伏―贋作・里見八犬伝 (文春文庫)

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著者 : 桜庭一樹
  • 文藝春秋 (2012年9月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167784065

伏―贋作・里見八犬伝 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「南総里見八犬伝」のことをほとんど知らない。
    ざっくりと、ドラマや映画になったものを見たくらいで、はたしてその中にあったストーリーが正しいものなのかどうかさえわからない。
    だから、この「伏」がそのまま里見八犬伝だと言われたとしてもまったく違和感がない。
    本家の「南総里見八犬伝」を知る人にとってはとんでもないことだろうが、ライトノベルを読むような感覚で物語を楽しんだ。
    伏姫と八房をめぐる物語は、時を越えて江戸の町へと続いていく。
    何ものにも染まっていない浜路は、猟師の嗅覚で次々と伏たちに遭遇していく。
    そして伏のひとり・信乃から聞かされた運命ともいえる彼らの生き様を知る。
    世の中を生き抜いていくための仮面をつけた生活。
    伏であることを自覚していない者は仕方がないが、自分が伏だとわかっている者にとっては本当に短い時間しか与えられていないことが、逆に生きる力になっていたようにも感じた。
    自分たちは何のために生まれ、何のために死んでいくのか。
    伏である信乃たちはひとつの答えにたどり着く。
    その行動が正しかったのかどうかはわからないけれど、因果の輪がそこでひとつ閉じたことは間違いないだろう。
    面白かったのだけれど、何というか印象が薄い物語だった。
    何年経っても記憶に残る物語というわけにはいかなそうだ。
    「アニメの方が面白かったな」などと不謹慎なことを思ってしまった。

  • とにかくツギハギのような話でした。章によってラノベ調、幻想的、アクション…と作風がばらばらで、バランスが取れていないような感じ。
    しかし、場面ごとのセリフや情景が鮮明で、桜庭作品特有のセンスを感じました。

    結局ぐいぐい引き込まれて一気読みしました。これぞ娯楽小説。好みは分かれそうですが、私は大好きです。

  • 時代物を現代語で書かれると、軽すぎてモヤモヤ。雰囲気ってやはり大切だなと。
    本家『南総里見八犬伝』は未読ですが、そちらに興味が出ました。

  • 桜庭氏の作品は2作目だが私には合わないようだ。この物語も終着点という結末は無いようにも思える。信乃は結局逃げてしまうし、あの話を聞いた処で浜路は「猟師」だから狩るという結末にしかならない。言いたいことがちょっと分かり辛い、というか分からない。
    これを読むくらいなら里見八犬伝を読むべきです。ちなみに模しているところは有りますが、よく此処まで改悪したなというのが純粋な感想です。

  • 伏、という犬人間と、人間のお話。
    実は里見八犬伝を読んでないので、そっちに興味が湧きました。
    異種ものって、どちらにも正義がある書き口が多いけれど、意外にもこの作品は、伏側には立たない。事実を述べるのみ、だった。
    アニメに少し興味あり。

  • 滝沢馬琴作の里見八犬伝は読んだことがないため,模している部分がどこなのか気になります。

    てっきり地下道のやりとりから浜路と信乃に何かラブ的なものが・・・!?とか思ったんですけど,あっさり。まあこれはこれで続きを妄想というか想像できていいと思います。あと,全体的にテンポよく話が進むので一気に本の世界に入り込めました。面白い。個人的に冥土の語る 贋作 里見八犬伝 の章が特に惹き込まれました。
    対比がうまく使われていて全体としてのつながりを感じました。

  • 里見八犬伝を違った視点から捉えた、伏。
    伏姫の末裔が犬人間という。
    でも八犬士とか、犬側じゃなくて、犬は狩られてしまう側っていうのも新鮮かもしれない。
    同じ名前を使っているのでちょっとイメージが違うよって思ところもあるけどw
    里見の里での、伏姫と八房、里見家の物語を描いた偽里見八犬伝と二つの物語が絡むように進んでいくのが面白い。

  • この本を読んで、里見八犬伝を読みたくなりました。ころころと話の視点が変わって行くのですが、とても読みやすかったです。映画もあるそうなのでそちらも気になりました。

  • 信乃と浜路のこれからが凄く気になります‼︎

  • 伏―人であって人でなく、犬の血が流れる異形の者―による凶悪事件が頻発し、幕府はその首に懸賞金をかけた。ちっちゃな女の子の猟師・浜路は兄に誘われ、江戸へ伏狩りにやってきた。伏をめぐる、世にも不思議な因果の輪。光と影、背中あわせにあるものたちを色鮮やかに描く傑作エンターテインメント (Amazonより抜粋)

  • なるほど、アニメにするとピッタリな作品。祖父と暮らしていた山から降りて、兄と共に伏を狩る猟師、浜路とその敵である伏、信乃が地下道を共にしたわずかな時間の先にどんな決着があるか、ドキドキしながら読んだものの、アレレ?地下道のやり取りがなかったかのようなアッサリした結末。でも贋作の方の物語はとてもおもしろかったので良しとするかな。里見八犬伝を知っていたら、もっと楽しめていたかも。

  • 里見八犬伝って、小学生のときに読んだ記憶がうっすらあるような無いような。
    もう一度読んでからまたこの本読んだら面白いかも。

    入れ子構造なお話で重厚。
    アニメは正直失敗だと思う。

    桜庭一樹独特の筆致は癖になります。

  • 里見八犬伝に想を得た伝奇ロマン。妖の生き物の物哀しさが、ユーモアを含むからりとした文体で書かれている。八犬伝があまりにも長大なだけに、もう少し、広がりを持たせられたならとも思う。

