武士道エイティーン (文春文庫 ほ 15-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167780043

作品紹介・あらすじ

宮本武蔵を心の師と仰ぐ香織と、日舞から剣道に転進した早苗。早苗が福岡に転校して離れた後も、良きライバルであり続けた二人。三年生になり、卒業後の進路が気になりだすが…。最後のインターハイで、決戦での対戦を目指す二人のゆくえ。剣道少女たちの青春エンターテインメント、堂々のクライマックス。

感想・レビュー・書評

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  • 対象的な二人の女子高生が繰り広げる剣道物語が、二人の決戦で終わると思ったら意外な結末となった。不完全燃焼と思ったら、続編へのフリとなったようだ。今作は今までの二人だけの独白のスタイルと違って、二人の師匠の過去や姉の恋愛、金魚の糞の後輩の独立等の独白があり、3年目(3作目)の締めのはずが、次の作品の序章となっている。またダークな誉田の一面も現れて来ている。お気楽な青春スポ根小説はどこに向かうのだろうか?

  • 2人の武運長久を願わずにはいられない。このシリーズ最高傑作でした。残すはあと1冊。香織、早苗が高校3年生、高校最後の全国大会でこれまでの想いを胸に2人が戦う。不覚にも電車の中で感動場面に遭遇、ジーンとなり鼻水、涙、涙。結局、2人の高校生活最終決戦で早苗の靱帯損傷が悪化し最後は力尽きる。その時、香織は早苗をお姫様抱っこして寄り添う。今回は緑子、伶那、桐谷家、チンピラ吉野、美緒の過去、想いなどが交錯し、それも相まって武士道の奥深さが顕著になる。香織が大学、早苗が浪人、今後の展開がとても気になります。


  • 大好きな武士道シリーズ
    今回も最高でした!
    前作から気になってた吉野先生の過去。
    緑子の恋のお話し。
    田原、黒岩、香織、早苗の事
    桐谷先生の過去等々 かなり盛りだくさんの内容がギューって詰まってました
    過去の青春と現在の青春が入り混じり、悩んだり前向きになれたり、自分を知り成長していく姿にすごくジーンときました。次作も楽しみです。




  • 予想外に面白かった「武士道シックスティーン」の続編。の続編。
    名前もそのまんま「武士道エイティーン」です。

    いよいよ高3です。最後の大会!ここの部分は、一切触れないでおきます。磯山vs甲本、磯山vs黒岩。両戦いに決着が着きます。3巻の中で最もアレです。

     そして、これまでのエピソードを補完するように、緑子、桐谷先生、吉野先生。この3人の視点で回想録が入っています。ちょっと驚くような話しです。
    小説を書くうえで、ここまでプロットしてからメインのストーリーを描くのでしょうか?苦しくてページ稼ぎか?と思った自分が恥ずかしいほど、この3人の話も面白いです。

    本題とは離れますが、文庫本の解説がやたら面白い。「そうそう!」と合いの手をいれたいほど。そしたら、解説書いてるの有川さんでした。納得。さすがです。油断ならない。

    3巻完結とは成っていないらしい。
    とりあえず、「武士道22」社会人になる時の希望と葛藤を交えて描いてもらいたいです。

  • 「武士道」シリーズの三作目です。磯山香織と甲本早苗の話し以外にもいくつかの再度ストーリーが収録されていて、そっちのほうが僕にずっと面白かったです。

    『武士道』シリーズ三部作の 最終巻です。この本は少し前に読み終えました。で、今これを思い出し思い出しながら書いておりまする。本編である磯山香織と甲本早苗の話以外にもいくつかのサイドストーリーが収録されてあって、僕は本編よりもむしろそっちのほうを楽しく読んでいました。特に、磯山香織の剣道の師である桐谷玄明の家に伝わる「闇」の部分が圧倒的なリアリティでした。

    それがなんなのかはこの本で読んで確かめていただくとして、ヒントを少しだけ書いていくと、昔から剣と言うものはそういうものであって、特に戦争中に関するくだりには作者のことを『この人本当によく調べて書いているよなぁ』と舌を巻くことしきりでした。

