私の男 (文春文庫)

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著者 : 桜庭一樹
  • 文藝春秋 (2010年4月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167784010

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私の男 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読み始めは淳悟と花の関係があまりにも気持ち悪くて読み進めるのが苦痛だった。
    でも2人の過去へと遡って行くに従って2人の心の闇というか歪んだ家族への愛情だとか親子の愛情だとかが色々見えてきてなんとも言えない気持ちになった。
    でも結局淳悟は何故花の元を離れて何処へ行ってしまったのだろう。

  • なんとも言えない世界観。なんとも言えない感想。なんとも言い難い感じでした。近親相姦の心情とはこんな感じなのか。。。と、納得いくような行かないような。他の小説と全く異なることはこの、同調できる要素のあるなし。。。

    殺人者ですら、こんなんならわたしでも殺しかねないな。と、思うような内容の小説もあるけど、これだけはどーもどんなに詳細な心の描写があれど、どーもこーも気持ちがわかることはこの先も一生ないであろうと思われる、複雑な心境にさせられる一冊。

    この人がこんなふうに描ききれるのは、本人になんらかのそういう気持ちがあるからなのか?と
    疑いたくなるようなほどになんだかリアルで鳥肌です。

  • 読み進めるうちに不快感と知りたいという好奇心が交差する不思議な感覚でした。
    こういう愛の形もありなのかと思わせてしまう、ねじれているけど、心の奥にありそうな見たくない感情を見せていく小説です。
    そして、大事な所は読者の想像力にゆだねている。
    人に寄って、様々な読み方が出来そうな気がします。

  • 時系列が逆転していくという書き方が意外。
    話としては得意な分野ではないが、一気読みした。

  • 第138回 直木賞 受賞作品
    P445
    2016.4. @37

  • 分かちがたく、そして、それ以上つながれない男と女の愛のどん詰まり。出来の悪い小説とかつまらないとかでは決してないのだが、陰鬱な話なのでなかなか読み進められなかった…

  • 直木賞作品なので、タイトル程度は知っていたけど、読み始めてしばらくは「男にこんな文章書けるのか?」と驚いてしまった。しばらくして、この筆名の人物は女性だったと知り、腹に落ちた。(まあ作者の性別で物語の面白さが左右されるわけではないけど)倒叙形式で不思議な男女関係の謎が解れていくお話。

  • 花の結婚式前夜から物語は遡っていく。
    花と淳悟にしかわからない、わかりあえない精神的に閉ざされた世界の中がそこにはある。
    唯一無二の存在。
    言葉にしてしまえばたったこれだけに集約されてしまうけれど、二人が寄り添って壊れていくようすは怖いような哀しいような、胸にくる物語である。
    もともと壊れかけていた二人が出会い、共にゆっくりと溶けあっていく。
    約束した時間を過ぎても結婚式に現れない淳悟。
    時間も迫り父親が不在のまま結婚式を始めようとする周囲。
    花はうろたえながら叫ぶ。
    「だって、おとうさんがいないもん!どこにも、どこにも、行けないわ…」
    生きるために、幸せになるために、淳悟から逃げようとする花。
    縛りつけるわけでもなく、縋りつくわけでもなく、淳悟は淡々とそれらを受け入れる。
    誰と結婚しても、どこへ逃げても、結局は逃げ切れるはずなどないと知っていたのだろう。
    引き寄せられるように禁忌を超えた二人は、ひとつの魂が歪に割れたもの同士だったのかもしれない。
    他の誰とも合うことはない。
    ピッタリと自然にひとつになれる相手は、互いしかいなかったのだろう。
    描かれている場面だけを切り取れば、重く背徳の匂いが立ち込める物語になってしまう。
    けれどそれらを押し退け、圧倒し、上回る孤独と切なさが全編に漂っている。
    刹那的な二人の生き方が胸に迫る物語だった。

  • 第138回直木賞受賞作品ということで読了。 正直なところ生理的に受け付けない物語ではあるものの、不完全で歪であるからこそ、この親娘は孤立した独特な美しい世界の住人であるのかもしれない。

  • 誰かに話したいとか、わかってほしいとか思ったことはなかった。大事なことは、誰にも知られたくなかった。

  • 「家族」というのが、この本のテーマのひとつだと思うけど、どんな家族のドラマとも違う、グロテスクな作品だと感じた。最後まで退屈せず、一気に読むことができたが、小さい花と淳吾のお話は、読んでいてゾッとしてしまった。

    ダイヤのピアスや鍵のネックレスなど、出てくる小物が印象的。読んでいるとき、ことばの選び方が素敵だなと何度も思った。

  • うさぎドロップスが“陽”なら、こちらは“陰”
    父性と母性とは何か。性質の性なのか、性愛の性なのか。
    現在から過去へ遡ることで、修正不可能な二人が浮き彫りになっていく。
    映画も見ようかな。淳悟が浅野忠信っていうのは、適役な気がします。
    2017-1冊目

  • なんかね、、、ちょっと受け入れない

  • 章が進むごとに時間が巻き戻っていく構成の作品は初めて読んだので新鮮だった。
    結果を知ってから原因を探っていくというこの物語に最初はうまくなじめなかったし、普通の書き手の方が好きだと思っていたが、読み進めていくうちに深みにはまった。
    この著者の別の作品にも触れてみたいと思う。

  • 2016.11.03.thu.読了。愛おしいものを描く作者の描写、圧倒的。どうしても逃れられない絆というものはあるのだろうし、お互いの必然が絡み合う状態を儚く重いが的確に描いている。

  • 好きか嫌いかと言えば、正直嫌いな話だった。ストーリーが見えない中の、前半の性描写は気持ち悪くて、読むのをやめようと思ったほど。けれど、読み進めるにつれこれはこれで…と何となく納得させられた、というか…。またしても、不思議な感覚。これが桜庭さんの良さなのかな。

