インシテミル (文春文庫)

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著者 : 米澤穂信
  • 文藝春秋 (2010年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167773700

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インシテミル (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 外部と隔絶された空間での人文科学的実験の被験者、時給1102百円、1日の拘束時間は24時間、期間は7日間。
    そんな破格のアルバイトに応募した男女12名。
    地下の部屋に通された12名は、実験の目的とルールを知る。人を殺した場合、殺された場合、殺した人を指摘した場合、ボーナスが出ます…
    各参加者にはそれぞれ異なる武器が与えられている。
    当初は冷静に対処しようとしていた面々だったが、3日目の朝に死者が出る…。

    閉ざされた空間での殺人ゲーム。
    3日目の夜のあたりは特に、怖い怖い怖い、と恐怖でした。
    途中、「ええええこの人死んじゃった?!」と、続きが気になって気になって。。
    後半は心理戦というより解決に向けた推理中心で少し拍子抜けかも。
    でももしこれが、全員がお金に困ってボーナス点を虎視眈々と狙っているような状態だったら、もっと違う話になったんだろうなぁ。
    それはそれで読んでみたい気もするが、カイジとかの二番煎じになっちゃうのかな?

    すごくどきどきして面白かったし最後の終わり方も好きなんだけれど、いくつか解消されない疑問があって。
    特に、犯人がお金をほしかった理由について、読者の想像にゆだねすぎな気がする。
    気になってネットで色々見たけれど、みんな「?」で終わっているみたい。
    これは、もっと推理できる材料を与えてくれてもいいのにな。
    あと、あの人がこのゲームに参加した理由も納得がいかないなぁ。。
    どんだけ豪胆やねん、と思う。異次元の人なんだきっと。

    こういう閉じられた空間で複数人が死んでいくクローズドサークルものを読むと、自分だったらどう行動するかとか、この中にいた場合の立ち位置を考えてしまう。
    私はチキンな妄想家なので、狡猾な犯人役や冷静沈着な探偵役には絶対なれなくて、途中で「もういや!こんな場所!誰も信じられない!」とパニックに陥ってひとりで部屋に籠り、後で部屋で死んでいるのを発見されちゃう系の、中途半端な(2人目か3人目の)被害者あたりかしら。
    でもできれば、名探偵の推理を拝聴して驚き、「そ、そうだったの、〇〇さん!どうして!」とか言ってる脇役生存者がいいな(笑)。
    まぁ今や、外部との接触が許されない場所なんて、ミステリーの世界以外には残されてないと思うのだけど、そんな妄想もけっこうコワ楽しい。

    ちなみに、寝る前に途中まで読んでから寝たところ、悪夢にうなされて起きました。夜読む方は気を付けて。

  • 伏線がすべて明らかになってはいないので、ちょっとモヤモヤが残るが、設定としては面白いな。

  • バトルロワイヤルとライアーゲームを足したような感じ。
    半分意外で半分予想通りだった。
    読みやすくて一気に読んだ。

  • 映画化もされた作品。

    地下閉鎖空間で、男女12人が主催者の「悪質」なサバイバルゲームに翻弄されていく話。

    「シークレットゲーム」や「クリムゾンの迷宮」でも使われた設定なので、使い古された感は否めない。
    ストーリー展開も「意外性」が少なく、登場人物の「個性」も中途半端。

    米澤作品の中で世間的には代表作ととらえられているが、単純に「おもしろさ」から言えば全作品中でも下のほうだと思う。

  • 推理小説というのは久しく読んでなかったが、この作品はとっかかりやすく、最後まで楽しめたと思う。
    読み進めていく上で、ともに推理を進め、後に覆されるという口惜しさを楽しめた。
    最後まで読んで、やはり、と思わされるものが多かった。オチはすごくよかったと思う。

