ソロモンの犬 (文春文庫 み 38-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 747
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167773502

作品紹介・あらすじ

秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の死で破られた。飼い犬に引きずられての事故。だが、現場での友人の不可解な言動に疑問を感じた秋内は動物生態学に詳しい間宮助教授に相談に行く。そして予想不可能の結末が…。青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、俊英の傑作ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 4人の大学生達は、彼らの教授の幼い息子の交通事故死と遭遇したことにより、友人関係が不安定になっていく。彼らの目の前で少年は、飼い犬に引きずられ事故にあってしまった。
    少しの違和感が事故への疑心となって、事故の原因を探してはじめる。
    あれやこれや事故に関する怪しげな事をこつこつと解消していきます。なかなかの創意工夫で正解まで楽しめます。
    大学生達は、事故に関しては悲しげだけど、コミカルさもあり、幻想的シーンもあり、道尾さんらしい作品かなっと思います。
    ソロモンの犬というタイトルほどソロモンしてないかなとは思ってしまいました。
    解説で、シャドウ→ソロモンの犬→ラットマンで初期青春三部作と知りました。また順番間違たかも。連作ではないみたいなので良いかな。

    • みんみんさん
      読んだはずだけど忘れちゃったな〜
      読んだはずだけど忘れちゃったな〜
      2023/05/16
    • おびのりさん
      道尾さんは、ちょーと、幻視みたいの入れてくるよね。そして、大学生の軽さがでてるから、忘れがち。
      道尾さんは、ちょーと、幻視みたいの入れてくるよね。そして、大学生の軽さがでてるから、忘れがち。
      2023/05/16
    • みんみんさん
      ちょっとオシャレな軽さね♪
      デビューした頃から何作か続けて読んだけど
      ちょっとオシャレな軽さね♪
      デビューした頃から何作か続けて読んだけど
      2023/05/16
  • ワンちゃんは、悪くない!
    いくら、ずっと仲良しだからって、大型犬に属してる犬を小さな子供に、リード持たせるのがアカン!

    そんなこと言ってると小説にならんけど…^^;

    子供がトラックに轢かれて亡くなる!
    これは事故なのか?
    巧妙な殺人なのか?
    やねんけど、何度もしつこいけど、ストーリーに関係なく、ある意味、殺人やとは思う。
    更に親も自殺…

    しかし、ええ学生生活してるな…の青春ミステリー…
    みんなキャラ立ちしてて、話は相変わらず屁理屈多いけど、軽快!
    間宮先生だけ、独特な雰囲気。名前もミチオだし…
    (良く出てくる作者の名前…)
    もっと、悲惨な最後を迎えそうな雰囲気やったけど、最後は爽やかな感じ。

    事件を通じて、彼ら彼女らは、一皮剥けるのかな?
    私は、まだ、その川は渡りたくないな…
    いずれは、渡るにしても…(SUN‘s)笑

  • ある日突然起きた事故の真相を追うことになった秋内が辿り着いた先には・・・
    冒頭から何か変な違和感?(言葉にするのが難しいのですが)があり、
    靄がかかったようなそんなイメージが終始ありました。
    怪しいなと思うような言動や行動を頭に残しつつ読み進めていき、
    終盤のシーンでは思わず「えっ・・・!?」と声を上げてしまいました。
    そしてその後、感じていた違和感、靄が少しずつ晴れていくように、
    物語の全体像がようやく掴むことができました。
    真相がわかっても尚、やりきれない気持ちになりました。
    未然に防げたことなのかもしれない、
    けれど必然で起こってしまった結果なのかもしれないとも思いました。
    悲しい話ではあったものの主人公のピュアさがところどころクスッと笑ってしまうようなシーンもあり、間宮に関しては中々癖にあるキャラクターで面白かったです。
    とにかく、オービーには幸せに暮らしていってほしいです・・・!!

  • 面白かった!重いストーリーではあるけれど、それほど暗い気持ちにならなかったのは、主人公の純愛や時々クスッと笑ってしまうシーンが上手く絡めてあったからかな。特に間宮先生のキャラが良かった!

    どんでん返しとまではいかないけど、トリックや伏線の回収が上手く書かれていて、最初から最後まで飽きることなく読めました。

  • 道尾秀介氏の魅力は、美しい文章、秀悦な表現…『洗ったように奇麗な満月』シビレた! そして仕掛けに次ぐ仕掛け。

    本書は大学生男女4人の青春ミステリー。
    助教授の10歳の息子が、愛犬オービーに引っ張られトラックに轢かれてしまう。なぜ、オービーは突然飛び出したのか? 
    偶発的な事故?策略された計画的なもの? 
    亡くなった陽介くんとオービーが不憫でならない。

    著者は、ホラー・明・暗といろんな作風を描くが、本書は切ない【明】ミステリー。目が先走り、結末に気が急き夜更かし読みした。

    ただ今回の仕掛けはちょいとやり過ぎでは⁈

  • 3回騙された(笑)
    道尾先生は『干支シリーズ』に縛られたくないとおっしゃってるようですが、『カラスの親指』とこれで2作目。
    他の作品も読んでみようかな。