    そして、肝心の本編である磯山香織と甲本早苗の二人が追求する『武士道』というものそれぞれカタチは違えどがさわやかででいいです。磯山香織の時代錯誤的な『武運長久を祈る』という文句がまたとてもイカしていて、大学に入っても『鉄拳制裁』というロゴの入ったTシャツを着ている彼女はとてもほほえましく思えました。

  • 若い子向けの青春小説だと侮っていたが、40代のおばさんでも十分に楽しめる作品だった。

    いよいよというか、とうとうというか遂に高校三年生。
    ここまで来ると気持ちは彼女たちのお母さん目線。
    二人とも頑張れ~!と心の底から応援してしまう。

    待ちに待った彼女たちの対決やいかに!!

    それ以外も、様々な番外編が織り込まれており、ハラハラドキドキワクワクの詰まった一冊だった。

    読後実に清々しい気持ちになる(*^^*)
    そんな一冊。

  • 「シックスティーン」で香織と早苗は出会い、お互い衝突しながらも剣道を通じてよき仲間に・・

    「セブンティーン」で早苗は福岡に・・離れてはいてもお互い切磋琢磨しながら剣の道を突き進み、よきライバルに・・

    「エイティーン」・・2人にとって最後の戦い。高校生最後の夏。
    早苗は膝の怪我をしながらも香織との試合のために調整し、お互い剣を交える楽しさを実感しながらの試合。
    最後立てなくなった早苗をお姫様抱っこをしながら退場する香織の勇姿に感動。

    3作読み終えて2人の成長していく姿に感動したし、何かに打ち込める高校生ってやっぱりいいな~と思う。

    スピンオフの早苗のお姉ちゃん、緑子のお話がまた良かった。
    お姉ちゃん、健気でかわいすぎ。切ないな~

    • まろんさん
      わ~いわ~い、noboさんも武士道シリーズ制覇おめでとうございます゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。

      大事な竹刀を放り出して早苗に駆け寄っ...
      わ~いわ~い、noboさんも武士道シリーズ制覇おめでとうございます゚.+:。(ノ^∇^)ノ゚.+:。

      大事な竹刀を放り出して早苗に駆け寄って、
      極め付けのお姫様抱っこ♪♪♪
      もう、感動の嵐でしたね!

      セブンティーンまでは、なんとなく女王様然としてた緑子が
      自分へのご褒美に、留守電に耳を傾けるシーンのけなげさには、ぽろぽろ泣きました。
      ほんとに、誉田哲也さんには、こんなふうに
      爽やかに感動できる路線の作品ももっともっと書いてほしいですよね!
      2012/09/11
  • 2人だけの話ではなく、周りを取り巻く人たちからの視点、また過去などが散りばめられた一冊でした。
    剣道をしていた人間が読むと、絶対またやりたいと思える本ですね。
    久しぶりに素振りや掛かり稽古したいなぁ。

  • 武士道ジェネレーションを読むためにシックスティーンから読み直したんだけど、
    やっぱりグッとくる。何度も。
    スポコン的なの好きなんだよな、俺。

    剣道に限らず、武道をやる少年少女には是非読んでもらいたい。
    あ、俺、武道やったことないけど。

  • 本作は、いよいよ高三インターハイ団体戦での香織と早苗の対戦、そして個人戦決勝での 香織 VS 黒岩伶那 因縁の対決でクライマックスを迎える。ただ、本編の間に関係者の前日談というかサイドストーリーがいくつも挟まっていて、これもこれで面白い!

    「バスと歩道橋と留守番メッセージ」は早苗の姉(緑子)と岡巧のちょっと悲しい恋愛事情、「兄、桐谷隆明」は桐谷道場を巡る因縁のお話(明かされる玄明師匠の過去)、「実録・百道浜決戦」は福岡南の吉野先生の昔の武勇伝。

    やっぱり、スポーツものは読んでてワクワクするなあ。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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