  • 途中までは、設定や人間関係の緊迫感がすごく面白かった。けど、最後の方は、ちょっと物足りなかった。

  • 否定的な感想、以下、ややネタバレあり。
    登場人物の思考や行動が単純すぎる。皆中学生であればちょうどいいと思えるくらい。
    理不尽とか非論理的なのではなく、無・論理的。
    ストーリーに都合のよい思考や行動だけをさせているからそうなってしまうのか。
    バトルロワイヤルやキューブ、ソウといったお話のような舞台装置を使ってみたかったので書いてみましたー、という感じ。
    ありえない設定を使うというのは物語の醍醐味だから、それを否定するものではもちろんないが、その設定をいかにもっともらしくして引き込んでくれるかというのが、少なくともぼくが期待すること。けっこう複雑な設定で、「主催者」もずいぶん饒舌であるのにも関わらず、そこに何らかの一貫性や根拠を感じさせるものがないので、逆に非常に嘘っぽくなってしまっている。
    さらに、その極端な設定の中でこそ、登場人物たちの振る舞いが人間の業や性を露わにする、そこにそうした設定を持ち込む意味があるはずなのだが、閉鎖空間の中で人の死をもたらすことに対しての葛藤や煩悶がほとんど感じられず、人を殺すことや殺人をあえて傍観することに対する動機の重さも描かれない。なので感情移入がしにくく、何かドット絵のキャラクターをやっつけるゲームをぼうっと見ているかのような感覚。
    「殺人をゲームのように楽しむとは!」と言っているのではないですよ。架空のことなのだから、そこで起こる殺人を題材に「楽しむ」のは小説ならでは。
    でも、この小説は、物語を楽しむというよりも「設定」を楽しんでいるにすぎないのではないか。

    設定の嘘っぽさについては百歩譲るとしても、このような「設定だけを楽しむ」話がそれなりにウケているようであることは、ぼくを不安にさせる。
    深く考えない、想像することをしない。小説自体がそのようになっているし、作者も読者にもそのことを求めていない。そしてウケているということは、読者もそれで満足しているということ。
    ぼくは、「生きている人間の姿」がないのでツマラナイと思うのだけれど、これが面白いのだとするならば、生きている人間の姿などあまり見たくない、という人が多いということなのかもしれない。
    想像力を働かせるよりも、目の前の事象に単純に反応することが「生きること」になってしまっているのかもしれない。

  • どういうオチなのだろう? と不安になりつつ読んでいたが
    思っていた以上にしっかりオチがあって、唸らされた。

    主催者の意図がどういう形で語られるのかと思っていたが
    最後まで語られることはなく・・・「興業」という言葉に代弁される

    鬼気迫る中の緊張感の描写は、うまいな~と

    登場人物が多い割に、キャラ付けがしっかりしていて
    その点では読みやすかった

    ストーリー自体は不気味だが面白く、読みやすくはあったけど
    著者はなにを伝えたかったのか

    欲望に理性が支配されてしまった人間
    男気あふれるやつ、姑息な奴
    プライドに支配される人間

    いろんな人がいるということか
    想像もできないけれども、自分だったらどうするだろう・・・

    もしかしたら、小説を読んでいる自分自身は
    主催者の立場から傍観し、ともすれば楽しんでしまっているのかもしれない
    そんな自覚は全くないけれども・・・ ある意味、危険な小説

  • 先が気になって一気読みだった。
    こういう枠組み(ルールとか)を考えるのっておもしろそう。
    結城がなんか違和感があるというか、不自然な感じがしてたけどそういうことかー。終わり方が意外な感じだった。

  • うまい話には裏がある、まさしく阿藤先生が言った通りだなと……。(読んだ方ならわかるはず)

    時給十一万という破格の給料且つミステリーゲームに参加できるなんて面白そうだが、誰が敵で誰が味方か、むしろ自分以外全員敵だなんて空間に七日間もいるなんて耐えられないし、自分が生き残ることはできなさそう。