  • 久し振りにドきついミステリーを読みたくて、道尾秀介!純朴な大学生・秋内、彼が准教授(椎崎)の息子の陽介の轢死を目撃した。犬のオービーが無理にリードを引っ張り、陽介が道路にはみ出し、トラックに轢かれた。オービーの奇怪な行動を暴く。実はオービーの行動は陽介を守るための手段だったことを知り、胸が熱くなる。友人の京也と椎崎のまさかの男女関係は想定外。この1冊で真相解明のみならず、大学生の不協和音、本気ではない悪意、複雑な人間関係、純愛、更には叙述トリックが多層にミックスされ、終始飽きさせない内容だった。

  • 切ない青春を思い出させる作品でした。

  • 青春味が濃いミステリだった。過去を振り返りながら現在と思われる部分を挟みつつ、終盤の収束に向かっていく。結構多彩な雰囲気を醸し出しつつ、話も進んでいくのは飽きが来ない。主軸がわかり難い感じはあったり、重要な要素っぽかったものが放置されたまま(ミスリード扱い?)だったり、全部腑に落ちるかというとそうではなく、騙された感が強い。爽やかな中に時々ダークサイドを差し込んでくるのも道尾秀介だなあと思ったりした。

  • 表紙の犬が目についたから買った一冊。

    大学生が事件の真相をさぐる話だった。

    事故だと思ったが実は連続殺人事件だったみたいな内容を予想してたが、全く違った。

    最初犬が悪者みたいな感じだったが、その反対で主人を守る為の行動だったのが良かった。
    ただ運悪くそれが事故になってしまったのが残念

    振り返ると、関係ないと思ってた事や人物が繋がりがあり、事故に関係していたと考えるとすごい話だなと思った。

    事故の真相はわかってもハッピーエンドではない印象の小説でした。

  • 夏の青春✕ミステリーで、私の大好きな貴志祐介さんの『青の炎』の世界観を感じられる作品だった。誰が犬を操って少年を殺害したのか疑り深くなり、皆の言動が怪しく思えた。ラストで悲しい現実はあったものの、事件の真相は私にとって納得できるものだった。

  • 星4.5
    まさかの展開と、仕掛の秀逸さに舌を巻く。
    読後感も爽やかな青春ミステリー。

  • 自分と同じ名前の登場人物がいて、しかも道尾作品と言う事で期待が強すぎたかもしれません笑

    恋愛的な面が多々あり青春を感じました。
    終盤は伏線回収やミスリードにそうだったのかと真実に驚かされました。


  • 初っ端、陽介くんが亡くなってからの
    周りの人間の心理描写があまりにも繊細でリアルで
    深く感情移入してしまった…
    入り込みすぎて読み進めるのが苦しかった。

    途中、間宮さんが登場し、秋内が本格的に推理?
    詮索?を始めたあたりから軽やかに読めるように。
    真相も腑に落ちてすごく良かったし
    ラストは本っ当に爽やか!気持ちの良い終わり。
    オービー…!!( ᵕ ᵕ̩̩ )

    道尾秀介さんは「向日葵の咲かない夏」で
    知った作家さんだったため、
    この作品でかなり印象が変わった。
    軽いミステリー好きにはオススメ出来るけれど
    本格派には物足りないかもしれない。

    それにしても間宮さん
    本当に良いキャラクターだなあ…!!

  • 男の友情を精度良く書いてくれていました。電車で読んでいて涙をこらえるのに必死でした。
    いい意味での裏切りや爽快な結末で大満足です。

  • 一気読みだった。登場キャラがそれぞれいい感じで、展開も面白い。最近は道尾作品に心酔している。いろんなドンデン返しにたびたび驚きながら、最後の結末は安心して寝れるわ。

  • 青春ってもどかしい。

  • やはりお金を払わなければ読めない小説には、それだけの力と面白さがあります。勉強量もけっこうなものと見受けましたし、そのあたりの真面目さも感じられるのに、文章には砕けたことを表現していて、なかなかに幅の広い人のようです。

  • 面白かった!午前に家事を済ませたからってこの本に夢中の午後。主人公が好きでした。謎を解明するために自転車走らせてすぐ動く行動力と、声に出さない妄想ぽい独り言がウブでたまらなく可愛かったです。職場でもオージー探しのために社長にかけあったりなかなかやるなあと思った。陽介くんの死の理由が悲しかった。動物先生はキャラ濃くて面白かった。いい先生すぎる。
    主人公と親友の軽口もテンポよくて楽しかった。
    犯人?は途中から想像ついたのですが、最後はどんでん返しがあって楽しめました