  • ミステリーとしてはあり得ないのですが、物語としてはすごく引き込まれます。映画化されているそうなので見てみたいです。

  • 気持ち悪いし到底理解はしがたい。
    それでも、現在から過去に遡って描かれている構成によって、二人の背景を知るべく引き込まれた。
    結局最後まで、二人を突き動かしたものがなんだか、わかったようなわからないような…。
    混沌としたままなのが、この作品のよさなのかもしれない。

  • 2016.08.01
    圧倒的だった。目が離せなくて一気に読んだ。
    受け入れられない、汚くて気持ち悪い世界が続くのに、時間を遡る書き方が良かった。
    最終章、津波の場面は胸に迫るものがあったし、目の前に現れた淳吾はとても美しくかかれていて、全て許してしまえるくらい魅力的だった。
    最後にこんなに登場人物を魅力的に書いて、納得いかせる桜庭さん、すごい。

  • ほの暗く、淫靡な世界だ。
    だからといって嫌な感じは全くしない。
    登場人物はかなり魅力的だが破滅的だ。
    しかし花がこの先順調な結婚生活を送れるとはとても思えない。
    幸せになってほしいと思うと同時に、いや、幸せになってはいけないと思う気持ちも強くある。続編が必要だ。

  • 図書館で。
    直木賞を取った作品だったかなぁとタイトルだけは知っていたのですが父と娘の不義密通のようなお話と聞いたのでなんとなく敬遠していたのですがまあ読んでみるか、と手に取ってみました。お話の好き嫌いはともあれ最後まで読ませるだけの力のある本だなぁとは思いました。

    とはいえ。好き嫌いで言ったらどう考えても好きになれないお話だし、好きになれない登場人物ばかりです。集落全員が知り合いというような小さな町で住むにはあまりに適さない父娘ともいえるかもしれない。そういう意味では早いうちに東京都か都会に出てきた方がよかったのかも。いや、二人が納得して幸せならそれはそれで良いと思うんですけどね。他人は巻き込まない方が良いんじゃないかなぁ?ムスメのダンナとか良い面の皮って感じです。だけどまあ他でもない本人が彼女のそういう暗いところに引かれたんだから自業自得なのかもしれないけど。

    二人だけの世界で満足している人たちがでも二人だけじゃ生きていけない世界で暮らしていかなくてはいけないのは不幸だし、周囲にとってもとても迷惑だなぁ。違う観点から見たらものすごい幸福な二人なのかもしれないけれどもタイムリミットがあると二人ともが思っているため不幸なのかも。年老いてヨレヨレになるまで誰も別に責めたりしないから一緒に居たらいいのにねぇ。まあ本の題材にするにはある程度見栄えの良いところで終止符を打たないと美しくないとは思うけど。

  • なんだろうね、この気味の悪さ。ホラーじゃないのに背中をゾクッとさせる感覚だ。
    家族とか親子がテーマなのかもしれないけど、ここで描かれるのは歪んだ愛情だ。これが半端なく気味が悪い。

    9歳のときに震災で家族を失った花。その花を引き取り養父となった淳悟。この物語は、40歳の淳悟と24歳の花を描いた第一章から、時間を遡る形で描かれている。
    第一章は結婚を目前に控えた花の視点で、新婚旅行後まで。
    第二章は、花の夫の視点で、花との出会い。
    第三章は、淳悟の視点で、高校2年生の花。
    第四章は、花の視点で、同じく16歳の時代。
    第五章は、淳悟の恋人の視点で、中学入学前の花。
    第六章は、花の視点で、十歳のときの震災から淳悟との生活までを書いている。

    時代がどんどん遡る構成も珍しいけど、全編を通して流れるある種の気味悪さ。ハッキリと描かれているいるわけじゃないけど、二人の背後に「事件」のようなものを感じさせる描写。それが明らかになったときの、なんとも言えない感覚、この小説、すごい・・・。

    主人公の花・・・かわいくない。というか、この小説の気味悪さの原因は、この少女にあると思う。淳悟も病んでるし、こんな親子が居たら、ホント気持ち悪い。
    でも、どこかに居そうな気がしてくるんだよなぁ。これは作者の筆力の高さのなせる技だな。
    淳悟や花の育った背景なんかも描かれてるんだけど、違和感を感じない。現実にこういう境遇で育つ人も居るだろうな、と思わせる。それだけに淳悟と花の病んでる姿にもリアリティが生まれてる。

    淳悟と花の感情表現を抑えて描いてることで、気味の悪さが増幅されてる。読者が勝手に想像してしまうのだ。それも悪いほうへ・・・。
    時代を遡ることで、最初に見えてなかった謎の答えが徐々に見えてくる。この徐々に見えてくるってところも、作者の腕なんだろうな。一気に謎の答えが判るよりも、章を進める事で少しずつ判ってくるんだが、これなんか、ジワジワと恐怖を感じるような感覚に似てる。

    初の桜庭作品だったけど、良いものを読んだ。

    ☆4個

    背表紙~

    落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった十歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から二人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く第138回直木賞受賞作。

    たしかに凄い筆力。
    最後まで読み終わって、第一章を読み返してみると、二人の「これから」が気になる。

  • 初、桜庭作品。直木賞を取ったということでしたが、正直あんまり期待していなかった。しかし、予想に反してなかなか面白かった。現代から過去に遡っていくというストーリーとねじまがった親子愛には正直に驚いた。最後の章、「1993年7月 花と、嵐」が好きかな。あと映画は観てないけど、浅野さん、ピッタンコの様な気がする。機会があれば、観てみたい。

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落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった十歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から二人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く第138回直木賞受賞作。

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