    唯一残念なのは、関水が十億必要な理由がわからなかったことだが、下手なお涙頂戴話を書かれるよりはいいのかもしれない。

    それにしても結城はとんでもない人物に目を付けられたと思う。
    「疑心暗鬼」の次は「明鏡止水」だなんて悪趣味にも程がある。

    所々随所にちりばめられた様式美のミステリーモチーフは好き。

    最後まで読んでから、最初のどのような目的でバイトに参加したかを読むと、多分あの人がこれだと思うことができて面白い。

  • 「とある人文科学的な実験」のために、破格の報酬で集められた12人の男女。作り出されたクローズドサークルにネイティブ・アメリカン人形……ときたところで、「そして誰もいなくな」るんだろうな、という気がしてくる。

    それどころか、ノックスの十戒からまだらの紐から、ミステリ的小道具がオンパレード。ぼくの知ってたものだけでこれだけあったのだから、ミステリ好きならあちらこちらでニヤリとさせられるに違いない。


    そもそもパロディを理解できる、ということは、それだけで高度な「文化資本」だ。パロディがパロディとして成立するためには、それを皆が知っていて、理解してくれるだろう、という前提(「教養」とも呼ばれる)が必要になる。枕草子「雪のいと高う降りたるを〜」の段をひいてくるまでもなく、パロディとは、知る者同士でなされる排他的な(そして伝統的な)コミュニケーションなのである。


    けれどこれは本質ではなくて、前提知識が全く無くても、そこそこちゃんと楽しめる(知ってればもっと推理できたのに、と悔しくはあるが)。でなければ映像化するほど売れてもないだろうしね。

  • この作品には脱帽。
    語彙が貧困で申し訳ないが
    エンターテイメントとしての小説の
    ほとんど全てを備えていると感じた。

    その論拠はあくまでも
    自分が読了後に得た
    満足感の強さでしかないのは
    心許なくも申し訳なくもあるのだが。

    関水の向かった先は知りたいのだが
    4時間以上ぶっ通しでこの作品の中に
    没入していた私の頭は疲労困憊。

    ミステリーである限り 私もずっと
    独自の推理を展開しながら読んでいたが
    この作者には到底太刀打ちできなかった。

    私が好きになれなかったジャンルにおいて
    これまでのところ私を最も唸らせた作品。

  • 多額の時給で集められた12人の男女。とある地下施設に閉じ込められ、より多くの報酬をめぐって、参加者同士で殺し合い犯人を当てるよう要求されるのだった。
    今更という感じもありますな。米澤作品はデビュー当初に数作読んで、何故か遠ざかっていました。今回ふと気になり手に取ってみると、これが滅法面白い。何故今まで読んでいなかったのかという思いです。
    いわゆるクローズドサークルもので、他にもあれこれとミステリのお膳立てが整えられているのですが、ことごとく肩すかしのようになるのです。あれ? と思っていると、そのこと自体が物語の骨格を為すものに直結していることがわかり、俄然面白味に拍車がかかるのです。物語終盤にミステリに慣れた目で俯瞰視されることで見えてくるズレ、それをもう一度包括する主人公の思考という構造の面白さにうなりました。
    そうかミステリに興味ない人だと、探偵の推理も届かないのだなと当たり前のことですが目から鱗が落ちる思いで、それを物語の展開に活かすことに驚きました。これはまさにミステリ愛に満ちた作品ではないでしょうか。今更ではありますが、米澤作品を読んでいきます。

  • 本作、前々から気をなっていたのだが、やっと読んだ。 タイトルからは内容が全く予想出来なかったが読み始めると面白くて止まらなくなってしまった。 途中から「そして誰もいなくなった」を彷彿させるクローズドサークル物と明らかになってきたが、最後まで十分楽しめる作品だった。 暫く米澤穂信にハマってみたくなる。

  • 「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった―。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。

