インドの衝撃 (文春文庫 編 19-1)

制作 : NHKスペシャル取材班 
  • 文藝春秋
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167773175

感想・レビュー・書評

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  • 2007年に3回シリーズで放映されたNHKスペシャル「インドの衝撃」をベースに執筆された本。
    10年前の情報ではあるけれども、目覚ましい産業発展と貧困の混在というインドの状況は大きくは変わってないんじゃないかなぁ。何れにしても、人口の圧倒的な多さからくるパワーと、したたかで現実的、出鱈目感満載だがだが何処か筋を通す潔さも持ち合わせたインド。インドに魅了される人が居ることも分かるような気がする。

  • 2009年(底本2007年)刊。

     タイトルどおり、インドの衝撃的な今を読み解く書である。

    ① 教育(数学と思考力養成教育(=「何故」を突き詰め、「どのように課題を実現するか」を問い続ける)が軸)。
    ② 格差問題と国民の識字力が未だ不十分な実情。
    ③ IT産業を軸とするインド経済と、外資たる韓国企業の印への浸透の深さ。
    ④ 外交。米・英・英連邦・欧州・中国に目線を送る印。就中、核・経済を巡る米との関係。
     中でも注目されるのは、印系米国人や米国在住インド人の米議会へのロビー活動等の影響力行使である。

     なお、1991年にはインドの外資準備高が僅か12億㌦であった。つまり、91年時には、インドのデフォルトの危険がそこまで迫っていたことになる。
     これは意外でもあり、隔世の感でもあるところだ。

  • NHKスペシャル「インドの衝撃」取材班によるレポートをまとめたもの。取材班が目にしたインドの描写は詳細であり、私は放送は見ていないが、映像が浮かんでくるようだった。本書は少し古いが、私が2013年に旅行した時に目にしたのと同じような光景が描かれており、取材当時と本質はあまり変わっていないように思う。インドは国家統計等が他国に比べ正確でなく、実態が非常につかみにくいため、こうした地に足のついた現地取材のレポートは価値があると感じた。

  • インドの摩訶不思議さと斬新さ、エネルギーには圧倒されるが、内容に大胆な展開が見られず終始同じ論調かな?

  • 続編が面白かったので、読んでみる。

    インドでIT産業が成長したのは、工業製品の二次産業と違って初期投資が不要であったこと、コピーが容易であったことから資本の足りないインドでも成長することができたこと、による。ソフトウェアの外注を手始めに受託することにより、LSI、MSビスタ、ボーイングのジェット機にいたるまで、システムの中枢を学んでいった。

    考えてみれば90年代後半から、2000年のY2K問題、米国ゴア副大統領のスーパーハイウェイ構想などでインターネットが急成長しなければ、インドのIT産業はこれほど成長しなかっただろう。

    一方でインド農村部の識字率はいまだ7%前後といわれる。しかも統計のとりかたに信頼性がなく、自分の名前と数字が読めれば識字にカウントされているという。米国のバイオ大手が2倍綿がとれるという遺伝子組み換え綿花種子をインドの農民に購入させたものの、農民はその取り扱い説明書を読むことができなかった。実はその遺伝子組み換え種子には、大量の肥料や農薬を使用しなければならず、その購入代金の負担に耐えられずたくさんの綿花農民が多数自殺に追い込まれているという(「コットンベルトは自殺ベルト」より)

  • BRICSの一員として猛烈なスピードで発展しつつあるインド。その背景にある数学教育、中間層の消費意欲、女性の社会進出などの現状がよくわかる。またアメリカを相手に一歩も引かない原子力外交など、インドのしたたかさを克明に紹介。その反面、発展から取り残されて破産し、自殺者が後を絶たない農村部の悲劇など、問題点もあるのは間違いなく、中国、インドという大国がこのまま発展を続ける事が可能なのかどうか、予断を許さない。個人的にはこの人口がすべて豊かになるには資源が足りなさすぎるように思うのだが...

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  • インド,それはカレーとITと紅茶の国。
    それが私の持つインドのイメージだった。

    そもそもインドに興味を持ったのは社内であったインドでのIT研修の募集に関するメールであった。
    場所は当然バンガロール。
    当時というか今もだが,ダージリンばかり飲んでいた私が興味を持ったのは自然の流れであった。
    早速Googleマップで場所を調べてみて私は落胆した。

    『ダージリンとも,ましてやアッサムとも全然違うところじゃん!っつかセイロンの方が近いし!?』

    ということで,インドでの研修に応募するのは止めにした。
    そもそも研修とか教育って眠くなるだけで大嫌いだからね。

    で,そのころからインドについて少しずつ知りたくなってきた。
    あれだけの地理的な面だけでなく大きなインドをその名でひと括りにして考えて良いものなのか。
    10以上もある主要言語,今なお残るカースト制,タージマハルにダライ・ラマ,そして今なお増え続ける10億以上の人口。

    インドに魅せられる人が多いのもわかる気がする。

    本書はそんなインドの現状について知るための取っ掛かりとして読んだわけだが,その目的は十分果たしてくれた。

    まだまだ知りたいことは多い。

  • (後で書きます)

  • 世界の最先端をいく技術者がいる一方で貧しい暮らしをしている人々の数も莫大なインド。様々な面を持ちながらも、インドは非常にパワフルに感じられる。これからどのように変化していくのか注目していきたい。

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著者プロフィール

長年「ひきこもり」をテーマに取材を続けてきたメンバーを中心とする、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材するプロジェクトチーム。2020年11月に放送されたNHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」の制作およびドラマ「こもりびと」の取材を担当。中高年ひきこもりの実像を伝え、大きな反響を呼んだ。

「2021年 『NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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