  • 大学生4人を中心の青春混じりのミステリー物語
    主人公秋内静
    友人京也
    京也の彼女ひろこ
    主人公が好意を寄せるひろこの友人智佳

    助教授の息子陽介
    愛犬オービーの暴走で死亡
    その謎を解明していく話

    動物学の先生間宮がとても重要で良い役

    後半トリックというか色々明かされていくのが明快で、楽しく読めた。

  • 秋内静含む4人の大学生の幼い友人の陽介が散歩中に事故死。
    秋内静は生物に詳しい大学教授の間宮と協力し犯人を突き止める青春ミステリー。

    終始伏線が沢山散りばめられていて登場人物みんな怪しく思えた。そしていくつか予想を裏切られた。最後のどんでん返しはしばらくよむのを止めたぐらいやられた。こうも予想を裏切られると気持ちが良い。

    動物の習性や特性が事件に繋がり、解決するヒントにもなっていたのがとても面白かった。

    京也はとにかくざまあみろ


  • メインは大学生の男女4人。冒頭のシーンと途中の話がなかなか繋がらなず、どう繋がるのかと頭を悩ませながら読んだ。最後はスッキリつながってうまくまとまっているなーという印象。意外と青春要素あり。

  • 「この中に、人殺しがいるのかいないのか」このフレーズから物語が動きました。なかなか引き込まれる始まりです。一体物語はどこに着地するのか、先が気になる作品でした。
    しかし、この本の魅力は物語だけではなく「登場人物のやりとり」にあると思います。
    非常にリアルで、あぁ…こんなやりとりしてたなぁ…と感じる場面が多々ありました。
    学生時代は多くの人が経験なさっているでしょうから、そこを楽しみながら読んでもGOODです。

  • 子供の死というのは読むとやはり辛い。でも最後良い終わり方で大満足。とても面白かった。

  • 表紙が犬ってだけの理由で購入して一年間寝かせてやっと読んだ作品。
    犬って書いてあるからてっきりほんわか系かと思ったら誰が殺したどうのと始まり、ミステリー好きなので一気読みしてしまった。
    最初の情景が最後になってから理由がはっきりわかるし、だれがどう関わったのかなども段々明かされるので誰が犯人か予想しながら読める。また、静が死んでしまった!?というびっくり展開で終わるのもある意味面白かったと思うが、きちんとオチがあり分かりやすいのでどなたでも読みやすいと感じる。マンマミーヤが最後では愛すべき男になったし、最後のページは声を出して笑ってしまった。みんなに幸あれ。

  • 後半、展開がゴロンゴロンひっくり返ります。これは予測不可能。

    動物学ミステリーとでも言いましょうか。犬の習性が事件のカギになるだけでなく、マンマミーヤの動物学的恋愛指南がイイですね。映像化するならカンニング竹山さんだな、と勝手に思ってますw

    どんでん返しはあるのですが、結末はなんか拍子抜けした感がありました。なんというか、期待してなかった裏切られ方というか。まぁ救いの無い後味悪い終わり方よりいいんでしょうけど。
    謎解きパートが火サス観てるみたいな感じ。

    恋するチェリーボーイ秋内くんのアオハル具合がクスッときて愉快です。人が死ぬのは御免だけど、こんな感じのキャンパスライフ送ってみたかったなぁー…

  • 犬が好きなので楽しめました。

    殺処分とかそんな結果ではなくよかったな。

    犬の飼い主への愛からくる暴走としてくれたのが救われました。

    結果的には亡くなっているから、犬にとっても親子にとってもとても悲しい話だけどね。
    なぜかずっと文章に爽やかさが漂っていました。

  • マザーグースの童謡では、こまどり(クック・ロビン)殺しの犯人は自ら名乗り出てくれる。だが現実はそうはいかない。

    助教授の息子の事故死…。
    飼い犬の暴走により失われた幼い命。

    その瞬間を目撃した秋内はある疑惑を抱き、友人らの行動を振り返る。順調に思えた京也・ひろ子カップルは不穏な雲行き、片想いの相手 智佳の様子もどこかおかしい…

    道尾氏お得意のミスリードに今回も気持ち良く騙された。少々強引な感もあるが…

  • 20131210読了。
    青春ミステリー。
    少年の事故死の原因を探りながら、友達の秘密や真相に迫る。
    読み進んでるうちは面白いんだけど、結末が少し現実離れしているような気がしないでもない。ただ単に私の知識不足なのかもしれないけど。想像してなかったし、以外な転回というならそうなのかもしれないけど。
    道尾作品は、2冊目。『向日葵の~』が衝撃的でもやもやを一掃してくれただけにちょっと「うー…ん( ̄ー ̄)」かな。
    読む順番って発行した順番とか大事なのかな。いや、気分屋の私には無理だ 笑
    道尾作品はホラーっぽいのがあると思うんだけど、ホラーは苦手なので気を付けてwまた読んでみようと思う。

  • 道尾秀介さんの本は3冊目。
    「ひまわりの咲かない夏」はぐんぐんひきつけられましたが、そこはやっぱりホラー。
    あの独特の読後感。恐いもの見たさと言うか・・・
    「ソロモンの犬」は交通事故死した少年がなぜ事故にあったのか、その謎を大学生4人が探っていくうちに、様々なものが見え隠れする。
    ミステリーでありながら青春小説のような。
    途中でやめられなくなって一気読み。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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