローズダスト』『機動戦士ガンダムUC』などがある。

「2015年 『人類資金(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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