  • 150712読了。
    ずいぶん前に、プリンさんから「エンターテイメントの要素で」と読了後の本書を借りていたのでした。文庫でも分厚い本は読むのが億劫になるので嫌煙していましたが、前回読んだものが300ページ超だったので、体が慣れているうちにと読み始めました。
    文体は軽くて、あっという間に話が進むので楽しいです。個人的に、舞台が江戸だったのにみんな綺麗な東京言葉を話す登場人物に少しがっかりしていましたが。
    表題の贋作里見八剣伝が中核にあり、それだけで物語として完成されています。
    そこへ、猟師の少女・浜路と伏の信乃の会話やアクションシーンが色になって、昔の伝承をもとにした歌舞伎か劇でも見ている気分になります。
    旅は続く、っていうラストも冒険活劇っぽくて清々しくいい感じです。
    ひとつ残念なのが、芝居を見るように読むので、読了後に見返したいところがあまりないこと。
    今日は結構な電車移動だけど、さてこのあとどうしたものか。

  • 物語の中の小説がとても面白かった。キャラクターの個性が豊かでストーリーも入ってきやすかった

  • 人の姿をした獣を狩る話。
    最後に信乃の言った言葉、「犬にも、一寸の命。」が個人的に一番印象深いです。
    桜庭さん、こんなお話も書くんだと少し驚きました。

  • 小説の中で書かれている物語のほうが小説自体よりおもしろい

  • キャラクター立てるのがうまい。
    だからイメージしやすいし、世界に入り込める。
    けど、諸々、特に最後が投げっぱなしなんだよなあ。

  • 人間と犬の間に生まれた不思議な一族の話。
    でも真っ暗に感じないのは、浜路のおかげかな?

  • 話の内容よりも
    文体や世界観に惹かれた。

    元を知らないけど
    この本だけでも楽しめたと思う。

    でもやはり元は気になる…。
    機会があれば。

  • 終わってない感じの終わり

  • 2014/7/17。18冊目。
    八犬伝が好き過ぎる。
    誰が、と問われればまず親兵衛と答える。
    けれど信乃と浜路(この二人はセットであって欲しいので、やはり)も外せない。
    毛野も好き。伏姫、八房も。
    山田風太郎氏の八犬傳の影響で、馬琴先生や北斎さんも大好きなのです。

    先日、座・高円寺の本の楽市で出会った本書。
    丁度映画が始まった頃存在を知ったのに、すっかりうっかりしていて、これは僥倖と手に取ってみた、と。

    うん…
    ファミリーポートレートの雰囲気が凄く好きで、期待してたんだけど…うむ。
    時代小説としては…むう…
    浜路の可愛さはわかるんだけど…

    どうも歯切れが悪くなる。

    人物の言葉遣いや地の文含め、言葉の持つ雰囲気と世界観って当たり前なんだが、とても大切だなと痛感。

  • 猟師の娘の浜路は、江戸にいる兄の道節のもとに身を寄せ、彼とともに、最近江戸に出没している「伏」と呼ばれる犬人の賞金稼ぎとなります。

    山で暮らしていた浜路は、獣の匂いを敏感に察知し、さっそく一匹の伏を仕留めることに成功します。そんな彼女の活躍を聞きつけた、曲亭馬琴の息子の滝沢冥土は、あることないこと織り交ぜて、浜路のことを新聞記事にして江戸中に知らせます。そのことを知った浜路は、文句を言うために冥土のもとを訪れますが、そこで彼が執筆中の、伏が生まれた顛末を記した読本『贋作・里見八犬伝』のことを知ります。

    『贋作・里見八犬伝』は、美しく強い里見城の姫君・伏姫と、弟の鈍色、そして伏姫の愛犬・八房の物語です。同盟国に裏切られた伏姫の父・里見義実は、敵の安西景連の首をとった者には伏姫をやると口にしてしまい、それを聞いた八房が景連の首を取って帰ってきます。八房とともに森の中に姿を消した伏姫は、やがて人語を失い、八房の子を宿します。それが伏たちの生まれる由来だったのです。

    さらに浜路は、冥土が脚本を書いた歌舞伎の「怪盗玉梓」を見ることになります。それは、里見義実が怪盗玉梓を捕らえ、その呪いを身に受けるという物語でした。その結果、彼の娘の伏姫が、八房との間に子をなすことになったのです。ところが、この舞台を演じている人気役者の犬山黒白が、伏だったことが明らかになり、舞台は大混乱に陥ります。

    浜路は、信乃というその伏を追いかけますが、湯島天神から江戸城にまで続く地下道に落ちてしまいます。地下道を歩きながら、浜路は信乃の自分語りに耳を傾けます。

    作中作を畳みかけるという、ちょっと凝った構造の物語ですが、それ以上に、浜路のライトノベル的で分かりやすいキャラクター造型の魅力で読ませる作品だったように感じました。

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伏―贋作・里見八犬伝 (文春文庫)の作品紹介

伏―人であって人でなく、犬の血が流れる異形の者―による凶悪事件が頻発し、幕府はその首に懸賞金をかけた。ちっちゃな女の子の猟師・浜路は兄に誘われ、江戸へ伏狩りにやってきた。伏をめぐる、世にも不思議な因果の輪。光と影、背中あわせにあるものたちを色鮮やかに描く傑作エンターテインメント。

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