天平冥所図会 (文春文庫 や 37-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167773632

感想・レビュー・書評

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  • 奈良時代、平城宮を舞台にした、ファンタジー時代小説。
    歴史的出来事が自然と頭に入るストーリー。
    政策や庶民の仕事、暮らしぶりなど、当時の雰囲気も伝わる。
    主人公側はみんないい人で、ユーモラスで楽しい。
    当時の正式な漢字表記にこだわったのか、固有名詞や用語に難読なものが多く、読みにくかったのが残念。

  • 名前の読み方で苦労したが面白い話だった。この人の小説をもっと読みたい。

  • 2010-04-00

  • 葛木戸主、和気広虫、和気清麻呂、吉備真備、吉備由利など実在の人物を中心に、葛木戸主、和気広虫夫妻が孤児を養育し、成人した際に養子にしたなどの史実を踏まえながら、主人公たちが、うつし世に現れた人の魂(幽霊?)の心残りを解決する。

    よく構成された小説だと思う。

  • 和気広虫・清麻呂姉弟を主人公とし、吉備真備・由利(架空人物?)親子を配して、仲麻呂・道鏡を失脚させる物語。広虫の夫が亡霊になるなど、少し荒唐無稽ですが、そもそも宇佐八幡宮の神託を聞くというクライマックスからすると必然性があるのかも? 清麻呂が宇佐八幡宮の神託を確認し、いよいよ称徳天皇と道鏡の前で宣言する場面は臨場感・迫力がありました。恐らくそのような場面だっただろうと思います。しかし、真備や清麻呂・広虫など歴史上の人物がどれも小さくなってしまうことはイメージが崩れます。

  • 平城京を舞台に繰り広げられるミステリの要素を加味した歴史ファンタジー。大仏建立や道鏡をめぐる事件などの歴史的事象を題材に、権謀術数が渦巻く権力の中枢を描きながら、人情の機微やお互いを思いやる夫婦愛まで盛り込んだ欲張りな作品。

  • 「天平時代」は、その名前とはほど遠く、陰謀渦巻く、血生臭い時代でした。本作では、大仏鋳造、仲麻呂の台頭、仲麻呂の乱、道鏡事件とテーマごとの連作とし、ほのぼのとしたユーモア漂う日常をベースに読みやすく、天平を案内してくれます。全体的にペーソスが基調にあり、読後は切なさを感じました。

  • 奈良時代のお話です。といっても時代劇ものではなくて。史実にユーモアと憎みきれない怨霊が混ぜて書かれてあってとても面白く読めました。が、ときどき(否、頻繁に)難読な漢字が出てきて、「よ、読めない。。。」ってつまずき多々です。読むの時間が思いのほかかかりました。
    怨霊のことを憎みきれないと書きましたが、無念の固まりだったり、怨んで出てくる時の彼らはとても恐ろしいく書かれていてゾッとします。それがまた良いアクセントになってました。

  • 2011.11.15読了。

    「閉鎖病棟」を読み終えて、今度は真逆の世界。死んでも生きてるのかもしれない。日本語おかしいけど、そんな感じ。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、家電メーカー研究者となる。98年『オルガニスト』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。01年『われはフランソワ』で直木賞候補。現在は専業作家として、良質な作品を上梓し続ける。

「2014年 『暴走ボーソー大学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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