  • 少ない登場人物、移らない場所、時間の変化もない。
    このような状況の小説が個人的には好きだ。
    十分楽しめた。

  • 面白い視点、着目点だと思う。
    が、僕にとって命の取り扱い方が軽すぎ
    た。

  • 初読時は、ミステリとして読んでいたのでラスト付近の計算の面白さを感じた。今回はサスペンスに重きを置いて読んでみた。そうするとまた違った発見があった。day6 6で霧が晴れるのだ。ちょっと持ち上げすぎな感もあるけれど、「虚無への供物」を読んだときに似た錯覚を感じた。ミステリ好きがミステリの世界に突き落とされた感覚を追体験したというか。じりじりと追い詰められた先にこんな奇妙な開放感があるとは。この感覚を味わうためにときどき再読したいなと思った。

    以下ネタバレ
    day6 6までも推理というものに多角的な考察がある「全員が安心感を感じるように誰かを犯人と指摘し、いったん犯人を造り出して監獄へ送り出す」や「論理的な推理で正しい犯人を指摘することにより、それが再び『新たな殺人者』がいるかもしれないという不安を煽る結果になってしまう」や「間違った推理でも多数決の論理で犯人がねつ造される」など面白い推理合戦が行われる。これらは極限状況の心理を巧く利用しているので、サスペンスとしてもどこか無理矢理な現代のクローズドサークルものと福本的なギャンブルの融合だったと思う。
    しかし、day6 6で結城が監獄に閉じ込められてからは一気に浮き世離れする。本格ファンが残された人々をモニタで見ながらミステリ談義に花を咲かせるのだ。これは一種悪趣味でありながら読者自身を投影させられるような奇妙な味の小説になる。(これはメタミステリともまた違うだろうか)
    そして、所謂福本のお家芸のような金銭の計算。「どうすれば目標額まで辿り着くかを目指した犯人」と、最後の最後に「自身の金を擲って犯人にこれ以上犯罪を犯させない主人公」。館での最後のシーンはもうミステリというよりカイジだなぁと思いつつ。こういう趣向のミステリは心を何処に置くかで評価が変わってくると思う。恐らくday6 6以降の展開を露悪的に捕らえる向きはあるだろう。私は好きです。としか言いようが無い。

  • ひと言、面白かった。単なる殺人ゲームではなくて、矛盾のないストーリーの組み立て、巧妙なトリック、凝ったルール、エピローグまでの納得感があって、終盤はやめられなくなった。映画もあるようだが、あまり期待出来ないので見るのはやめておこう。

  • 映画を見てから読んだけど、映画も同じ内容にすれば良かったのにと思った。

  • 最後の方まではどんどん面白く読めたのに結末がはっ?ってなる。。。
    中途半端だ。。。

  • ふつーに面白かった。
    ミステリーって感じ。

    ただ、結局登場人物の背景がよくわからないままだったり、主催者も謎のままだったりでスッキリはしないかなぁ。

  • 一人一人の持つ武器、それぞれの立場などを考えて、どのような展開になるのかをハラハラしながらも楽しめる内容でした。最後の展開が少し強引な気もしましたが、あの後を引く終わり方だからこそいいんだなとも思いました。

  • 好きで何度も読み返してる作品。

    初朝にお互いのメモランダム確認とカードキーの破棄が出来る手もありますよね…まったくもうっっ(・ω・)…と、祥子さんは思ったのかも笑

    でも人間そんな上手いことできてないよ〜って思った。何度読んでも面白い

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インシテミル (文春文庫)の作品紹介

「ある人文科学的実験の被験者」になるだけで時給十一万二千円がもらえるという破格の仕事に応募した十二人の男女。とある施設に閉じ込められた彼らは、実験の内容を知り驚愕する。それはより多くの報酬を巡って参加者同士が殺し合う犯人当てゲームだった-。いま注目の俊英が放つ新感覚ミステリー登場。

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