まんまこと (文春文庫) まんまことシリーズ 1 (文春文庫 は 37-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167783013

感想・レビュー・書評

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  • 「畠中恵」の連作時代小説『まんまこと まんまことシリーズ1』を読みました。
    『ねこのばば しゃばけシリーズ3』に続き、「畠中恵」の作品です。

    -----story-------------
    江戸は神田、玄関で揉めごとの裁定をする町名主の跡取りに生まれた「麻之助」。
    このお気楽ものが、町の難問奇問に立ち向かう。
    ある日、女好きの悪友「清十郎」が「念者のふりをしてくれ」と言ってきた。
    嫁入り前の娘にできた子供の父親にされそうだという。
    本当の父親は一体誰なのか。
    -----------------------

    揉め事の裁定をする町名主の跡取り息子「麻之助」… このお気楽ものが、町名主のもとに持ち込まれるさまざまな揉め事に取り組んでいく、時代モノの人情ミステリまんまことシリーズの第1作にあたる作品です。

     ■まんまこと
     ■柿の実を半分
     ■万年、青いやつ
     ■吾が子か、他の子か、誰の子か
     ■こけ未練
     ■静心なく
     ■解説 吉田伸子

    嫁入り前の娘「おのぶ」にできた子どもの父親を捜し出すだけでなく、「おのぶ」たちの将来や気持ちの落としどころまでを見据えた落とし前をつける名裁きが見事な『まんまこと』がイチバン印象に残りましたね、、、

    それぞれの物語が短篇としてクオリティが高いのですが、それぞれの短編がつながって、大きな物語を紡ぎだしていく展開が素敵でしたねー 「麻之助」が生真面目さを脱ぎ捨てた理由や心境の変化の由来が伏線として巧みに散りばめられて、その答えが得られる『こけ未練』も忘れられない作品でした… 「麻之助」と「由有」の関係は切ないですね。

    "まんまこと"って、"真真事・ほんとうのこと"という意味だそうです… ぴったりのタイトルですね、、、

    しゃばけシリーズよりは、まんまことシリーズの方が好みですね… 機会があれば、本シリーズの第2作以降も読んでみたいですね。



    以下、主な登場人物です。

    「高橋麻之助(たかはし あさのすけ)」
     神田の町名主の後取り息子

    「八木清十郎(やぎ せいじゆうろう)」
     隣町の町名主の後取り息子。麻之助の幼馴染

    「相馬吉五郎(そうま きちごろう)」
     武家の生まれ。現在は同心見習い。麻之助の幼馴染

    「高橋宗右衛門(たかはし そうえもん)」
     町名主、麻之助の父

    「おさん」
     宗右衛門の妻

    「八木源兵衛(やぎ げんべえ)」
     隣町町名主。清十郎の父

    「由有(おゆう)」
     その妻。麻之助らより2歳年上の幼馴染

    「幸太(こうた) 」
     その子。清十郎の歳の離れた弟

    「寿ず(おすず) 」
     麻之助の縁談相手。吉五郎のまたいとこ

  • おふくろが時代小説好きなのが最近になってようやくわかってきた。もちろんおかんの好きと自分の好きは違うのだが、現代小説を読んでいると十中八九が鬱だのストレスだのと暗い人物しか出てこない。それに比べて時代小説は登場人物がみな躍動的で元気溌剌だ。しかも人情と爽快さ、明瞭、勧善懲悪がしっかりしているから読んでいて不快さがない。最近ではイヤミス(読後、イヤな気持ちになるミステリー)がもてはやされているけれど、それを好んで読んでる人、一回病院行った方がいいよ?笑
    とまあ、時代小説を持ち上げているが、この作品が良いか?と問われるとちょっと飽き飽きする。分かりやすいし人物も活き活き書かれている。が、なんだろう、わかりやすいけど面白さが今一つ物足りない。なんだろうなぁと思っていたら文章力が足りないのに気が付いた。これ、何かの台本かなってくらいすべてが淡々としており深みがない。読み手に想像力を沸かせてくれないんだよね、惜しい作品だ。

  • しゃばけシリーズを一通り読み、その後のしゃばけ(スピンオフ?)も読み、畠中 恵さんの新刊という事で、期待して読んだのですが。

    内容は、江戸時代の名主の跡取りコンビと同心見習いの3人の若者の周りで持ち上がる、ちょっとしたナゾや依頼を解き明かしていくお話。
    しゃばけのナゾ解きと似ていなくもないが、妖が出てこないだけでこんなに魅力が半減するものなのか・・・
    登場人物のキャラがいまいちはっきりしなくて、しかもいつまでも昔の恋(という程でもない位のもの)を引きずっている主人公と幼馴染が不愉快。
    残念ながら、期待外れでした。

  • 何となく読みにくくてなかなか読み進められなかったけど、我慢して最後まで読んだ。
    推理や展開がちょっと強引なんじゃないかと所々感じた。親子の関係を夫婦にしてしまおうとするところとか。
    あとお寿ずに対して、勝手で自己主張の強い女という印象を受けて読んでてイラッときた。

  • 実はこの続編も読んでみたんです。シリーズ物なので、だんだん面白くなるのかな?と思って。
    ・・・ちょっと、気持ちが合わないかな。
    もう読むことはないと思います。

  • どうしようかと思うくらい第一話が面白くなくて、読了できるかを危うんだ。なぜだろう。「しゃばけ」シリーズと同じく、若旦那と言えばこちらもそうなのだが、この変な男のしゃべりはくどいし、好きな女も不自然だし、謎解きとしても中途半端だし、何とはなしに読みにくくて残念。
    それでも後半進むにつれて、謎解きは相変わらずでも少しは動きが出たので、勢いで読み切れた。しかも、夫婦になったらどうなる?と引っ張られてしまったので、次作には手を出しそう。2013.02.02

    読んだことないと思って図書館から借りて再読してしまった。まったく記憶になかったし、イマイチなのは同じ感想。次作には手を出していなかった。
    2018.10.15

  • しゃばけシリーズの大ファンなのですが、この本はあまり好みではありませんでした。文章は優しく、読みやすさは変わらないのですが、どうしても「若だんな」の純粋さの方が好感が持てて、この主人公はウジウジ後悔して周りを振り回しているようにしか思えませんでした。人間らしい、とも言えますが。

著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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